ミーハーdeCINEMA

ミーハーが映画やドラマを見てはあれこれとつぶやいてます。

『映画』サンゲリア(1979)

Zombie2/ルチオ・フルチ

サンゲリア

目次

 

ルチオ・フルチさん絶好調


原題いきなり「ZOMBIE2」。

じゃあ1はドコ?とか言って、今はなきフルチさんに詰めよりそうになってまう!!
聞けば、誰もが口を揃えて言うここだけの話、ロメロ「ゾンビ」の続編をフルチさんが作ってあげたのがこれらしい。

もちろん、フルチさん側が気をきかせて勝手にパクった作っただけのことで、ロメロさんにとっちゃ~晴天のトルネード、寝耳に大洪水、ありがたくないストロング迷惑!!……だったんかなぁ、と察せられます。

ハタから見れば明らかに、フルチさんのやったモン勝ち。
簡潔に言えば、世の中平和だったんだな、ってことなんじゃないでしょうか。

ちなみに、原題は「ゾンビ2」なんだけど、この映画にゾロゾロ出てくる、腐った死体の名称は「サング」という、ややこしいことになっています。

うん、ぜんぜんどうでもいいっすね。
 

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あらすじと感想

話は……別になにもなかった!!
ともかく、美女が脱いだり、ゾンビが出たり、美女がシャワーあびたり、ゾンビが出てきて食いちぎったり、たまに目玉になんか刺さったり、400年もの熟成ゾンビがニョキニョキよみがえったりとかします。

 

内容は確かにそれ以外になんにもないんだけど、ことフルチ映画というくくりの中に限って言えば、結構内容がまとまっているという異色の出来!!
たまに時々つじつまのハテナなところは、ブードゥ教の神秘ってことで、丸めて収めておくが吉。
まぁ実際にブードゥ教の信者さんなら激怒してもいいと思うけど、実害のないアタイとしてはフルチさんの言い分に歩み寄り、とりあえず、「わけわからん!!!」と吠えずにすんだ感じです。

 

なんせフルチ氏、サービスがねっちょりクドい人ゆえに、内容がなんもなくとも余計なところに芸が細かく、見る側がその気になりさえすれば、ミドコロは満載!!

私も一応、眼球めがけて来る!!来る!!来る~!!ウっ!!ん?・・・みたいなシーンとか、ゾンビが奥さん囲んで無言でモグモグ食ってる根暗なランチシーンとか、す、す、好きです。かなり。ごめんなさい。

 

つーか、フルチさんがあまりにもあの手この手で喜ばせようとしてくれるので「フルチさんは私たちを誤解していまーすっ!!そのサービスは間違っていると思いまーすっ!!」などと無下にお断りするのも申し訳なくてさ……。
やっぱ、せっかく出してくれたものは、楽しく見せていただく、てのが仁義ってやつかなと思いましてね……。


いやでも結構オモシロイのは確かです。
体のパーツがいちいち丸出しになってるわりには、ピンクのキャップだけはきっちりかぶって突然海に潜るオネーさんとか、かなり五体満足な状態のまま海に潜んでるゾンビとか、ピチピチのおねえさまそっちのけでゾンビと死闘するはめになる気の毒なサメとか、凡人には思いもよらないネタがテンコで、なかなかあきれた飽きない展開になってます。

その、ピントがひとあじ違うアイディアと、シモジモとは折り合いにくいであろう独特のテンポが捨てがたく、ヤジりながらもついつい楽しく見てしまう。最後の最後まで見てしまう。

 

最終的に、ゾンビがあふれてこの世も終末……という絶望的なシーンが一瞬涙を誘いかけるものの、隙間に見える道路では、フツーにブンブン車が走ってたりして、「平和なんじゃん!!」とか思う(笑)。
そんな、「ゾンビのディティールにはうるさいくせに、大事なラストはテキトーにすませる」という偏った仕事っぷりに、困りながらも妙に憎めない映画……。

 

(2005年11月)

 

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 ▼2もあります。

seicolin.hatenablog.com

「サンゲリア」データ

Zombie2 1979年 イタリア

監督

ルチオ・フルチ

出演

ティサ・ファーロー
イアン・マッカロック
リチャード・ジョンソン
アウレッタ・ゲイ
アル・クリベール