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ビヨンド

THE BEYOND(1981)ルチオ・フルチ

ビヨンド

ルチオ・フルチ監督会心のゾンビ映画(たぶん・・・)

 

ビヨンド・・・・。
何十年か前になるけど、おなじみルチオ・フルチさん、会心の作品……。
おそらく、主に会心なのはご本人・・・・。
下々にとっては会心の作品も大駄作も50歩100歩……いや、つまりアタイのような、ペペロンチーノ的ホラー好きにとっては、フルチさんのご機嫌がいいことが何よりの幸せなんだし、いまさら出来の善し悪しなどという、細かいことにはこだわりません。

 

つーか「そういえば地獄の入り口がまた開いてたっけ……」というのがその昔に観たこの映画の記憶です。
その他の内容は、すでに忘却のはるか彼方だったのです。
おかげで今頃、カッポレな正月映画として、酒を飲みのみフレッシュな心境で見ることができたので良かった。

 

で、思い出しました。内容を忘れたのは私の脳の性能以前に、 もともと内容がないも同然(失礼な)! だったからだということを。
もしくはフルチ氏が内容をヒネりすぎて、普通の神経の一般人にとっては「ないも同然」の結果になっちゃった?
ま、どちらにせよ見る側にとっては同じこと!!
かえすがえす、フルチ御大の機嫌さえよければ、ワレワレ何の不満もございませんからぜんぜんオッケーなんですけど。いやホント。

 

そんなわけで、「内容がない」ことこそが看板にすらなっている映画ですよね。
そのかわりと言っちゃナンだけど、ぐっちゃりザックリジュワジュワでピューピューな数々を、ズッポリキッチリお見せされます!
ハッキリ言って、おやつの時間に軽い気持ちで見たりすると後悔する。少なくともいちごシェイクだけはヤメ!!

 

この際、紋付羽織袴でも着て正座をし、画面に向かって拍手でも打ってから、シッポリとフルチ爺の偏ったサービス精神の集大成を楽しませていただくのが、ホラーマニア津々浦々の、正しいお作法かもしれません。

さて、時は1927年、地獄の扉を開けようとした画家が、付近住民の手によって磔になり、鎖で皮膚を引き裂かれたり、顔を溶かされたりと、やりたい放題になぶり殺されてしまいました。


そんな惨劇の舞台のホテルを相続した、イタリア美人ライザ(カトリオナ・マッコール)!
到着早々、待ってましたとばかりにマガマガしい出来事が目白押し。
なんせ関係者殆ど全員怪しいわ、けど怪しいやつらが次から次へと死にまくるわ、時々はゾンビ化もしてみるわ、のらりくらりしてるワリには、みるみるテンションMAXに。何がなんだかわかんないうちに、世界一嫌な死に方だけは、「さあどうぞ」とばかりよりどりみどり。

 

たぶんフルチ監督にしてみれば、「オメーラ!!ゴアシーンに俺のパワーの全てを注いでおいたぜ、良かったな!ん?その他のこと?ま、気にすんな!」ってところじゃないかな。
さらに、「親切にも、深いわけがありそうに見せかけておいてやるから、あとは好きなようにオメーラの想像力で丸くおさめてくれよ!」と開き直っておられたりしそう。
フルチさんやっぱ大物すぎる!!

 

なんつっても、 登場人物のうさんくさい一挙一動に、一切なんのオチも用意しない、という、我関せずがたまりません。
普通の小心な監督なら、少しぐらいは、もっともらしい必然性をこじつけなきゃ、ぜったいいたたまれないと思うけど(笑)!!

 

いや、いいです、いいんです……。
やっぱしね、ビヨンドは、ダメなんだろうけど、憎めない映画。

だからこそ、おとなしくてノロいゾンビの、腹ばっかり狙う医者とか、「おまえはのび太か!」などと好き放題ヤジりながら、目を細めたりできるんです。
フタもしてない硫酸が、「わざわざ顔を溶かすため」としか思えないシチュエーションで、忽然とそこにあっても、おかあさんも自ら、わざわざ溶けに行ったりしていても、とりあえずキャーっと悲鳴をあげてみたりと……フルチさんの言い分に対して、ご協力ができるのです。

 

関係ないけど主演のカトリオナ・マッコールはもとベルばらのオスカルさん。
ちなみに、↓このヒトではありませぬ。

 

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2004年1月5日

 

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「ビヨンド」データ

THE BEYOND 1981年 イタリア

監督

  • ルチオ・フルチ

出演

  • カトリオーナ・マッコール
  • デヴィッド・ウォーベック
  • サラ・ケラー