Halloween/ジョン・カーペンター
目次
ルーミス医師の、重厚なる役立たず
とあるハロウィンの日、事件は起こった。
たった6歳で、イキナリ実の姉を惨殺してのけたマイケル少年。
事件後は、精神病院でおとなしく、ある意味スクスク成長し、あっというまに15年の月日が流れた。
ところが23歳になったマイケル青年、何のスイッチが入ったのやら、いきなり行動的になる。
まずは、収容されていた精神病院からあっさり脱走、道に迷うことも一切なく、めっちゃサクサク故郷に到達……。
ん?ん??んーーーーっ???
ちょっとまて~~っ!ストップストップ!!
6+15が23!?早速、なんか間違ってるがな!
それに入院中、いつのまに運転の練習を?やっぱ、リハビリのメニューなの?病院に、教習コースあったっけ?でも仮免どうすんの?と、本題に入る前に、片付けておきたい謎が広がった!
けど、アタイが深めた謎をよそに、物語はきわめてシリアスに、マイケルの妹ローリーが、どんどんピンチに陥っていく……。
そうなのだ。マイコーの目的は、実の妹ローリー殺害なのである。
その理由はアタイに教えてくれないままだけど、ただひたすらに、血縁を根絶やしにする!というパッションだけが、マイケルを動かしているらしい。
まぁ血縁じゃない人も、どんどん犠牲になるけどそこはそれ!
ともかく、そんな熱い目的の前には、アクセル踏むだけで、目的地のほうが自動的に現れる、という超常現象が起こるのは、当たり前のことなのだろう。
いわゆる、念ずればかなう!ってやつだよね?
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そして、マイケルの特技は、運転だけではないのである。
とにかくマイケル、どこにでも出る。テレポーテーションとは言わんけど、長い療養生活で、分身の術ぐらいはマスターしたのであろう……
だけども、そもそもマイケルは、別にモンスターや超能力者じゃなく、特殊メイクもCGもほどこされずに、ふつうに人間としてオギャーと生まれたはずの人なのだ。
「元祖どっこい、生きてるぜ!」と言われるように、度を越してたくましい生命力は超人的。
だけど、我が国の誇る超人「おしん」を思えば、まだ普通!!
よって、ここまでの設定は、 あんがい電車でオトナリに座っているかもしんない、生身の人間なんだよね!!
ただ、つなぎとカーク船長マスクがあればいいという、ファッションセンスは普通以下。たぶん、そこが転落・・・つーか、飛躍のはじまりだったのかも。
ここからはアタイの推理なのだが、たぶん、神様のほんのちょっとした出来心で、容器は「人」だが、中身とファッションセンスのない、人間が生れ落ちてしまったのだ。
中身すなわちハート、心、つまり感情がスッポリ欠けている空洞に、埋め合わせとしてとっさに充填されたのが、「身内をブッコロス!!」というまっしぐらな本能。
って感じ??
そんな、一般人とはモトから精神構造が違って、理屈で説得できないし、良心チクチク攻撃も効かないマイケルを、追い掛け回すのがルーミス医師。
なんとマイケルの主治医なのだ。
一見、こんな頼れるお医者さん、1家に一人は欲しいっちゅーの!
・・・・・・・とまで思わせてくれるほど、重厚な主要人物像。
けど、あとあとよくよく掘り下げたとき、それは、ドナルド・プレザンスの熱演による錯覚!ということが発覚。
ちょっとふりかえれば、マイコーをあっさり取り逃がすわ、行動がことごとく無意味で無駄で空振りで、ぶっちゃけ迷惑をジタバタ広げるだけ、という、空前の役立たずおじさんだったのだった!!
けど、プレザンスが演じるもんだから、無駄なシブさがいぶし銀!!おかげでなんだか重厚さが増して、いい具合に事件を撹乱してくれました。
まぁ、まとめると、結局面白かったってことなのです!!
これ一本だと地味めだけど、次のステージに進むため、なにがなんでも外せないし。
ただもうひとつ、ウィリアム・シャトナーにだけはちゃんと謝っといたほうがいいような気がするんだ……。
2008年4月16日
「ハロウィン」データ
Halloween 1978年 アメリカ
監督
- ジョン・カーペンター
出演
- ドナルド・プレザンス (ルーミス医師)
- ジェイミー・リー・カーティス (ローリー)
- ナンシー・キーズ (アニー)
- ウィル・サンディン (マイケル・マイヤーズ少年)
- P・J・ソールズ (リンダ)
- カイル・リチャーズ(リンジー)
- ブライアン・アンドリュース(トミー)
- トニー・モラン(マイケル・マイヤーズ青年)
- ニック・キャッスル(ブギーマン)
- チャールズ・サイファース (ブラケット保安官)