Night Of The Living Dead/ジョージ・A・ロメロ
ゾンビの夜明け
ブードゥのゾンビがどうだとかこうだとかホワイトゾンビがああだこうだとか、細かい先例を抜きにすれば、おそらく世界初のゾンビ映画に当たる作品らしいです。
つーことは、この作品でほぼはじめて「屍のくせに人を襲うやつら」が出現したってことで、そんなもんになんの前触れもない状態でいきなりでっくわしたバーバラが、たとえ世界一役立たずなヒロインであってもそりゃしょ~がないやろ、何の文句もないないない!!って話ですよね!
あらすじ
場所は墓。
むこうからヨロヨロ歩いてくるおじさんに、唐突に襲われる兄妹!!
一足お先にあの世いきになりかけたお兄ちゃんをほっぽって、一人車に逃げ込む妹、バーバラ。
とりあえずは車をロック。
相手がワ我々の知ってる普通のゾンビなら、ここは一旦安堵するとこですよね?
でもこの白塗りの・・・パイオニアゾンビのおじさんは、石を拾って車の窓を叩き割る!!
ひえ~~~!!
車での篭城は、危機回避の手段として、哀しいまでに意味がない(涙)!!!
そこで焦って車を発車させるも速攻でぶつけて、結局走って逃げるハメになるバーバラ。
腰を抜かしつつも走って走って走りまくって、一軒の家に逃げ込みます。
その家には、階段にこんなの↓が、
コローーーン!
と落ちて(?)たりしますんで、ただでさえテンパっちゃってたバーバラは、一気に白痴モード(禁止コードか?)へと度が進む。
そんな現場に次に逃げ込んできた黒人の青年、ベン。
ベンの登場によりやっと人間としてアタマを使った、ゾンビとの死闘がはじまる……。
ちゅーか、一軒の民家において、立てこもった人々との恐ろしくも哀しくも気の毒にも不毛な人間ドラマの幕開けとなるのだ。
感想
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いや~、ベンかっこいいよベン!
でもやっぱ、こういう低予算でパニック系の映画は「脳なし担当キャラ」が、いかにイライラさせてくれるかに尽きると思うんで、バーバラの役立たずヒロインの鏡としての、グッジョブぶりをたたえたい。
あと、ゴルバチョフおやじですよね!
いい具合に発酵した言動をかましてくれて、適度な嫌悪感が持てるナイスキャラ!
この最小限の構成で、やっぱ、どう考えてもゾンビより人間のほうがメンドイわ~~~。と頭ぶんぶん振りながら、納得できるから面白い!
そして、なんともいえない衝撃のラスト。
クライマックス!!といえるほど、そこが盛り上がってるわけでもなく、淡々としたオチにふいを突かれる。
なりゆきの自然さがかえって心にすきま風を送り込んでくれるので、なんともサムーイ後味が残ったのであります。
ともかく人間として、唯一スペックの高かったキャラのベン。
彼の報われなさといったらなかったですよね。
でも、現実社会ではいかにもありそうな事例ゆえ、ロメロさんの狙いをストレートにキャッチできたのはとても良かったと思います。
2010年8月
「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」データ
Night Of The Living Dead (1963)
監督
- ジョージ・A・ロメロ
出演
- デュアン・ジョーンズ (ベン)
- ジュディス・オーディア (バーバラ)
- ラッセル・ストライカー (ジョニー)
- カール・ハードマン (ハリー)
- マリリン・イーストマン (ヘレン)
- キース・ウェイン (トム)
- ジュディス・リドリー (ジュディ)
- チャールズ・クレイグ (ニュースキャスター)
- カイラ・ション (カレン)