STRIPPED(2003)ジギ・ローテムント
一部斬新?冷や汗系スリラー
ジャンル的には、サイコスリラーかなと思うんだけど、科学の力では解明できないような種類の悪寒を、背筋に ザワザワっ!と感じた点で、下手なホラーより怖かったのは確か!!!
内容はわりとありきたり。
精神科医で作家の主人公、犯罪者の心理分析のプロなんだけど、サイコ野郎のおかげでヒドイメに合わされて参ったよ、って筋書きです。
ま、人間いざという時は、心理分析とかゴチャゴチャ試すより、とっとと走って逃げよ~よ!という話じゃないかなぁ。
なにはさておき、映画としては、全く面白くありませぬ。せめて何か和める見所とかあれば良かったんだろうけど、意外とつくりがカターイせいで、途中休憩もままならぬ。
しかも、「一応とってつけておいたから!」と言わんばかりの、安直な家族の絆のドラマなんかでもって、つまんなさにタップリ油を注いでいるもんだから、どんだけ燃えるもんなのか、つい火を点けてみたくなります。
しかしね、そんな全てをひっくるめても、すべてを覆して余りある独自性があったんです!
つまり、見る方も作る方も当たり前すぎて気にもとめなかったような、B級スリラー根本のお約束を、コトモナゲにひっくり返しちゃっているんです!その様子を熱血に表現するなら、さながら星一徹のちゃぶ台返し!!!
もうね、つまんないとかいうモンダイは、それに比べたらミジンコでした。
そのモンダイのちゃぶ台返しの真相は、スザンヌ・ファン・ボルゾディという、どこからどう見ても押しも押されもせぬ立派な 「熟女」 に、ヒロインをやらせちゃっているところ!!
ヒロインっすよ、ヒロイン!
カメラアングル的にサービスショット満載、ミニスカートの足は組み替えまくるわ、しどけない寝姿も見せてくれるわ、のべつ下着姿(シュミーズ?)だわ、薄モノを着て水にもぐるわ!!!
アップの顔が恐怖におののいたかと思うと、フトモモもあらわに逃げまどうのです。
言葉にすればそれだけだけど、ゆめゆめ甘く見てはいけない。
なまめかしくすらりとした足が、美しいだけに痛々しい!!もうそれ以上 脱ぐな、脱がないで、脱がないでください、お願いですから!!! とモンダイのあのシーンで、わたくしたち視聴者は満場一致で願ったはず!!
ぶっちゃけ私はあのシーン、エクソシストの首が回るシーンより、はるかに緊張しちゃったよ!!!
いやアタイ、なまめかしい熟女を、否定するつもりはありません。
わたし個人は年を取ってから脱ぎたくはないが、人生は人それぞれ、どうぞ脱ぎたい熟女も達者で暮らしてください。
実際、熟した果実の放つ渾身の色気は、そのスジの人にとっては、魅惑の深い沼だと思う……。
ただ、ただ、ただね!!!
あたしゃーノーマルなんですよ!
熟女のお色気とかいらんのですよ!
どこか遠い世界で勝手にやってるぶんには文句はなくとも、こんなふうに映像で見せつけられると、正直痛くてつらいんですよ!!!!!
まあ、異常者がマザコン(エド・ゲインあたりがモデルなのかなあ?)、ヒロインは母でありプロファイラー、ということでこうなっちゃったんだとは思うけ ど、どの設定もないほうがまし!ってぐらい中途半端だったので、ヒロインがこの人でなければならなかった理由も、スクリーンのこっち側に、伝わってくるわけがない。
結果、熟女のお色気だけが浮いてしまったものの、それゆえ、いやに印象に残るので、ある意味結果オーライなのかもしれない。
2004年10月
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「シークレット・ルーム」データ
STRIPPED 2003年 ドイツ
監督
ジギ・ローテムント
出演
スザンヌ・フォン・ボルゾディ
マックス・ティドフ
トーマス・シェンデル
パウリーヌ・クノフ