Before Night Falls/ジュリアン・シュナーベル
目次
レイナルド・アレナスの自伝
キューバのカストロ政権下でひどいめにあって、命からがらアメリカに亡命したものの、エイズを患い自死にてこの世を去ったレイナルド・アレナスの波乱万丈な人生のお話です。
レイナルドという人は、反体制スタンスのうえ同性愛者であるためにこっぴどい迫害を受けるんですが、けっこう懲りないというか、特にコソコソしたりもせず、相手をとっかえひっかえ恋愛を謳歌するという強烈キャラ。
映画では尺の関係もあるのだろうか、ソフトな描写に留まってんですけど、実際レイナルドと関係を持った人数たるや、4ケタは軽かったらしいです。
アタイはぶっちゃけオリヴィエ・マルティネス目当てで見たんですが、このレイナルドをハビエル・バルデムがシリアスかつキュートに演じるという、凄まじい粘度を前にして、しばし放心するしかなかったです。
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さらに、ジョニー・デップの二役が見どころだと思います。
モンローウォークで刑務所を闊歩する、ゲイの囚人ボンボンは、おのずと鍛えられた括約筋を活かして、直腸にモノを隠して運ぶ特技があるのですが、その直腸の収納力の高さたるや、仰天モノでございます。
思わず「え、そんなに?」と声が裏返ること受けあい。
一方、レイナルドの妄想を受けて立つ美男の中尉デップも良かったです。
体制に屈する屈辱を、レイナルドがひたすら中尉の股間に妄想を馳せ、耐え抜くシーンの破壊力。
それもひとえにジョニー・デップの美貌あらばこそですもんね。
まぁそれはそれとして。
この映画は、マイノリティの叫びであり、カストロ政権の光と影をかいま見せてくれます。
独裁とは。自由とは。絶望とは。
アタイの貧弱な思考力では、うまく言葉にならないんだけど・・・。
うーんと腕組みをして唸ったあと、チャラいミーハーのアタイですら、原作をポチりたくなる映画だったと思います。
伝わる?
- 作者: レイナルドアレナス,Reinaldo Arenas,安藤哲行
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 1997/05/01
- メディア: 単行本
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「夜になる前に」データ
- Antes Que Anochezca
- Before Night Falls
- 2001年 アメリカ
監督
- ジュリアン・シュナーベル
キャスト
- ハビエル・バルデム(レイナルド・アレナス)
- オリヴィエ・マルティネス(ラサロ・ゴメス・カリレス)
- アンドレア・ディ・ステファノ(ペペ・マラス)
- ジョニー・デップ(ビクトル中尉/ボンボン)
- ショーン・ペン(クコ・サンチェス)
- マイケル・ウィンコット(エベルト・ソリーシャ・オチョア)
- エクトール・バベンコ(ヒルヒリオ・ヒニェーラ)
- ナイワ・ニムリ(フイナ・コレア)
- オラッツ・ロベス・ガルメンディア(レイナルドの母)
- ヴィトマリア・シュナーベル(10代のレイナルド)