JOURNAL 64/THE PURITY OF VENGEANCE
「特捜部Q」シリーズ映画化第4弾
ユッシ・エーズラ・オールスン原作本格ミステリーの映画化シリーズ。
なんと、もう4作目。
そろそろマンネリ感が出そうなもん?
いやいや、やっぱし面白い!!
そして相変わらずいや~なところをエグるので、順調にゲッソリさせられます。
今回は1960年代に実際存在した優生思想の悪夢が、現代の事件とリンクしながら暴かれていきます。
優生学は過去のもの!!
・・・と思いたいのはヤマヤマですが、現代においてもことあるごとに、選民思想のしぶとい根ざしを突きつけられることたびたびです。
思いあがりというよりは、何かのコンプレックスの裏返しなんじゃなかろーかとまで思うんだけど、優位に立つことの価値にこだわる人間の業がある以上、一歩まちがえば今だってヤバイ。
あらすじ
核心に触れないつもりはあれど、オチさえ書かなきゃネタバレじゃない、ってのはちがうかも~って気がしてます。
アタイは自分がネタバレオッケーなので書いちゃうんだけど、どんなエピソードでもフレッシュに楽しみたいという未見の方は、どうかご用心くださいね…。
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壁にふさがれた隠し部屋から、かなりアートな状態で男女のミイラが3体発見されるんです。
ミイラたちはお茶会の体でテーブルを囲み、飲み物はヒヨス(アッパー化する)お茶請けはおそらく生きてるうちに切り取られたのであろう生殖器官。
バリエーションとしてはダイレクトなブツから、卵巣みたいな内臓までもが。
ぶっちゃけ、思わず顔面がしょっぱくなるようなむごい状態で、こりゃよっぽどそっち系の恨みをこじらせた犯行だろうということになります。
そのシーンでアタイがそれ以上に激しくひっくりかえったのは、カールが過去にハート型の鍵を持ってたことがある、っていうくだりです・・・・ドギマギ、びっくりしたわぁ・・・・。
と、と、ともかく、ミイラの謎の答えはさかのぼること1960年代、スプロー島の女子収容所にありました。
感想
いやカール可愛いですよね、アサドをはじめ、素直になれない相手にこそじつはデレてるってのがわかりやすくて。
関係ないけど息子最近出てきませんね・・・・冒頭のアサドへの対応を見る限り、コミュ障重症化してるようだし・・・愛想をつかされてしまったのかも。
ともあれ、仕事はできる男です。
事件を追ううちまっさきに真相をたぐり寄せるのがカールです。
仲間にはなかなか見せない優しさを、相手によってはストレートに投げかけるのもカールです。
でも、それもローサとアサドのフォローがあってこそなんですよね。
なんだかんだとモメながらも、チームワークが最高のパフォーマンスを発揮する黄金のパーティー。
この、一人欠けても物足りない状態は、ハッキリいって萌えます。
一方、一切萌えられないのが優生保護法に基づいて、あるいは基づいてなくとも不妊手術を行う医師クアト・ヴァズ。
ニーデとの最初の面会で、ニーデを膝の上に座らせましたよね?
あれをキッッッッッッッモイと言わずして何をキモイと申せましょう!!!
アタイ昔アルバイト中、上司から似たような要求をされたことがあって、今回トラウマが再燃し、背筋に悪寒が走りました。
そんなパワハラでセクハラのロリコン野郎の膝には、少女の尻などではなく、漆を塗った剣山でも打ち込んでもらいたいです。あと鼻毛にくまなくパンチパーマかけやがれ。
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もうひとつ心に残ったのは、殺された弁護士の妻が、優生思想の夫を理解できなかったと言うところ。
自分とは違う、自分はそんなはしたない人間ではない、というプライドをもつ女性として描かれているのが良かったです。
まるで反感がわかないわけでもないんですけど、少なくとも、人間の品格とはどこにあるのか、一考する機会になりました。
今回移民という立場もあって、アサドの役割はことのほか大きかったですよね。
アサドを失いそうになって、やっと本音を言えるカール。
映画のラストはネコもいて、ほんとうにほっとするものでした。
ただ、原作はニーデの顛末といい、このようにホッコリとした終わりにはならないようです。
・・・・こ、こ、怖くてとても読めそうもない・・・・・。
特捜部Q―カルテ番号64―(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
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「特捜部Q カルテ番号64 」 データ
- JOURNAL 64/THE PURITY OF VENGEANCE(2018)
- デンマーク、ドイツ
監督
- クリストファー・ボー
原作
- ユッシ・エーズラ・オールスン
キャスト
- ニコライ・リー・コス(カール)
- ファレス・ファレス(アサド)
- ヨハン・ルイズ・シュミット(ローセ)
- ソーレン・ピルマーク
- アンダース・ホブ
- ニコラス・ブロ
- エリオット・クロセット・ホブ
- ビアテ・ノイマン