SCARECROW/エマニュエル・イティエ
目次
とりあえずほとばしる!(何かが)
えーとえーと、か、か、案山子?
案山子って、あの、藁?帽子をかぶったり服を着せられたりしていても、結局やっぱり藁ですよね?
それが、ホラーの主人公?!!
うーん、凡人にはない発想だ!!これを作った人は天才かもしれない!
なんちゃって、思いきし警戒していたんですけど、見終わったあと、何か、ヒトカワむけたかも。
だってとうもろこしで刺されて、即死??
ともかく、いちいち普通じゃないです。
ナイに等しい内容を、補って余りすぎるオーバーアクション。
吹き替えの、笑いもとまらぬ名調子!!
白昼といい夜といい、とうもろこし畑といい本人のお宅といい、ぽんとワラが活けられているのも自然でオーガニックな教室といい、舞台設定に見境がなく、単なる思いつきてんこ盛り、潔いまでの何でもあり!!
そこまでしてるのに怖くない!!
しかもアルジェントに捧げちゃったりしてるよ、こんなモン!!
あつかましい、というより以前に、捧げる相手のチョイスがおかしい!!
そんな調子で、次から次へと強烈な何者かが、手をかえ品を変え人類未踏のツボをぐりぐり刺激してくれます。
こっちが頼みもしないのに!
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あらすじとか感想とか
登場人物の数はやたらと多いけど、誰が重要とかいうワケでなく、引き算より足し算を重視するタイプの映画なのかも。
そのぶん前半の主役、いじめられっ子の レスターのキャラと、ダイナマイトボディゆえ、ホラー的ザコキャラの典型のような外見ながら、実はヒロイン!という高度なトラップが、白浮きして見えます。
ヒロインの性格は典型的な正義の人で、よくよく聞けば父親は保安官!!!おまけにその保安官と顔そっくり!!
……と、うまくトラップにはまりさえすれば、かなりの面白さだと思います。
さて主役のレスターは高校生にしちゃすっごく老けて見えるけど、それについてはまあいじめられっぷりが悲惨すぎたので、1年に5歳ぐらいずつ老けても無理ナイよね!!とでも考えればさしあたってオッケー。
見た目オドオドしてるけど、内に秘めたる感情ってやつが、爆裂ほとばしっているという、あまり知り合いたくないタイプなのもホラー的にはポイント高し。
その レスターがヒロインに向かって「友達になれるね」などと言って握手を求めるシーンなど、心臓をほじくり出される殺しのシーンより、ある意味胸が痛いっす。
まあ、そんな生理的にアレなシーンを前半に見ちゃうものの、このレスターが、案山子になってからというものは、もう誰にもとめられないような勢いが。
あんだけ生きてる間にいいことひとっつもなかった分、溜まりに溜まった怨念が、回し蹴りに炸裂!!……って、え??
案山子がくるんと宙を舞い、世にも華麗な回し蹴り??
そういやこんな映画、最近見たっけ!!
確か題名「カンフー・ハッスル??」……って(汗)、ま、ま、まあいいか!!!
ぶっちゃけ、一見復讐劇を装いながら、割と無関係な人もバコバコ殺してしまう程度には案山子の方もふっきれている様子です。
ゆえに「悲劇?ヒューマン?」などと後ろめたい疑問を挟む余地がなかったのも、スラッシャー映画として正しい、パチパチ、とわたくしは思いました。
肝心のスラッシャー描写は生ぬるすぎるけど、なんせ藁やし、鉄分足りないんだろうし、過剰な期待は控えます。
ともかく確信犯な映画なので、心の広さのバロメーターにするぐらいの気持ちで見ると丁度よいのかもしれません。
あっ、もし万一この映画が、すごくすごーく気に入ったとしても、まかりまちがって、アル・パチーノに握手を求めたりしないように、気をつけてくらさいね。
こんなに言ってるんだから、そんなヒトはいないと思うけど、もしホンキで面白そう!と思ってたりとか、まさかここまでつまんないとは夢にも思わず、間違ってレンタルしちゃったとしても、今回、ジーン・ハックマンは無実なので気をつけよう。
2005年3月
こっちではないww↓
「案山子男」データ
SCARECROW 2002年 アメリカ
監督
- エマニュエル・イティエ
出演
- リチャード・エルフマン
- マーク・アーヴィンソン
- ロクサナ・ビナ
- アニル・デ・メッロ
- マーク・アーウィンセン
- トッド・レックス
- ティファニー・シェピス
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