KILLER CONDOM/マルティン・ヴァルツ
目次
H・R・ギーガーデザインのモンスターが可愛い
題名だけで、何が起こるか一目瞭然。
ナンセンスはナンセンスだけど、大まじめハードボイルド刑事ドラマふうに作り込んでるとこなんか、かなーり狙った確信犯では・・・。
とくに、ど派手なギャグがあるわけじゃないけど、おバカでおアホなのは確かなので、安心して「ダメじゃん!」と笑っておけば、平和で良いと思います。
あらすじとか感想とか
場所は一応ニューヨーク。
ドイツ映画ゆえキャストもドイツ人なので、みんなドイツ語喋るんだけど、ニューヨークだと言い張っているのでいた仕方ございません。
警部のデスクに、クロスさせたミニ星条旗2本。
警部の背後には標準サイズ星条旗。
ドイツ語で演説する合衆国副大統領候補もいたりして、かなり執拗にニューヨークをパロってます。
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そのニューヨークの連れ込み宿で、想像通りの事件が起きます。
最初の一晩で、なんと4本ものちんちんが鑑識に回される。
捜査に当たるのはルイージ・マカロニ。
アタイの筆力ではどう褒め称えても「残念なおじさん」とまでしか言えないのだが、この映画ではシリアス2枚目なモテ男という設定なので、さらに歩み寄るしかありません。
ちなみにシチリア出身で、ヘビースモーカーで、ホモサピエンスのサピエンス抜き。
捜査のために立ち寄った連れ込み宿で、美形の男娼にビビビと来て、しけこんだお部屋でゴム製のモンスターに遭遇!!
さすがに全長32センチというルイージサイズには、並のゴム製モンスターじゃ歯が立たなかったわけだけど、何も食いちぎらずにはすませられない、というコンドームのプライドにより、お手ごろサイズのゴールデンボール(直訳してね)を1コ、食いちぎられてしまうのです!!!
ま、ちんちんは一人につき1本なので、なくなるとちょっと大変だけど、丸いの1コ助かって良かったね!!って話でしょうか。
まあしかし、いくら1コは残ったと言え、ルイージ刑事はおかんむりです。俄然捜査にヤル気が出てきました。
ちなみに捜査と平行して、刑事と美少年の純愛も進行。
でも酔ったはずみにもてあそんだ元同僚にまで、激しくストーキングされているルイージですから、三角関係までもがドス濃く進行!!
そんな人間模様がストーリーにイロを添え、ふつうの下品さでは収拾がつかなく済ませられなくなってます……。
これねぇ、ともかく主役のコンドゥムが可愛いんですよ・・・。
あのエイリアンなどをデザインした世界の有名人、H・R・ギーガーのデザイン!と誇らしげな枕詞が、ポスター、パンフ、HPにモレなくついてる……ってゆーか、ぜったいギーガーを酔わせて描かせたラクガキを悪用したのに決まってますよね。
ギーガーさんも心が広いw
ともかくその可愛いやつが、つまようじのような牙を剥き、内部をネバネバさせながら、バッタバッタと大事なブツを食いちぎる!!
そして「キィー」とか言って床を這いカサカサ逃げていくんです。
消化器官もないのだろうに、食いちぎったブツをコレクションでもするつもりか。
でも腐っても鯛、コンドォォムとはいえギーガー作のモンスター。
やっぱ男性にとって、しみじみ恐ろしい敵なのではないでしょうか・・・。
私は軽く笑っちゃいましたが、男性がコNNドームの中におさまったブツを、食いちぎられる恐怖に並ぶものといったら、残りは寝たきりになってから仕返しされる、恐怖の深爪ぐらいしかないんじゃないでしょうか……。
そう考えると実は現実的な恐怖というモノに真っ向から挑んでいる、問題作かもしれません。
しかも、ホシは、結構無差別ですもんね。相手の地位など関係ないから、副大統領すら手加減なしにザックリと、被害に遭ってしまいます!!!
それにしても、アヒルちゃんの浮いた風呂場にモンスターが現れるシーンなんか、モトネタのジョーズよりはるかにリアルでおそろしいです。
そして、捨て置けないのは、この殺人コンドー〇に、サイズの違いがあるところ。
巨大殺人コンドォムなんて、シラフのよい子にどう説明したらいいんでしょうか。
ちなみに、スタッフの中にユルグ・ブットゲライト(※1)の名を見つけて、(ユルグこんなトコで何やってんの?!)とか言って更にもう一笑いできるという、思わぬ余録も侮りがたいこと、申しそえておきたいと思います。
(1999年8月)
※1
ユルグ・ブットゲライト
(ネクロマンティック 、死の王、シュラム等の監督で、作る映画モレなく上映禁止という、ドイツ映画界の問題児)
「キラーコンドーム」データ
KILLER CONDOM 1996年ドイツ
監督
- マルティン・ヴァルツ
出演
- ウド・ザメル(ルイージ・マカロニ)
- ペーター・ローマイヤー(サム・ハンクス)
- マルク・リヒター(ビリー)
- レオナルド・ランジング(バベット/ボブ)
- イリス・ベルベン ゲルト・マーベリンク