Crust/マーク・ロック
目次
戦うシャコのハリボテ、ミスターC
チラシの写真はいかにもエビ。
プリプリプリっと、わりかし美味そう!!
けど、ホンモノ(?)の、動くえびボクサー(ミスターC)は、なんだか模型だったのだった。
つーか、正式名称、巨大カマキリエビ??ってイコール、外見から判断してストレートに言わせてもらうと、フジツボ背負ったシャコのハリボテ??
か、か、看板に偽り?ジャロってなんジャロ?
か、か、か、観客をバカにすんなーー!……じゃ、なくて、そのハリボテが
か、か、か、かわいーい!!!んです……しかも相当(困)。
ファイトでバコン!と唐突な、敵の張り倒し方も、モサササササ……という微妙に俊足な移動ぶりも、ゴボゴボゴボとくつろぐ様も、何はさておきラブリー。
そんなミスターCの、もの言いたげな瞳にウルウルと見つめられると、そりゃー長すぎる孤独が身にシみる!なんてビルのいきなりな台詞も、わかる、わかっちゃうんですよね、これがまた!!!文句?ないない!
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感想
アタイ、テレビで見たんだけど、シャコのパンチって凄いんですよね。
その、シャコの体長が2mもあるとなれば、そりゃボクサーとして鍛えたら、ものすごい看板ファイターになるって決まっているもん。
ボクサー崩れのダメ中年が、一旗あげることをもくろんで、巨大シャコに目をつけたのは、力いっぱい正しいと思う!
あとはそんなエビ(シャコ)の世話をするうちに、情が移っていく展開で、当然アタイも感情移入。もしかして、ちょっといい映画なんじゃない?と気が迷う。
え?ちょっといい映画?待って待って。
B級しかもエビですよね?
ぶっちゃけ抱腹と絶倒ギャグで全てをなぎ倒すような展開を、アタイ期待してたんじゃなかったっけ?
ところが蓋を開けてみれば、いわゆる寅さんカテゴリー。
これって、言うなれば、ターメリック抜きのカレーのような?PTAの都合でフォークダンスに明け暮れる運動会のような?コンニャクで作った、ベジタリアン仕様のステーキみたいな?
そんな気の抜けた映画、ってことでいいんですよね?
ここはアタイ、期待はずれで暴れるべきなの?
けど、顔面神経が勝手に、アタイをニコちゃん面に仕立て上げてしまったのだ。何はさておき、ハレルヤおめでたい。
何を目指しているかは不明の、下品なネタに向かって、のほほんと、雅に笑っているうち、 愛がモッコリ盛り上るんです。
ささやかに、夢で巨大寿司に襲われる程度には、影響受けてるかもしれませぬ。
というわけで、ただひたすらにエビの愛らしさに和む自分を、許します。
宣伝の仕方も間違ってるよ。
『イギリスでは動物愛護団体からエビを虐待しているとのクレームがつき、 上映禁止になった』 ってことなんだけど、んじゃ、いきなり張り倒されたサメの立場は?って反論するよね。
しかしその宣伝効果のなさまでもが、激しく愛らしく思えてしまう。
カミングアウトさせてもらうと、アタイはこの映画が相当好きだ!
2004年2月
「えびボクサー」データ
Crust 2002年 イギリス
監督
- マーク・ロック
出演
- ケヴィン・マクナリー
- ペリー・フィッツパトリック
- ルイーズ・マーデンボロー
- マドハブ・シャマ