EVIL DEAD/サム・ライミ
目次
ブルース・キャンベル、オンステージ!
そもそもですよ?そもそもそこって、ふつーレジャーで行くとこじゃないよね!?!
・・・みたいな山奥の、見るからに死霊の出そうな苔むした別荘で、なんで楽しめると思ったのか男女5人。
案の定、寝起きの死霊に次々ととり憑かれて、さんざんな目にあってボロボロに!!
・・・っと、まぁそういうお話ですよね。
けど、「それだけ」の話を、めっちゃまるまると太らせてる!
80年代製作ということで、やや古さは感じるものの、今見ても色あせないコワ面白さで、やっぱサム・ライミ監督の才能って、若かりしころからとてつもなかったんだなぁ~~と納得する。
何がスゴいってそりゃぁもぅ、元祖地をなめるカメラワークのいやらしさ!
あと、満場一致で史上最強の「本棚」と、主役のアッシュ (ブルース・キャンベル)の存在感!
ぜったいソレに尽きるがな!
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だいたい、いくら死霊と化して白目をムいててコワイからって、ついさっきまで友人だった相手を、コマ切れにぶった捌ける神経が神秘すぎる!!
恐怖を前にした人間の行動とは、かくもえげつないものなのか。
けどまぁ、理性の消滅はさておいても、アッシュの行動を正当化する、事情もあるにはあったのでした。
それすなわち、ここ住みの死霊が、手足と頭を全てバラバラに切り離すまでは、バリバリ現役!! というほどしぶとく生命力(?)にあふれてて、人間が人間として生き残るためにはゴリゴリのグチョグチョもしかたないじゃん!!
ってことですよね。
まったくも~このしぶとい死霊に比べりゃ~、頭を撃ちぬくだけで倒れてくれる、ロメロのゾンビなんか、か、な、り!!省エネタイプだったのかも!うん!
ともかくアッシュ、心をぐっとオニにして、もと彼女を切り刻っ……もうとする度に、目に飛び込むプレゼントのペンダントが、いちいちものすごくこれ見よがしだ!
思い馳せればこのペンダントを、まだ人間だった彼女にあげたのは、わずかさっきのことだった!!うるうるうるっとアッシュに悲しみがこみあげる!
となっちゃっちゃぁ~、さすがに最愛の彼女のことだけは、そうカンタンに切り刻めるわけがない。
切るぞ!いやまて!切るぞ!いやまて!
そんな、この期に及んでからの、中途半端でじれったい、温情まじりのヒトリ突っ込みがアダになって、タイミングを逃しては、しょっちゅうピンチに陥るオチャメなアッシュ。
あげく体液だの血液だの、いちいち顔面にまともに浴びるハメになったりしちゃって、ドロドロのサービスショットも過剰に完備。
けど、さすがに5人中4人まで死霊になってたりしていると、も、も、もしやアッシュさえ観念すれば、案外ほのぼのハッピーエンド??とか気付いちゃうわけよ。
さすがに死霊同士じゃ、殺し合う必要ないだろうしさ・・・。
つーことはつーことは?
結局よくよく考えれば、この映画一番の殺人鬼はアアアアアッシュさんなんでは……?
死霊さんたちはよくお休みのところをたたき起こされた上、とりつくという、死霊の務めを果たしただけで、あれよあれよとアッシュに血祭りにあげられて、もしかしてものすごい踏んだり蹴ったりだったんでは!??!
えー。や、や、やばいよね!それ!!「死霊のはらわた」が世紀の死霊虐待映画だった!!!なんてことになると、テレビや新聞が青筋立てて、サムライミを指さすかもしれない・・・。
それでも、この時点では、アッシュが後々あんなことになろうとは、知る由もなかったことだし、ジョエル・コーエンの抑制(?)も効いていたかと思われる……のでまだ情状酌量の余地もあったわけよ……。(つづく)
2004年3月
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「死霊のはらわた」データ
EVIL DEAD 1982年 アメリカ
監督
- サム・ライミ
出演
- ブルース・キャンベル (アッシュ)
- エレン・サンドワイズ (シェリル)
- ベッツィ・ベイカー (リンダ)
- サラ・ヨーク (シェリー)
- ハル・デルリッチ (スコット)