ブラッディ・マロリー(2002)ジュリアン・マニア
ヴァレンティナ・ヴァルガスが出てる!
オープニング。
美しい花嫁(オリビア・ボナミー)が走っています。うんうん、わかる~。ウェディングの場でいきなり新郎がヴァンパイヤだとわかったら、そりゃー私だって走るもん。
だけど私だったら、新郎のバンパイヤ(ジュリアン・ボワスリエ)を、やおら斧で叩き割ったりできない……たぶん……。
だって斧だよ、斧。いくらウェディングドレスだっちゅーても、どのへんに隠し持っていたんだよ・・・。
いやベツに武器が斧だからイカンわけじゃないのだ。チェーンソーなんかよりはお手ごろだし、スカートから出てきた斧でも、ポケットから出てきた槍でも、ぶっちゃけ凶器がとうもろこしでも、刺さりさえすりゃだいじょぶ、というのがホラーの掟なんだしな、うん。
で、斧でいきなりブっ殺された夫は、 その後すっかり超常現象特殊部隊のリーダーとなった妻、すなわち自分を殺した相手に仕える召喚獣みたいになって、呼ばれればイヤイヤでも協力してるんです!!
え?え?とは一応思うものの、ここらへんまではまだ監督のテンションに期待を持ってた。
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んとんと、狙い自体はぜったいアリよね。ヴァンパイアなどという、無茶な展開と開き直りの許される題材。しか もキャストは、フランス映画にあるまじき現代的な若手美形ぞろい!
どうでもいいけど私は、ジュリアン・ボワスリエ(の横顔)が好きだ!!!
狙いも好み、キャストにだって文句もない、 うまくいけば、一部の変わり者にとっては、ベタベタの安物でもバリバリ楽しい、遊園地みたいな映画をありがとう!……ってなってたはずじゃなかったのかなぁ。
つうか、うまく打ってもその程度のモンだとすれば、スカっと空振りしちゃった場合、三振映画になるのが当然なのか・・・。
ぶっちゃけ、どうしてこんなに残念なのかなぁ。
愛はある、金はない、でも金のなさに責任のすべてがあるわけじゃなさそうです。
まず、ジャパアニメおたくの監督ならではの、はしゃぎまくりなキャラ設定が、見ていて、だんだんはずかしい……。
なんせ、思いつきと思いつきのつなぎ目が段違いで色違いで模様違いのツギハギで、みんな、偶然勝っちゃったり負けちゃったりしてるだけだし!そんなお話だったら、うちの息子のネゴトの方が名作だし!
それにね、いっくらキメポーズばっかり見せられても、肝心のアクションがないんじゃ、小学校の学芸会だし!!
いいけどグールお面だし!
どんなシーンのフシブシからも、製作側とアタイの温度差は広がるばかり。
スクリーンの中が楽しくてはちきれそうなほど、引いてく自分が、なんともいたたまれなくてバツが悪い・・・。
そうか、あたりまえだけどジュリアン・マニアは、タランティーノじゃないんだ。
少なくともアタイにとって、「遠いどこかの幼稚園の園長さんかなんかになって、思う存分、学芸会のプロデュースを楽しんでいて欲しい人材」なのだ!
それなら断然応援する!!
2004年2月
「ブラッディ・マロリー」データ
BLOODY MALLORY 2002年 フランス
監督
- ジュリアン・マニア
出演
- オリビア・ボナミー
- ジュリアン・ボワスリエ
- ジェフ・リビエ
- アドリア・コラド
- ヴァレンティナ・ヴァルガス