ミーハーdeCINEMA

ミーハーが映画やドラマを見てはあれこれとつぶやいてます。

『ドラマ』紫禁城華の嵐(2004)

金枝慾蘖 WAR AND BEAUTY/ライ・パクギン

紫禁城華の嵐

目次

 

あらすじ

 

後宮にうずまく陰謀と愛憎を、でっかい壷に投入して、よくよくこねくり回して粘りを出したようなお話でした。
ぶっちゃけ、中華(香港製)版大奥かな。

寵妃たちは、まぁそれぞれのイロイロカイロな事情から、皇帝の寵愛を得るためのドス黒い出し抜き合戦を繰り広げるものの、実はみんな別に好きな人がいて、結局いちばんのモテナイ君は、誰あろう皇帝だった!!

という、まぁ、一部の人種の、モテルための価値観を、根底から揺るがす話であった。(ドラマ自体にそんなつもりがないとしても)

 

感想

 

1度ハマれば全話見るまで抜け出せない、恐怖の華流テレビドラマ!!全30集。
30集と聞いて、どひー!!ムリムリ!!っと思う人は多いだろうが、意外とスラスラ見れちゃいました。
それに、王朝ものドラマで、30集なんてぜんっぜん短いほうですよね。
なんせ康熙王朝とかなんて、カル~~く50話ぐらいあったもんね~~~!!!
つーか、韓国ドラマなんかだと、100集超えも普通とか!

 

やっぱ、中国四千年かけてじっくり発酵されたすったもんだは、面白いしくせになるし糸を引くしで、たったの30話で終わるのが、逆に物足りなくなるほどです。

とはいえ、アタイは順不同で視聴して、大体の流れをつかむや否や、不覚にもフっと我にかえってしまいましたので……、全話見たワケじゃありません(エヘ!)。

やっぱ、こういう話はにくたらしい悪役がお話をかきまぜてくれてナンボで「みんなイイ人」になっちゃうとどうも調子が狂ってイカン……。

最初こそ、陰謀乱立後宮立身出世ものか?と身を乗り出して見始めたものの、だんだん主要登場人物のほとんどが、惚れたはれたの恋愛中心になってきて、「昼メロか?」と感じたとたん、スンっとシラフに戻ったりする。

 

つーか、私的には、アムロちゃん似の如妃(ユーフェイ)まで、恋する乙女になっちゃうあたりで、受け入れがたくなりました。
まあ、あのへんのエピソードは、好きな人は好きだろうし、各自好みの問題だろうな、とは思うけど・・・。

ただ、せめて、小禄子(シウロッジ)と福貴人(フォッグァイヤン)あたりぐらいは、感情の出所が「恋愛」よりは、「友情」であってくれれば、もっと親身に応援できたのになぁとか思います……。

 

けど、福貴人の、「好きな人にかまって欲しくて、毒を飲む」という行為に及ぶ心境は、ミュンヒハウゼン症候群とか言って、現実的に、人の心理としてありえることを思うと、マジ怖いです。

日本でも、他人の関心、同情などをひきたいばかりに、わが子に汚水点滴をした母の事件が、代理ミュンヒハウゼン症候群として、まだ記憶に新しいものがあります。
そこまでいかずとも、「人の関心を得たい」という感情は、ときにとんでもない行動を起こさせるし、悲しみや寂しさや愛情や願望のような、ふつうの人間らしい感情こそが、エスカレートしちゃった時、そのベクトルの向け方次第では、とても、クワバラだったりする。
たぶん、パワーが増すほどに、渦中の本人にさえ制御不能になってそうやし。

 

それに比べりゃ、損得勘定や保身のようなものをルーツとする、チョイコウコウのようなわかりやすい「極悪」のほうが、よっぽどカワユイもののように思えてくるよね。
いやホント。

まぁ、そうは言ってもメロドラマやから、そんなこんなはあくまでもオツムのカタスミの余興であり、オツムのどまんなかでは、思いっきりドロドロな女の戦いを、やんややんやとミーハーに、手に汗にぎってれば、順調に楽しめるお話でした。

 

ただ、キャラの性格の逆転ぶりが、あらかじめ計算しつくされたストーリー進行というより、単に、2転3転したほうが面白いやろ!!……みたいなノリだったような気はします。
なんつっても最後の最後で「そんなご都合な最後なんかいっっ」と、アタイちと暴れちゃったよ。

まぁ、突っ込みはじめるとそのあまりの果てしなさに、本来のドラマの面白さを台無しにするおそれがあるかもしんないので、そこはおおらかに受け止めたいと思います。

 

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ただひとつ、孫大人(シュン・パッヨン)が、なんでそんなにモテルのかいのぉ~~?っつーぐらいのツッコミだけは、声を大にして言っときます。

いや、確かに、序盤の、感情をおさえたクールでニヒルな表情からにじみ出るやさしさなんかを見せ付けられると、弁髪にあのお帽子のいでたちながら、だんだん、だんだん、カッコ良く見えてくるのは間違いナイのだ。

いやぶっちゃけ私も惚れました。ただしそれ、錯覚だよね!!

だって、よくよく冷静に考えれば、医師としては優秀ながら、父親への反抗期が長すぎるただのダダッコ!!! 罪のないけなげな女房をほっぽって、遊郭に入り浸り酒びたり、あげく皇帝の寵妃に道ならぬ恋だと?? 何から何まで、最悪じゃん!!

 

ともかく、そんなバッヨンにしなだれて、美女がはらりと着物を脱げば、清の時代特有の、例のキンタロの腹掛け下着!! それにてセクシー・シーンに突入する、ああ、中国時代劇!!

うむ、やっぱ、なんだかんだと、やめられませぬ。

 

2009年5月25日

 

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「紫禁城華の嵐」データ

WAR AND BEAUTY 2004年 香港

監督

  • ライ・パクギン

キャスト

  • 安茜(オンシン)張可頤(マギー・チョン)
  • 爾淳(イーソン)余詩曼(カーメイン・シェー)
  • 玉瑩(ヨッイン)黎姿(ジジ・ライ)
  • 孫白湯(シュン・バッヨン)林保怡(ラム・ボーイ)
  • 如妃(ユーフェイ)(シェレン・タン)
  • 孔武(ホンモウ)陳豪(チャン・ホウ)
  • 陳爽(チャンソン)
  • 福貴人(フォッグァイヤン)(ジェイド・リョン)
  • 宝嬋(ポウシン)陳霽平(マリア・チェン)