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『映画』ゾンビヘッズ~死にぞこないの青い春~(2011)

ZOMBEHEADS/ブレット・ピアース&ドルー・T・ピアース兄弟

 

ゾンビ・ヘッズ 死にぞこないの青い春 [DVD]

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目次

ゾンビのロードムービーという新分野!

おぉぉ、これは、新しいです!

 

物語の主人公は、寝起きの青年、マイク。
もちろんゾンビ映画なので「目覚めたらまわりがゾンビだらけ」っていうお約束はキッチリ、クリア。

寝起きマイクのまわりでも、ゾンビがヨロヨロ歩いていました。

 

寝ぼけながらも周囲の異常に焦ったマイクが、民家に向かって助けを求めたりするぐらいまでは、至ってフツーの平和なゾンビ映画のひとコマですよね。

ところがなんと、善良なはずの民間人からいきなり命を狙われて、主人公が「なにそれ?キョト~ン!」・・・みたいなあたりから、話の流れがおおいに脱輪し始めて、油断がならなくなってくるのであります!!

まず、ゾンビがなぜマイクを襲って来ないのか?怪しいですよね!

いや、客観的には主人公が人間から攻撃を受けるのはムリもない自然な流れなんですよ。

だって、マイクの風貌がね。どえらく顔色悪いしね!
なんか、穴とか開いちゃってるし。

 

 

ぶっちゃけ、単刀直入に言えば、マイクお前ゾンビだろ!ってことになるよね。
気の毒に、腕も簡単にモゲモゲするし、聞けばおしっこなんかここ3年していないっていうんだから、膀胱の惨状や押して知るべし!
でもまぁ、連れのブレントみたいに、放尿中にナニがモゲるよかだいぶマシ?

 

いやいや、そうよ。そうなんですよ。

マイクに、連れがいるコトが、この映画の楽しさなんです!

まずお調子ゾンビのブレント。
あと、二人になついてついて来た、かなり発酵してるであろう、本格派ゾンビのチーズ。
そしてゾンビだからといって分け隔てなく、ごくナチュラルに車に乗せてくれた、人間の、やもめ純愛エロじじい、クリフ。


なんつーかね~、さしあたってのストーリー自体は、目線は新しいもののとりたてて大騒ぎするほどの欠陥も長所もない感じで、ダラダラとゆるく流れます。

にもかかわらず、始終他の残念なゾンビ映画との大きな違いを感じるのは、この人たちのキャラの立ち具合いじゃないのでしょうか。

連れ以外にも、ゾンビ映画のお約束、筋肉質のアウトロー黒人完備、各種オバカキャラの配置もビンゴ!

多少、主役が安い感じはするけど、画面の中どの顔を見ても残念すぎて、B級の悲しさを実感する、みたいなことの(少)ないキャラの安定感があるのよね。

やっぱ、キャラの魅力に予算は関係ないんだよ!(あんまし)


ちなみに、その気になれば、ブレントのロス・キダーは半ゾンビ界のノーマン・リダース!・・・といえない事もない。かもしれない。

なら、マイクの彼女は、言うなればお産まえのケイト・ハドソン。
クリフは、んとんと、無名界のドナルド・サザーランド!
可愛いチーズは、ゾンビ界きってのジミー大西!(メイク前のマーカス・テイラーはさながら、ジョージ・クルーニー!)

そしてマクディンクルは、まるでモミアゲ界のアレクシス・アークエット!・・・こ、これはふつうにどっちもどっちか。


と、と、ともかく!
主役に絡む登場人物が増えるにつれ「半ゾンビ目線」が、思った以上に新鮮で、気分が上がってくるのですよね。
半ゾンビたちは、たとえ体は腐ってようが人間としての意識を持ってて、オバカっぷりも生前のまま、目的(人間彼女に指輪を渡す)に向かって一歩一歩と距離を詰めてく。

なんか、ほほえましいんよね!

つーか、この映画の楽しさって、生きたオバカも死んでるオバカも、ざっくりひとまとめに入り乱れている、阿波踊り系とでも言おうかなぁ。同じアホなら、腐らにゃソンソン?

あっ、それから、世間にゾンビとバレないように、切り抜けていくシーンのひとつ。↓

ゾンビヘッズ

カポシ肉腫か!
っていうネタをぽんっと平気で入れちゃってるのがいいね。

マイクの中の人が、エイズを公表しているだけに、これがもしA級映画だったらゾンビ映画界のご意見番が、黙ってなかったかもしれないもんね。


ま~、アレだ。
あらすじまでクドクド書いたら長引きすぎるのでまとめに入ろう。
そもそも、医療の現場で何かと物議をカモす「脳死」

いくら心臓が鼓動を打とうと、脳が死んだと宣告されたら人生はひとまず終わり、と世間一般に判断されます。

で、この映画の半ゾンビはその反対みたいなつもりなんかもね。
体は死んでてわりかしウエットに腐り気味なんだけど、脳が香ばしく働いているゆえ、「ちゃんとオバカとして青春する」

ナニはともあれ、青春は素晴らしく、発情は、若気の至りの原動力だ!
そうだそうだ、うん、たぶんそんな感じだ!

そして、こんなチャーミングなゾンビなら、普通は「まさか!」とのけぞりそうな、あの反則ラストもアリだよね!!
ええ、アタイは許可します、ハッピーエンド。

ぶっちゃけ、なんだかんだ言っても途中までは、ふつ~にオモロイ面白いB級映画だったのだけど、ラストのインパクトで一気にジャンク度が増して「こここここれは一生忘れないかも!!」って、鼻息の温度が上がったもんね!

それにしても、ゾンビのしつけがこれほど上手くいくんなら、アタイも「クサヤ」とか由緒ある名前をつけて、1匹ぐらい飼ってみたいなぁ。ゾンビーノあたりをはじめ、最近はゾンビコメディも増えてきて、可愛いゾンビも結構いるけど、チーズはそん中でも、ダントツに可愛い萌えゾンビ!と認定できます。

2012年8月

 

「ZOMBEHEADSゾンビヘッズ~死にぞこないの青い春~」データ

DeadHeads(2011)アメリカ

監督

ブレット・ピアース&ドルー・T・ピアース兄弟

出演

  • マイケル・マッキディ(マイク・ケラーマン)
  • ロス・キダー(ブレント・ガスリー)
  • マーカス・テイラー (チーズちゃん)
  • トーマス・ガラッソ(Thomas Jeremiah)
  • エデン・マリン(エミリー)
  • ナタリー・ビクトリア(エリー)
  • レナード・ケリー=ヤング(Charles)
  • ベンジャミン・ウェブスター(マクディンクル)
  • Harry Burkey(クリフ)