Night Of The Living Dead(1963)ジョージ・A・ロメロ
ゾンビの夜明け
ブードゥのゾンビがどうとかこうとか、ホワイトゾンビがうんちゃらかんちゃらとか、細かい先例を抜きにすれば、おそらく世界初のゾンビ映画に当たる作品らしいです。
つーことは、この作品でほぼはじめて、「屍のくせに人を襲うやつら」が出現したってことで、そんなモンになんの前触れもなく、いきなりでっくわしたバーバラが、たとえ世界一役立たずなヒロインであっても、そりゃしょ~がナイやろ、何も文句ないない!!って話ですよね!
場所は墓。むこーからヨロヨロ歩いてくるおじさんに、わけもなく突然襲われる兄妹!!
一足お先に犠牲になりかけた兄ちゃんをほっぽって、一人車に逃げ込む妹、バーバラ。とりあえずは車をロック。相手が、ワレワレの知ってる普通のゾンビなら、ここは一旦安堵するトコですよね?
でもこの白塗りの、パイオニアゾンビのおっちゃんは、石を拾って車の窓を叩き割る!!ひえ~~~!!車での篭城は、危機回避の手段として、哀しいまでに意味がナイ(涙)!!!
そこで、焦って車を発車させるも、早速ブツケて、結局走って逃げるハメになるバーバラ、腰を抜かしつつも走って走って走りまくって、一軒の家に逃げ込みます。
その家には、階段にこんなの↓が、
コローーーン!
と落ちて(?)たりしますんで、ただでさえ、テンパっちゃってたバーバラは、一気に白痴(禁止コードか?)へと度が進む。
そんな現場へ、次に逃げ込んできた、黒人の青年、ベン。
ベンの登場により、やっと人間としてアタマを使った、ゾンビとの死闘がはじまる……ちゅーか、一軒の民家において、立てこもった人々との、恐ろしくも哀しくもキノドクにも不毛な人間ドラマの幕開けとなるのだ。
感想
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いや~、ベンかっこいいよベン!
でもやっぱ、こういう低予算でパニック系の映画は、「脳なし担当キャラ」が、いかにイライラさせてくれるかに尽きると思うんで、バーバラの役立たずヒロインの鏡としての、グッジョブぶりをたたえたい。
あと、ゴルバチョフオヤヂですよね!
いい具合に発酵した言動をかましてくれて、適度な嫌悪感が持てる、ナイスキャラ!
この最小限の構成で、やっぱ、どう考えてもゾンビより人間のほ~がメンドイわ~~~。と頭ぶんぶん振りながら、ナットクできて面白い!
そして、なんともいえない衝撃のラスト。
クライマックス!!といえるほど、ソコが盛り上がってるわけでもなく、淡々としたオチにふいを突かれる。
なりゆきの自然さがかえって心にすきま風を送り込んでくれるので、なんともサムーイ後味が残ったのであります。
ともかく、人間として、唯一スペックの高かったキャラのベン。
彼の報われなさといったらなかったですよね。
でも、現実社会では、いかにもありそうな事例ゆえ、ロメロさんの狙いをストレートにキャッチできたのは良かった。
2010年8月
「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」データ
Night Of The Living Dead (1963)
監督
- ジョージ・A・ロメロ
出演
- デュアン・ジョーンズ (ベン)
- ジュディス・オーディア (バーバラ)
- ラッセル・ストライカー (ジョニー)
- カール・ハードマン (ハリー)
- マリリン・イーストマン (ヘレン)
- キース・ウェイン (トム)
- ジュディス・リドリー (ジュディ)
- チャールズ・クレイグ (ニュースキャスター)
- カイラ・ション (カレン)