ミーハーdeCINEMA

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『映画』ヴァンパイア・ターミネーター最後の処刑人(2002)

Reign In Darkness/ケル・ドレン

ヴァンパイア・ターミネーター最後の処刑人

目次

 

許せるかどうかは、個人差が・・・・

 

まずタイトルですよね。オイオイ。

この、宣伝部の陰謀なのか苦し紛れか投げているのか釣ってんのか、いいとこどりをしたようにも見えながら、明らかに誰にも期待させないタイトル!

B級C級マニアだったら、そりゃあ見るかもしんないけど、死ぬほど退屈するぐらいはあらかじめ覚悟の上、という肝が座ってるはずだから、傷が浅くてすむのでしょう。

マニアまで行かないアタイの場合は、今回、「めくるめく気の迷い」の発動により、道を踏み外してしまいました。

 

ところが、なが~く単調なオープニングが終わったあたりから、ミョーに様子がおかしくなります。
なんとアタイの顔面神経が、あらぬ方向にうごめくのです!!

い、い、いかん、笑いがとまらない!!!
おかしすぎて腹、よじれそう!
つーかよじれすぎてもう腹、団子 (や、やせろって話か?) !!!

ヤバイ、アタイの身に一体何が起こったのか。
こんな満場一致でしょーもない映画が、クリティカルヒットしちゃってるんです。
誰が何と言おうと、私はコイツを保存版にしちゃいかねない!!

助けて!!!

 

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もうね、私は今回ほど邦題をつけた人を偉大だ、と思ったことないです。
つーか、題名これでも奥ゆかしすぎ!
いや、内容じゃないよ、手を出した分野の 「多さ」 ですよね。

なんせ ヴァンパイアにターミネーターに処刑人。

ヴァンパイアな割に武器は家から持ち出した銃だけど、ちゃんと二丁拳銃だし、役立たずとはいえソードでまったりとチャンバラはあるし、唐突でムリヤリなヌンチャク芸までチョコっとおまけにつけてくるというサービスのクドさ!

 

環境問題を語る、鳥越俊太郎似の吸血鬼は、ヒューマンでクリーンな路線を狙っているかのように見えなくもなく、行きすぎたバイオサイエンスへの警鐘も、ある。
ちなみに 時速60キロぐらいだけど、カーチェイスまであったりするから、題名「ヴァンパイア・ターミネーターの激突!」とかつけちゃってても良かったかもね!

 

というわけでこの映画、 ヒトコトでいうならえとえとえと、か、か、 枯れ木も山の賑わい?

そして、そんなゴージャスで大河な話を、スカっとしたアクションで彩るおチャメさ!!
ちなみにこの「スカッ!」というのは、空振り時の擬音ですよね。
コカコーラとはちゃいますので、緊張感ものどごしのピリピリもありませんが、脱力効果においては向かうところ、敵なしなのでございます。

でもここまでいろいろ笑っちゃったら、アクションにあるまじき伸びきった「間」も乗りかかった船っすよ。
何がおこってもひとまとめに、「ええがな、ええがな」と、孫の学芸会を楽しむじーちゃんの心境になって、目を細めて見せて頂くのです。

 

つーかね、本当にひどいシロモノなのは間違いないけど、実際、何かじわじわ来ます。
誰もが全く気にしてなかった「謎(な、謎があったとはしらんかった!)」を、さも得意げにあかされるシーンなんか、アタイ系の人だったら、呼吸困難に陥るほど、ゲラゲラ発作が止まらないと思います。

ぶっちゃけ、いろんな点で、ツッコミですらアホらしくてやってられへんほど、徹底してしょーもない映画なワケで、真面目に見れば、たぶんこの世で一番の時間のムダやけど、普通のつまんない映画を見るより遙かに、気持ちのあきらめがつきやすいです!

 

監督、脚本はおろか、出演までしちゃってるケル・ドレン。低予算が偲ばれすぎるので、たぶん彼の手作り映画のようなもんだろうと思うんだけど、一体どんなつもりで作ったんやろ。
狙いなのか天然なのか、パロディなのかオマージュなのかパクリなのか、すべてが冗談だったのか、もの凄くホンキだったのか……まあ結果的に、ひどい怪作が生まれてしまったことだけは確かな模様。

 

2004年10月

 

 

「ヴァンパイア・ターミネーター最後の処刑人」データ

 Reign In Darkness 2002年 アメリカ/オーストラリア

監督

  • ケル・ドレン

出演

  • ケル・ドレン
  • デヴィッド・W・アレン
  • デヴィッド・ノー
  • ジョン・バレッシ