Blade Runner 2049(2017)ドゥニ・ヴィルヌーヴ
うーん、うーん、困ったなぁ~。
アタイの味噌の性能では、頭の中がまとまりません。
言えるのは、ひとつの映画としてまたはブレードランナーの由緒正しき続編として、とても面白かったです!ということ。
好き!と声高らかに宣言して、頬ずりしたく思います。
ただなんだろう、ちょっとしたモヤモヤがあるにはあって、妙に頭を抱えてしまうのでございますよね。
今まさに私の狭いオツム内にて、「好き」と「むむむ」が混在している状態です。
あらすじ
今回主役のブレードランナーはK・・・という名のライアン・ゴズリング。
改良レプリカントであるゆえに人類に対して従順なのだが、始終背中に100キロは下るまいと思われるほどのドス重そうな「オトコの哀愁」をしょっています。
「従順」が自覚なき重荷だということは、無表情を構成する表情筋は、相当無理してんのに違いない。
ともあれあらすじを自分用にカスタマイズしますと、そんなごずりん・・・いやさKの、自分探しのお話でしょうか・・・。
スポンサーリンク
感想
なんせ目の前に広がる画が、とてつもなく美しいんですよ。
もう、163分というもの全て絵になるカットの連続でした。
その美しさがKという一レプリカントの哀愁を、さらに増し増ししていたような。
もしKに感情移入することができていたら、この舞台のお膳立てにより、自己陶酔度が大幅アップまちがいなしだと思いました。
けど、背中にしょってる哀愁の湿気で、肩こりはまちがいなく悪化しそう。
そんなKのそばにはジョイという世にもいじらしい女の子(ホログラフィーだけど)がいるんです。
困ったことに、生身の人間よりもうぜんぜん可愛いんですよそのジョイが!!
ぶっちゃけノック・ノックでキアヌをいじめてた彼女とは、とても思えないいじらしさ。
ただこの「男目線の理想の彼女」とおぼしきジョイと、通じ合っていくKを見てると孤独の傷口を広げる行為でしかないように思えてさすがにつらい。
うーむ、孤独とはなんぞや、愛とはなんぞや。そもそも人間とはなんなんぞや。
悶々とするうちに、プログラムであれ本能であれ、そこに境界はないような気もしはじめる。
そしてアイデンティティが崩れはじめて「わ~~っ」っと頭をかきむしり、金田一耕介みたいなヘアスタイルに。
いやウソウソ、かきむしるまでもなく、もともと金田一耕介スタイルなの。
んと、いじらしいのはレプリカントのラヴもそうで、「ウォレスの特別な天使」という自負を原動力に自分を保っています。
そしてそんな、ジョイやラヴの描かれ方にちょっとした違和感を感じたりもしました。
まぁでも、そこをほじくる映画ではないのかな。
それにしても、レプリカントが子孫を残していけるとなると、もう人間と区別をつけること自体、ただの差別でしかないような。
人間が持つ、我こそは人間であるというプライドも、根拠はあいまいなモンだしなぁ~。
強いて優劣をつけたとしても、むしろ人間のが分が悪そうだし。
ちなみに、デッカードが人間かレプリカントか、という謎には興味ございません。
ぶっちゃけどっちでもいいんだけど、できれば謎のままにふわっとしていて欲しいです。
ともあれ今作でデッカードとレイチェルのラブストーリーのその後は見届けさせていただきました。
あとはもう、続編でロイを再起動させてくれたらOKよ!!!
ミーハーチェックポイント
やぱし、ジョイのアナ・デ・アルマスちゃんとラヴのシルヴィア・フークス様をはじめ、女優さんたちが軒並み良かったですよね!!
とくにラヴちゃんの迫力に、身も心も痺れました。
筋肉弛緩状態余って、笑っちゃうほどカッコイイ。
ロビン・ライトのマダムは、もうちょっとしぶとく頑張って欲しかったかなぁ。
実際、ジョシ警部補のKに対する信頼(仇になるけど)は、ぐっと来るものがありました。
あと個人的に、コップバリーンのシーンは萌える。動画GIF化してほしい。
そして、キャラ萌えのラスボスはウォレスでしょうか。
なんとなく神っぽいキャストという点で、ジャレッド・レトが大ビンゴ。
天使に対する「オレ創造主」的な傲慢な仕打ちもジャレッドのせいで、神の思し召し名シーンみたいな、妙な錯覚にとりつかれて困ってます・・・。
「ブレードランナー2049」データ
- Blade Runner 2049 (2017) アメリカ
監督
- ドゥニ・ヴィルヌーヴ
キャスト
- ライアン・ゴズリング(K)
- ハリソン・フォード(デッカード)
- アナ・デ・アルマス(ジョイ)
- シルヴィア・フークス(ラヴ)
- ロビン・ライト(ジョシ警部補(マダム))
- マッケンジー・デイヴィス(マリエット)
- カーラ・ジュリ(アナ・ステリン博士)
- レニー・ジェームズ(ミスター・コットン)
- デイヴ・バウティスタ(サッパー・モートン)
- ジャレッド・レト(ネアンダル・ウォレス)
- デヴィッド・ダストマルチャン(ココ)
- バーカッド・アブディ(ドク・バジャー)
- ヒアム・アッバス(フレイザ)
- ウッド・ハリス(ナンデス)
- トーマス・レマルキス(ファイル係)
- エドワード・ジェームズ・オルモス(ガフ)