DEATH WATCH(2002)マイケル・J・バセット
ジェイミー・ベル主演の戦場ホラー
あの「リトル・ダンサー」のジェイミー・ベル君が主演なんです!
スメアゴルとして一世を風靡した、アンディ・サーキスもノーメイクで出てるんですよ!!
うおおおお、キャストだけでも見る価値あり!ありですよね?
そうだよ、ジェイミーが成長してアダム・クーパーになるなんて、ゼッタイ!!おかしいと思ってたんです!
正しいジェイミーなら、やっぱりこう成長するよね!
で、画面はというと、戦場にえんえんと降りしきる雨また雨、 時々血の雨、憂鬱な光景です。めっちゃ滅入ります。
ぐしゃっとぬかるみに足を取られたと思ったら、腐った死体にめり込んでたりするんだけど、足元が汚れることに大差なく、イヤさにおいてはどっちもどっち。
そんな、ダークでしんきくさい雰囲気を大盛りで味合わせてもらえるものの、べつだん怖くはないんですが、
何来んの?何来んの?わわわーー!!有刺鉄線か~ぃっ!!
……というまさかのシチュエーションでテンションあがる。
ホラー鑑賞における挫折続きでゲッソリやつれた頬に、夢と希望と血の気がよみがえった瞬間です。
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だってねぇ。
襲ってくる相手が、たとえささやかな有刺鉄線でも、スリリングな効果を繰り出してくるのってもしやすごいセンスですよね?
たしかに大作とは比べようもない低予算ホラーなんだけど、サスペリアの針金地獄に匹敵すると思います。
ただ、サスペリアは美少女効果があったけど、こっちはドロで煮しめた茶色い男ばっかりなので若干分が悪いです。
ともあれ、彼らのいる塹壕は死後の世界の待合室みたいなもんで、実は最後の審判が行われていた模様です。
地獄に行くのも天国に行くのも本人のおこない次第。
ただひとつ、その振り分け方のベタさがアタイは気にいりませんぞ!!
まだ若く、てらいもなくキラキラ目で理想を追える年齢のシェイクスピア(ジェイミー・ベル)と、酸いも甘いも経験を重ね、現実ってやつのどうしようもなさに、開き直りつつある真っ最中のおじさんたちじゃー、このラスト以外ないんじゃん!
と不公平さに悶絶します。
だいたい魂の質なんて、同じ長さを同じ経験で生き抜いてみないと、比べようがないじゃんか!
しかもその善し悪しを、神様の価値観で勝手にジャッジ?
そこはさすがにナンセンスだよ!と文句のひとつも言いたくなります。
まあ神様には100歩譲るとしても、もしアタイが突然塹壕送りになったとして、こんなホラーの心霊もの扱いで、魂を無責任に振り分けられるのだけは勘弁してほしいです。
あと、ただでさえ暗い画面に、アンディ・サーキスやらクリス・マーシャルなどとゆー、クセのある個性派が揃いすぎてて、かえって誰が誰やらわけわからんまま、頭数だけが減っていく怖さ。
強い個性がクッキリと引き立つためには、個性1人につきその他大勢の平凡な脇役が必要なのかもしれません。
それって結構無情よね。
2004年1月
「デス・フロント」データ
DEATH WATCH 2002年 イギリス
監督
- マイケル・J・バセット
出演
- ジェイミー・ベル
- ヒューゴ・スピアー
- マシュー・リス
- アンディー・サーキス
- ローレンス・フォックス
- ディーン・レノックス・ケリー
- ヒュー・オコナー
- クリス・マーシャル