VALKYRIE / ブライアン・シンガー
目次
トーマス・クレッチマンの水泳シーン、必見!
ナチスねぇナチス。
いうまでもなく冷静沈着で極悪非道な冷血漢の集合体!
みたいなイメージがあるわけですけど、そこに身を置く将校たちにも10人10色の人格があり、それぞれ価値観に応じた葛藤があったんだよね・・・という話なのかな。
ぶっちゃけ、ヒトラーに対する抵抗勢力もひそかに蔓延していた模様で、なーんとヒトラー暗殺計画もめっちゃイッパイあったらしい!!
でも、ヒトラーの最期は自殺だから、そんな内部からも命を狙われるような、危険ギッシリな環境で、自殺するまではことごとく不死身だったことになる。
うーむ、恐るべしヒトラー。
なんだかんだ言って、ウルトラ独特な星のもとに生まれた人だったことだけは間違いない。
まあ、暗殺計画の中でも一番デッカいヤマがこの「ワルキューレ作戦」で、結果は失敗に終わったものの、シュタウフェンベルクの見せた「ドイツの良心」は、いまもドイツ人の誇りなんだと思います。
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それをトム・クルーズさんが英語でやるって言うドヒャーな事態がこの映画・・・。
たぶん、たぶんね、計画の失敗が周知の事実である以上、結果を楽しみに待つ映画ではなく、 過程をじっくり追う映画を見せてくれたかったんだろうと思うんだけど、なんせブライアン・シンガーさんだし……思いっきりハリウッド映画だし……なんてったってトム・クルーズだし、最終的には、「この際、暗殺を企てる側の目線のヒーローもんとして割り切ってくれ!!」みたいな開き直りを見た気がしました。
トム・クルーズがオレオレなぶん、ヒトラーやヒムラーの存在感が極薄だし、少なくともガッツリとナチスに向き合わされる映画ではなかったです。
まぁそれはそれとして。
ん~と、巷の賛否両論は巷におまかせするとして、アタイ的には「クレッチマンを出せ~~~~!!出しやがれ!!」……と遠吠えさせていただきます。
いや、もちろんクレッチマンは、レーマー少佐役で出てますけど、聞けば、「クレッチマン=シュタウフェンベルク大佐」という話もあったそうじゃないですか。
えええ?
そのプランだったらこの映画、絶対ミーハーウハウハですよね??!!!
(ぶっちゃけこの題材なら、せめて監督はスコット兄に・・・っとか、そりゃー欲を言えばキリないですけど……)
うーん、どうしてクレッチマン主役採用になんなかったんだろう。……と、裏事情に思いをはせたらクラクラした……。
やっぱし、世界の中心には、トム・クルーズがいたんだ。もしも古代インドにトムが生まれていたとしたら、きっと宇宙は、ヘビの上にカメが乗り、その上にゾウが乗って、その上にトムだよ!!
いや、ブンブン、それは決して、独断とクレッチマン偏愛のアタイがバカヤローなだけ、と片付けていい問題じゃないんです。
今回のアタイはとても謙虚で、クレッチマンがスキってだけでゴネてるのはたったの78,9%ぐらい。
ケネス・ブラナーいらんから、ドルフ・ラングレンやバーナビー・メッチュラートやオーガスト・ディールやアルンドゥト・シェペリング・ゾーンレイを出せなとも言ってないですし。
いやどうせ無国籍映画なら、ニコライ・コスター・ワルドゥなんかもどうかな~~!
じゃなくて!!
やっぱホラ、少なくとも実話ベースと言うからには、せめて主役ぐらいは本場モノ(ドイツ人)に演じてほしい!!って思うじゃん。
英語しゃべっててもいいからさ!!
つか、ヒトラーまで英語を喋るんなら、題名もヴァルキリーにしちゃえばいいじゃんか!!
と、大筋ハリウッドのオレ様なのに、妙なところでチマチマとドイツにアピールしてるけど、それってどんな効果狙いなの?
まさか焼けた石に水をかけたかったのか?
焼け石に水を食らってもドイツ人は喜んだりしないと思うけど・・・、アメリカ人の気が済む効果ぐらいはあるのかなぁ?
と、私はギモンが多くなりましたけど、トムのコスプレを見たいという目的なら、話は別かもしれません。
右よし!!左よし!!アイパッチよし!!
着たかったんだろうなあ、あの軍服。
トロピック・サンダーの悪夢のトムを、帳消しにして余りある、スタイリッシュな存在感!!
もちろん、はしゃぎすぎにも見えるコスプレ感は、大スターのファンサービスだと納得します。
数あるトムクル映画の中でも、末代まで伝えるに足るファンサ保存版だと思います!!
逆に、「ワルキューレ作戦」をじっくり見るつもりでフタをあけたら、トム・クルーズのプロモーション状態攻撃にいきなり襲われ、深手を負った!!……ナドという立場であれば、文句ぐらいは言ってもいいじゃん?と思われます。
つーかね~~、見た?この、ぞろりキャストの豪華なこと!!
なんだか、もとが実話であるだけに、このいかにもハリウッドくさい無駄に豪華なキャストこそが、逆効果だった可能性なくないですか?
アタイはですね、ビル・ナイもスキ、テレンスもスキ、トムはトムでもウィルキンソンもいましたね。
トム・クルーズだって、オレがオレがオレがトムクルーズ!!みたいに、目立ちすぎるのが役によってはウザいだけで、やっぱ稀代の名優だと思う。
ぶっちゃけ、トロピックサンダーでそう思った!!
だけど、そういうビッグ・ネームの前に、肝心の、実在した人物イメージがかすんでしまった気がします。
ナチスもの、いや、戦争モノで実在の人物を描くというのは、本当に重いことだから、やっぱもうちと慎重に描かれたものを見たかったけど、スターだらけじゃ~気が散って、頭がフワフワしちゃうんですよね。
こんなミーハーなアタイですけど、一応映画を見終わった時には、俳優の筋肉ジャッジやツッコミ以前に、もっと映画自身にのめりこんだ感想を熱く語りたかったりするんです。
「あの決断はすごかったね~~~」とか、「やっぱ、ヒトラーより先にヒムラーやろ!!」とか、お話の内容についてケンケンガクガクしたいんです。
それなのにああそれなのに。
視聴者としてどうアプローチしてもトムクルーズがトムクルーズすぎる。
キャラクターがオールスターすぎる。
さらにトムがインタビューで、「家族思いのナチス将校に共感」なんてベタなことを口走るんです。
ぶっちゃけ、ドンびきしちゃうよね。
けど、クレッチマンの水泳シーンは、やるな!!ブライアン!!っと、ものすごぉ~~~く、感動しました!!!
どんなにブーブー言ってても、こういう気を利かせてくれると、ミーハーはとたんに機嫌がよくなる生き物です。
文句もさんざん言ったけど、最終的には「エンタメありがとうございましたっ!」と頭を下げることができました。
着地に成功できてよかったです。
2009年5月31日
「ワルキューレ」データ
VALKYRIE 2008年 アメリカ/ドイツ
監督
- ブライアン・シンガー
出演
- トム・クルーズ (クラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐)
- ケネス・ブラナー (ヘニング・フォン・トレスコウ少将)
- カリス・ファン・ハウテン (ニーナ・フォン・シュタウフェンベルク)
- クリスチャン・ベルケル (アルブレヒト・メルツ・フォン・クイルンハイム大佐)
- ジェイミー・パーカー (ヴェルナー・フォン・ヘフテン中尉)
- ビル・ナイ (フリードリヒ・オルブリヒト将軍)
- テレンス・スタンプ (ルートヴィヒ・ベック)
- トム・ウィルキンソン (フリードリヒ・フロム将軍)
- トーマス・クレッチマン (オットー・エルンスト・レーマー少佐)
- ケヴィン・R・マクナリー (カール・ゲルデラー)
- エディ・イザード (エーリッヒ・フェルギーベル将軍)
- デヴィッド・スコフィールド (エルヴィン・フォン・ヴィッツレーベン)
- デヴィッド・バンバー (アドルフ・ヒトラー)
- トム・ホランダー (ハインツ・ブラント大佐)
- ケネス・クランハム (ヴィルヘルム・カイテル元帥)
- マティアス・フライホフ (ハインリヒ・ヒムラー)
- ハーヴェイ・フリードマン (ヨーゼフ・ゲッベルス)
- ハリナ・ライン
- ワルデマー・コブ
- フローリアン・パンツァー
- イアン・マクニー
- ダニー・ウェッブ
- クリス・ラーキン