『映画』グッドナイト・マミー（2014）

ICH SEH ICH SHE/GOODNIGHT MOMMY（2014）

グッドナイト・マミー

整形手術から帰ってきたママは、なんだか様子がおかしくて、ボクたちの知ってるママじゃないみたい。
怒りっぽいし、ルーカスを無視するし、太陽にもあたらない。
変だよね。ホントにママなの？証拠を見せて？目の色も違うしほくろもないし、ママじゃないよね？本物のママはどこ？本物のママを返せ！

古くから、顔に包帯を巻いてる、というビジュアルは怖いと相場が決まってます。
せめて全身に巻いてくれてたら、さてはミイラがよみがえったんだな！と、こっちもスッキリできるけど、このママの包帯は、頭部だけのぐるぐる巻き、体はきれいなままなので、たぶん整形したのだろう。

まぁ、オチは早々に察しがつくので、ミステリー、というより、ひたすら悲しい映画でした。ママを疑う双子も、精神的に不安定なママも、ラストへの流れもつらいよねぇ。

個人的には、包帯の取れたママが、こってりした化粧をして、急に優しい口調になるのが怖かったなぁ。

あと、募金を集金にきた赤十字の二人。
なんと、鍵が開いてるからと、当然のごとく家の中に入り込む。
玄関から部屋に歩を進め、のみならず、2階まで上がってしまうんです。
「鍵がかかってないんだから、誰かいるはず。」とか言っちゃって、それ免罪符なの？ありえなーい！

確かに、ご近所の顔見知りのオバチャンなんかが、玄関ドアをガチャっとあげて、「いる～～？ちょっとヤマイモ持ってきたんだけど～～」なんてのは日本でもままあります。

けど、いくら近所のオバチャンといえど、こっちがゴミ捨てとか行ってる間に、「カギかけてなかったから」という理由であがりこんでて、まさかの2階でバッタリ！
「やだここ汚れてるわよ～、掃除してないの～？ところで町内会費払って～。」なんてノンキにのたまわれたら、さすがに通報しますよね？

または、ホラー映画では、電話借りるために不法侵入、っていうネタが多いけど、テキサスあたりで他人の家に勝手に上がりこんだ若いのは、必ず殺されちゃってるから、その点、落とし前はついてるわけよね。

なのに、オーストリアの赤十字からきた巨漢二人組は、テーブルで金額のチェックなんかして、子供から募金までせしめて、無事に帰っていくんですよね！

このお話は、美しくやりきれなく、残酷で、とても胸にせまるものがあったけど、赤十字のその部分だけは、アタイ納得いかないぞ！！

ICH SEH ICH SHE/GOODNIGHT MOMMY（2014年）オーストリア