WILLARD/グレン・モーガン
目次
あらすじと感想
友達も恋人もいない、孤独な青年ウィラード。
病気の母親と、古い邸宅に二人で住むという薄暗い生活。
さみしさゆえか、ひょんなことから罠にかかった家の白ネズミを可愛く思うようになり、ソクラテスなどとお硬い名前をつけて話しかけるうちに、ほんわり心を通わせてしまう。
ネズミに餌付けをするもんだから、ネズミはうようよ増えまくり、増えて増えて増えまくる。
ウィラードはそんなネズミの大群を、復讐のコマにしようと思いつく!!
・・・という、1971年にブルース・デイビソン主演で公開されたパニックホラー映画のリメイクらしい。
今回のウィラードは、ハリウッドいち髪の毛の真ん中分けが似合うエキセントリック俳優、クリスピン・グローヴァー。
復讐のターゲット、ミスター・マーチンに、あの部下をクソ呼ばわりして一世を風靡した鬼軍曹R・リー・アーメイ。
ともかく、このキャストの顔ぶれの尋常じゃなさだけでも、カルト的成功は約束されてるようなもんですよね。
んと、カルト的成功ってことを逆に言えば、興行的には大コケってことになるような気もしますけど・・・・。
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まあそのような、押しも押されもせぬ剛速球のB級映画なわけだから、オタク限定でニンマリするような、小ネタがいろいろ仕込まれていたりしました。
Xファイル制作コンビが作っただけに、ネコの名前に「スカリー」とかつけてたり、写真に写ってる在りし日の父親が、ブルース・デイビソンだったり。
重箱の隅をほじくればほじくるほど、うれし楽しいホコリ(情報)が見つかる仕組みなのです。
これ、楽しい!
さてこの映画、ホラーはホラーだったけど、ホラーにあらずの部分にまで、かなーりホラーな味わいがあってオトク!!
まず、いくらスタイルズ家がネズミ屋敷になっているとは知らんかった!とはいえ、「ネコ」などとゆうナマモノを強引に押しつけて、勝手に自己満足するキャサリンとか、現実にありえるホラーだと思う。
本人は「善行」だと思ってるだけに、ウィラードのような非社交的な男に、断れる甲斐性などあるわけがない。
罪もないのに大迷惑をこうむって、浮かばれないのはネコのスカリー。ああ、こわいこわいっっ!!キャサリンこわいっ!
それから、ジャッキー・バロウズ熱演の母親の凄さ。
メイクといい動きといい口調といいほざいてる内容といい、ついでにオチャメな髪型といい、申し分なくホラーの鏡な存在でした。
いずれ、マクファーレンあたりから、フィギュアになって出てくるヨカン。
一方、憎まれ役のBenにはたとえようのない寂しさを感じます。あのつぶらな瞳をちょっとでも、「カワイイ」と思ったからには、Benのその後が気になってしょ~がないのが人情というもの。
1971年版のウィラードには続編があったはずだし、どうせだったら、続編もリメイクしてもらいたいなぁ!
もちろん主演はクリスピンでお願いします!
2005年6月
「ウィラード」データ
WILLARD 2003年 アメリカ
監督
- グレン・モーガン
出演
- クリスピン・グローヴァー(ウィラード)
- ローラ・エレナ・ハリング(キャサリン)
- R・リー・アーメイ
- ジャッキー・バロウズ
- キム・マッカミー
- ウィリアム・S・テイラー