THE DEVIL 731/ムー・トンフェイ
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よい子が見るような映画じゃないよ~
いや~ぁ、私はこのお話を最後まで見るのに、1ヶ月ちかくかかりました・・・。
つまり、一気に続けて見られないほど激しく嫌でたまらなかった。
まだピュアな乙女でしたしね・・・。
まぁ、731部隊は実在したわけで、正しい情報があれば知りたいけれど、この映画は中途半端に史実と混同したりせずに、あくまでも、バカモノなスプラッタ映画として見るのが正しいみたい。
かといって、こんな描かれ方をした残酷シーンをキャピっと楽しめるわけはなく。
スプラッタとしてのエグさはそりゃぁもぅ・・・、虫も殺せない乙女(私やんけ!)としては、顔をそむけずにはいられない。
ずるりとムケちゃったりする腕とかはまだともかく、いくらなんでも、減圧シーンなんか、うにゅるるるっと撮るんじゃねえよ(涙)!とか思う。
いや、私は基本的に、あんな映画やこんな映画で鍛えたおかげで、ただの内臓ぐらいなら、頑張れば直視できるようになりました。
でもホラ、ああなったりこうなったりの、「内臓にあるまじき状態の内臓」などがムリMAXなの・・・・。
そいでも、ふつうのスプラッタは流血も「ウソッポ」と思うから笑えるけど、この映画はリアルさを追求するあまり、一部本物(人でなくとも!)を使ってるという話もあって、画面の裏側から造り手の狂気が忍び寄る感覚も合わせて、ぞぞぞとさせられてしまうのです。
この映画の内容はさておき、実在した731部隊というやつが、人の命を丸太と呼ぶことにより、人に対してならとても出来るはずもない実験をみすみす行った、悪魔だったのは本当でしょう。
だから、あくまでもスプラッタ、と割り切って見ていても、監督の731部隊(日本人?)に対する憎悪の感情の大きさは、やはりずっしりと受け止めざるを得ません。
ま、人種に関わらず、人間には「残酷な面もある」し、どんな健全な人間でも、「状況によってはいろんな行動をとる」ってことが、いちばん怖いと思われます。
だって、たとえ戦時下じゃなくたって、人の良心を頼りにするしかないことってあるじゃん。
ナドと、人間の底知れなさを想像しまくる点においても、相当イヤな気分にさせられる映画。
ま~、こんな映画を見ているアタイが言うのもナンだけど、人間が、悪魔にならずにすむような、弱い者が安心して生きられる、平和な世の中を希望する。
2004年2月
「黒い太陽七三一-戦慄!石井細菌部隊の全貌-」データ
THE DEVIL 731 1989年 ホンコン
監督
- ムー・トンフェイ
出演
- 呉代尭
- 田介夫
- 王潤身