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ラン・オブ・ザ・デッド

Devil's Playground(2010)マーク・マックィーン

ラン・オブ・ザ・デッド

 中途半端だけど、どことなく惜しいゾンビ(?)映画

 

狙ってるのか?トラップなんだね?
この、「ランド・オブ・ザ・デッド」のそばにそっとさりげなく置きたい邦題。
でもそんな、パチモン扱いをしてスッキリ記憶から消し去るには、わずかに惜しい気がするのはなぜでしょう。

もうヒトイキ、ちょっとなんとかなってたら、案外近い将来、この映画のそばにさりげなく、「ラン・オブ・ザ・テッド」みたいな、「テッド少年が走る映画」が置かれているかもしれなかったのに。


まぁ、「ラン・オブ・ザ・デッド?見たよ!」という人もめったにいなさそうなことですし、ともかくあらすじから追ってみましょう。


ことの起こりは、エネルギー補給剤として開発された新薬。
こいつがトンデモ副作用を起こす、世にもハタ迷惑なシロモノだった!
ということで、副作用に蝕まれたムキムキゾンビ状患者が蔓延します。


根拠はまったく明かされないけど、感染者に襲われた人も二次感染するので、そこら中猛スピードで地獄と化した模様です。
その割りにボートから見る街の灯りが、いたって平和っぽいのは、低予算ものの宿命ですので、見て見ぬふりをするのがたしなみかと思います。


ともかく、被験者3万人のうち、2万9999人に副作用発症。
逆に、無事な被験者が1人いる、ってことが、お話のポイントになってきます・・・と思考を核心に寄せるべきだが、アタイのようなヤジ馬は、たった2ヶ月で3万人の被験だと?!!と、いらん部分でのけぞるばかり。
大体、製薬会社の社長も、安全性に関して少しの懸念もないってんなら、記者の前で自ら被験してみやがれ。と、ムカツクようなふてぶてしさにもかかわらず、別にラスボスになるでもなく、断末魔的見せ場があるでもなく、停電中にいつのまにか感染、という事後承諾。


その時点で、誰がどのように庇おうと、アタイ的には「だめ映画じゃん」と確定しました。
しかも、白衣を着た博士が活躍しないのがけしからん。ゾンビでもない同僚に、勘違いで刺されて死亡?ってなんじゃそりゃああ!!


あと、発症しなかった金髪美人たった一人が、たぶんヒロインなんだけど、彼女に対しては「ちょっとミシェル・ファイファー似?」って部分が最大級のミドコロで、あとは別に、その他大勢(いや、その他少数?)が広く浅くすったもんだする中心に、ぽんといるだけ、の存在でしかございません。

まぁ、このテの映画に、人間ドラマを盛ろうと試みた姿勢はどうにかわかってあげたいが、あまりにも豪快な空振りなので、応援のしようがありません。
特に、モトカレの事情なんて、このストーリーにどんな必要があるってんです?単に、ベビーの父親、ってだけでいいじゃんか・・・。


ただ、ゾンビみたいな、感染者の描写は、なんか面白いんです。
やっぱ滋養強壮剤みたいなモンの副作用で凶暴化するだけあって、感染後の、身体能力がハンパなくアクロバット。パルクールっていうの?カッコいいよね!
ゾンビ役者さんたちが個々の個性を駆使して、いっせいに追いかけてくるシーンなんかもう、面白すぎてゾクゾクします。

欲を言えば、アカンボなんかが、バク転しながら追いかけてくるシーンとか、寝たきりおじいさんが三回転ジャンプを決めて攻撃してくるシーンとかあると、効果はバツグンなんだけど副作用がね……っていう、「滋養強壮新薬の失敗」っていう設定に、もっとテーマ性が出ただろうにな~。……とか思うけど……。


あと、個人的に好きになりかけてしまったのが、感染を薬で抑制しつつヒロインを守ろうとする、ダークヒーローのコールさん。
なんせ家庭の台所の引き出しから、彼がチョイスする武器が、トンカチ。
そして抑制剤のリミット間際に、懺悔を終えてチョイスする武器は、チェーンソー(正統派)。
この、ストライクゾーンの狭すぎるサービスのおかげで、アタイはざぶとん2枚追加できます。


結論。アタイは、この映画のゾンビの熱演と、黒く浮き出る血管描写にざぶとん2枚、コールの奮闘にざぶとん2枚、惜しみなく進呈しました!!
パチパチパチ!!

 

ラン・オブ・ザ・デッド [DVD]

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「ラン・オブ・ザ・デッド」データ

Devil's Playground 2010年 イギリス

監督

  • マーク・マックィーン

出演

  • ジェイミー・マレー
  • ダニー・ダイア
  • マイアンナ・バリング
  • ショーン・パートウィー
  • クレイグ・フェアブラス
  • コリン・サーモン
  • シェーン・テイラー
  • リサ・マカリスター
  • クレイグ・コンウェイ
  • アリステア・ペトリー