ミーハーdeCINEMA

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墓地裏の家

The House By The Cemetery(1981)/ルチオ・フルチ

墓地裏の家

ルチオ・フルチワールドのダイジェスト版みたいな!

うーん、これの制作費ってどんぐらいなんだろう?
とにかく、顔面のアップ、アップ、アップ、アップ!で、思い出したようにびょょょょ~ん!と効果音!って来られると、「安っぽいがな!」と笑ってしまう。

もちろんアタイはフルチさんに好意を寄せているので、冒頭からして一組のカップルがズシャっと殺され(お約束)、美しい音色の音楽が流れ始めると、無意識のうちにも、合いの手を入れて応援します。


それでも、問題の墓地裏の家に引っ越す家族の状況は、子供の目を通して比較的ていねいに見せてもらえて、フルチ氏の改心を予感してみたりする。
もちろん、ヨカンが外れても暴れません。

大体、フルチさんほどの人が、それほどカンタンに変わるわけないので、今度こそ最期につじつまの合う映画が見られる??などと期待するのは義理だけにして、本音はゲンジツを見つめないとね。

怪しい子守りのアンは何者?とか、何故テープを燃やしちゃったの?とか、生真面目に謎を解決しようとすると、当然ストレス溜まるので、伏線に思えるひとつひとつを、心頭滅却でスルーします。

 

そんな、フルチさんに対して常に無欲な私ですけど、強いて小さな欲を言えばもうちょぃゾンビに存在感欲しかったかな、とか思います。

ちなみに、この映画のラスボスは、フロストスティンっていうゾンビなんだけど、DVDのジャケットに、ビヨンド(別の映画)のシュワイクさんの画像が使いまわされていた、という有名な話があるんよね。

でも、問題は、使いまわしなんてことよりも、そんな似たりよったりのゾンビでアタイをテキトーにあしらうんじゃねえ!ってことなんですよね。
やっぱ、内容の点で歩み寄るぶん、せめてゾンビぐらいは、いろんなバージョン見せて欲しいじゃん!

つーかそもそも、ゾンビのあの貧相さはどうなん、って話かな。
被害者のみんなが、たまたま怖がってくれたり、わざわざ死んでくれたからよかったものの、もし相手が近代の殺人鬼慣れした、たくましい被害者(?)さんたちだったら、一撃で倒されちゃいそうなヒヨワげなゾンビを、心理的に敵に回せなかったら困るよね!
まったくもう、 ウジの湧き方もイマイチ地味だし、腐っているのか床ずれなんだか、ちょっとハッキリして欲しい!


と、ちょっと文句を言ってみたけど、別にいいっちゃいいんです。これはこれで、フルチワールドのダイジェスト版とでも思えばいいよね。
家の中に墓がある、って設定には「さすがフルチ爺!」と喜ばずにはいられなかったし。

 

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そして、
「no one will ever know whether children are monsters or monsters are children.」
などとゆー、もっともらしいようでもあり、ミョーにピントがズレてるような、よくわかんないメッセージでEND。
フルチ監督映画の場合、わかんない時は、脳を使わず、「はあと」で処理すると円満です。


で、フルチ映画を、よほどの事情で仕方なく1本ぐらいは見とくか、って人におススメするならコレかなぁ、とアタイは思っておりますよ!

弱ちいとはいえバっちぃゾンビも出てくるし、美しい音楽、カトリオナ・マッコール、と定番どころが並んでいる割には時間も短くて見やすいし、破綻ぶりまでダイジェスト。
もし、それまでカタギだったのに、フルチ学会に急遽参加するハメになっても、これ一本見ておけば、あとはテキトーに話を合わせるだけで、充分フルチおたくのフリができると思われます!

2004年1月

 

墓地裏の家 -デジタルリマスター版- [DVD]

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「墓地裏の家」データ

The House By The Cemetery 1981年 イタリア

監督

  • ルチオ・フルチ

出演

  • カトリオーナ・マッコール
  • パオロ・マルコ
  • アニア・ピエロニ
  • ジョヴァンニ・フレッツア
  • ダニエラ・ドリア