The Texas Chainsaw Massacre.The Beginning(2006)ジョナサン・リーベスマン
レザーフェイス出生のひみつ
うーむ、「黒の怨」のジョナサン・リーベスマンと、製作がマイケル・ベイかぁ・・・。
うーむうーむ、ね、寝るかも!!という先入観はやっぱりあった、ありました。
しかし、ホラー界のアイドル、レザーフェイスが出るというのに、「見ない。」という選択はありえないよねぇ。
たとえ万一監督がウーヴェ・ポルちゃんなんかで、製作がマイケル・ベイ、プロデューサーがブラッカイマー、生き残る主役はトム・クルーズ!とか言われても、アタイ泣きながら見るもんね!!それが愛ってもんなのよ。我ながら美しい心がけ。
だから今まで見てなかったのは、単に忙しかっただけです。忙しさも一段落したので、やっと見ることができました!!イエーーーイ!
感想・・・うん、悪くない・・・悪くないです、それはそれはネッコリとバッちくてナマナマしくてネチョネチョしててドッピュりしてて、画面からもわわわわ~~~~んと、ハンパない悪臭のごときものも迫ってくる。
オバケ屋敷で「出るど出るど」とビクビクしてる時に、後ろから「ワっ!!!」って脅かされるみたいな卑怯さもあるし、痛い描写はキリキリメキメキズブズブと痛くて、いやホンマにイヤーンだったです!!!何度も再生を止めて深呼吸するほど不快指数MAX。
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だって、ロープで縛られたりつるされるぐらいなら、まだ生活観もあって平常心でOKだけど、あの鉄でガチンと手足と首を固定されちゃあもうダメだよね!!
あの瞬間、思わずエリックに憑依して(感情移入ともいう)ああーーーーー!!エリックピーーーーンチ!!絶体絶命!!腕を開きにされるだけでは飽きたらず、生きたまま顔の皮まで剥がされちゃうのか?!しかも恋人の目の前でなんて恥ずかしいっと目を覆う!!!
・・・・まあ実際は、エリックの皮剥がしはまぬがれないものの、それは息の根が止まってから行われるので、むちゃくちゃほっと(がっかりとも言う!)しますけど。
んでもってその剥きたてホヤホヤで、フレッシュにデベロ~~ンとしたたる顔面を、チクチク縫って、トーマス青年(レザーフェイス)その場で装着!!!
思わず「に、2~3日干しとけよ!!」とムンク顔で叫んじゃったのは、私だけじゃないと思う!!
ちなみに、屠殺部屋の一角にちゃんとミシンが置かれてる!ギャハハ!!
そんなふうに、想像力を刺激され、ビックリ箱にビビらされ、職人技の血糊はホレホレと正面から見せられても上手にグロく、観てる最中は面白いと思うし、直後はああコワかった!!とか思うんですけど・・・・、何かこう数日経過した後味に、フレーバーくささだけ残ったんですよ・・・。
今回、題名で、ビギニングと言い張ってるだけあって、いくつかのなれそめが明らかになりました。
レザーフェイスの出生とか、ホイト保安官の誕生とか。でも、何が明らかになったところで、「やっぱりそんなことだろうと思ったよ!」ぐらいのモンでしかないような・・・・。
つーか、明らかになった部分に驚きが一切ないので、せっかくの一家のカリスマも毒気も、薄れちゃったんじゃない?みたいな・・・・。
いや、冒頭の出産シーンなんかはすごく好き!!好きなんですけど、でもあれも、別にフツーのデキゴトだよね?職場で産気づいて出産。まー、お母さんが死んだので、ブサイクな赤ちゃんがポイっとゴミ箱に捨てられちゃうなんてことがフツーにあっちゃイカンけど、それ以外はびっくりするほどのこともない。
アタイの知人も、トイレや車で産んじゃいましたよ、普通、普通。
つーか冒頭のシーンで、映画を作ったヒトタチが、言いたかったことはつまりコレ?↓
「仰天!!レザーフェイスはナント養子だった!!!」
むー。えとえと、・・・・ちっともビックリしませんケド・・・・。
じゃなくて、そこだけやってちゃイカンやろ、どうせ描くならヒューイット家での、レザーフェイスの成長ぶりもキッチリ描かな。 ・・・・という話かも・・・・。
なんかコレ、つい派手なスプラッタ描写にはぐらかされるけど、よく見りゃホイト保安官を除いて、他のどのキャラにも、生理的に訴えてくるような狂気がなくないかな?
調理道具に、あえてチェーンソーをチョイスしてるだけが、いけにえ一家の異常じゃないよね。
ただ手に入る食料が主に「人肉」だから「人肉」を食ってるだけだったって、そりゃ単なる「生きてこそ」なのでは・・・。<コラ!
つーか、人肉を食うのに「理由」があるなんて気に食わんのよ!!やっぱ、理不尽でナンボやろ。
レザーフェイスも、お面だけかぶって安心してる場合じゃないよ!思わずアタイが「うへ~~っ!」となるような行動が伴わなきゃ、それただのコスプレじゃん。
ブツブツ。
まぁでも、ちょっと考えてみれば、その分を補って余りあるほど、ホイト保安官が狂ってるから、これで丁度なのかもしんないです。
狂った保安官というより、万年ハートマンのリー・アーメイのいつも通り?
どっちにしろ、もしこの映画にR・リー・アーメイが出てなかったら、案外お涙ちょうだい映画になってたかもって思えるぐらいの影響力なのはまぎれもない。うおお敬礼!!
それにしても、昨今、いろんな技術やテクニックはすごく進んでると思うんですけど、進んだのとひきかえに、ホラーからもザリザリした泥くささとかアクみたいなものによる薄汚い不快感が消えつつあって寂しいなあ。
あっちにハミだしたりこっちがヘコんだりの、不完全さによる愛らしさが好きだったので、昨今のノッペリとした画面から、なにがなんでも面白みをほじくり出そうというテンションがみなぎってこない・・・・・。
もちろん、面白くなくはないんですけど、それなりのワク内に収まってるちゅーか、それ以上ハメを外さないちゅーか、なんかやけにつるりとした、行儀のいいスプラッタホラーのような印象のせいで、いまいちいけにえファンとして萌えきれないのよね~。
やっぱ、せっかくいけにえネタなんだったら、私は、私は、もっとぶっとんだ、おおらかで新鮮なデタラメが観たいよ!!
(2007.4月)
「テキサス・チェーンソー・ビギニング」データ
The Texas Chainsaw Massacre.The Beginning 2006年 アメリカ
監督
- ジョナサン・リーベスマン
出演
- ジョーダナ・ブリュースター
- マシュー・ボーマー
- テイラー・ハンドリー
- ディオラ・ベアード
- アンドリュー・ブリニアースキー
- R・リー・アーメイ
- リー・ターゲセン
- シーアー・バッテン
- マリエッタ・マリク
- テレンス・エヴァンス
- リュー・テンプル