Wolf Hall/ピーター・コズミンスキー
目次
ヒラリー・マンテルの小説『ウルフ・ホール』と『罪人を召し出せ』を、イギリスBBCがドラマ化したやつ、とのことでございます。
数多あるヘンリー8世もののなかでも、トマス・クロムウェルの視点から描かれているのって、他になくないですか?
同じトマスでもトマス・モアならもっとありがちだと思うんですけど、どっちかっていうと悪役カテゴリのクロムウェルさんが主役だなどとは、逆に新鮮でございますよね!
ちなみに、同じトコロが描かれていた「ブーリン家の姉妹」でトマス・ブーリンを演じていたマーク・ライランスが、こっちではクロムウェルを演じているのも、ミーハーとしては興味深いところです。
なんせ、マーク・ライランスという人は、淡々とした表情のなかに「憂い」と「知性」が溶け込んでいるという、賢者的なイメージがある人ですので、「ドラマのせいでクロムウェル萌え!」という現象も充分ありえると思われます。
お話は、トマス・ウルジー枢機卿が失脚するあたりから始まり、アン・ブーリンの処刑シーンで幕を閉じる、というメジャーどころ。
ウルジーさんが失脚する以前の描写もあるので、1520年ぐらい~1536年ぐらいの間のお話かな?
日本放送版では全4話と、重厚な内容ながら、そんなに身構えなくてもとっつきやすく、見やすい長さで良かったです。
まぁ、一話につき90分あるけどな!
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あらすじと感想
・・・っていうかこれは、えと、あの人がこういう人でこうなって・・・と収拾がつかない頭の中を、ひとまず整理するべく行っている、自分向けのメモなのでございます。
こんな需要がなさそうな上、ハンパなものを公開しちゃってすみません(いつもか・・・)。
そのうち、このようなメモをたたき台に、いろんなテューダーもの映画やドラマを寄せ集めて、テューダー朝ミーハー人物マップみたいの作れたら面白いかなぁ(アタイが)とか思いつつ、今はまぁこの程度です。
第1話 Three Card Trick
アン・ブーリンと結婚したいがために、何が何でも王妃であるキャサリン・オブ・アラゴンと離婚をさせろ、とダダこねまくりのヘンリー8世。
王の無茶振りに側近はああでもないこうでもないと頭を抱えておったのですが、当然そんな我侭は、なかなかドサクサにまぎれ込ませることができませんので、業を煮やした陛下は、「お前のせいだぞ!」という八つ当たりを、ウルジー枢機卿に剛速球で食らわします。
陛下の機嫌を損ねたからには、ウルジーさんはハンプトンの豪邸を追われ、引退を余儀なくされます。
そんなこんなで、主人ウルジー復権のため、知恵を絞るなりゆきが高じて、クロムウェルはヘンリー王に仕えるようになるんです。
一方ドラマ中、クロムウェルの妻や子供が粟粒熱で帰らぬ人になったりもする。
子供たちめっちゃ可愛かったのに・・・伝染病の無常さよ。
あと、へぇぇ~と思ったのは、この時代のお食事マナーですね。
これまで見たドラマや映画では、そういうシーンがあったかなかったか、あまり記憶にないんだけど、テーブルについて、手づかみで食事、汚れた指は、チュパチュパなめてきれいにする。
ということは、カトラリーを使う文化のはじまりは、いつごろからなんだっけ?
第2話 Entirely Beloved
追い払われ、追いやられ、果てに反逆罪と指さされて、ウルジーが死にます。処刑ではなく、抗議の飯ストで、体が弱ってしまったらしいのが泣けます。
このドラマのウルジーはとても可愛いおじいちゃんなので、いなくなると悲しい!
主人の死を悲しみながら、ウルジーをそんな目にあわせたやつらに天罰が下ればいい、と従者が言うんだけど、クロムウェルが、「神の手を煩わせずとも私にまかせておけ。」とか言っちゃってカッコイイです。
その後、クロムウェルは、トマス・モアと共に枢密院の顧問官となります。
↑メアリー1世。ママはキャサリン・オブ・アラゴン。
あらゆるアクロバットが功を奏して、ついにアンとヘンリーは結婚にこぎつけます。
しかし、宗教的がらみの屁理屈(?)を腕力で押し切ったような形であったため、人々の反感はハンパないものでした。
やがて、アンはめでたく妊娠。
クロムウェルに、「私は欲望の対象だった。今は、この子のおかげで、陛下が優しくしてくれる。」みたいなことを、ふとこぼしたりするんですよね。
まぁ、信頼とか情とかよりも計算ずくで、肉体を武器に、じらすことでヘンリーの欲望を高め、脅しで王妃の座をもぎとったツケは大きいですよね・・・。
王子を生まなかった王妃を追いこんだ前例をつくったゆえに、自らも王子を産むしか確定されないその立場では、プレッシャーもハンパないだろうに、なぜそのような生き方を・・・。
ちなみに、クレア・フォイは、ネトフリドラマの、「ザ・クラウン」で、エリザベス女王をキュートに演じている人です。
第3話 The Devil's Spit
アンは女児を出産します。かのエリザベス1世であります。
そんな時こそ心安らかに、母としての幸せに浸ればいいものを、こともあろうに、キャサリン・オブ・アラゴンの娘、メアリー(庶子に身分を落とされた)をエリザベスの侍女にする、とか言い出します。
「マジか!」というのが顔に出るクロムウェル。
つーか、そこはヘンリーが止めなさいよ、メアリーも自分の娘じゃん・・・、と思うんだけど・・・・王様の思考回路はわかりません・・。
そして、ここらへんで、そろそろトマス・モアがヤバイことになってきます。
クロムウェルも、「尊敬していた」とか神妙な顔して言うわりに、モアをガンガン追い詰める。
そして信念を貫いたモアは、民衆に惜しまれつつ断頭台の露と消えるのです・・・・。
アンは第二子を流産したのち、ヘンリー待望の男子だったにもかかわらず、第三子まで流産し、風の流れがかわります。
ぶっちゃけ、ヘンリー8世が、ジェーン・シーモアに心変わりしてしまい、アンが邪魔者になるんですよね。
因果応報というやつね。
それはともかく、第3話のお食事シーンでは、手づかみが主流のようではあるけど、ナイフやスプーン、フォークみたいなのも使ってました。
どっちかというと、用途は取り分けるためのようでしたけど・・。
気になる気になる、チューダー朝の食事マナー!
第4話 Master of Phantoms
さて、あとはアンが断頭台にまっしぐらです。
歴史モノはあらかじめネタバレしてるゆえ、アタイたちはなりゆきについては大体織り込み済みでございますよね。
まぁそういうコトです。
怖かったのは、アンの処刑が終わったあと、ヘンリー8世が満面の笑みで、クロムウェルに向かって両手を広げるところかな。
のちのちの、クロムウェルの運命を知ってるからなおさらですがな!
このドラマは、マーク・ライランスも素晴らしいんですが、ダミアン・ルイスのヘンリーが、もうめっちゃハマってて凄かったです。
アタイにとっては、さわりだけカジった歴史のひとコマだったんですが、ちょっと目線が変わるだけで、あっちに感情移入、こっちに感情移入とさまよいながら、最終的に、ちょっぴり客観的な目線に落ち着くことができたかもしれない。
ミーハーのプチ覚え書き
ジェーン・シーモアの兄役でエドワード・スペリーアスが出てます。誰だっけとしばらく頭をひねったんですが、ダウントン・アビーのジミー君ですね!
ほか、トム・ホランド、トーマス・サングスター等、注目の若手イケメンも結構出てくるので眼福です。
あっ、それからシャーロックのお兄ちゃんもガードナー役で出てきますぞ!ヘンな帽子(コラ)かぶってるマイクロフト、チョー可愛い!
おかげで、キャストだけでも、ぜんっぜん退屈しなかったです。
DVDも出てるけど、U-NEXTなら見放題で見れます。
ちなみに、ヘンリー8世ものを詳しく見るなら「チューダーズ背徳の王冠」というジョナサン・リース・マイヤーズ主演のドラマもございます。
そっちのほうも、できれば感想書きたいかも・・・・でも長いからなあ・・・。
実際、このポストですら、こんなにグダグダになってんのに・・・w
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「ウルフ・ホール」データ
- Wolf Hall(2015)イギリス
監督
- ピーター・コズミンスキー
キャスト
- マーク・ライランス(トマス・クロムウェル)
- ダミアン・ルイス(ヘンリー8世)
- クレア・フォイ(アン・ブーリン)
- デイヴィッド・ロブ(トマス・ブーリン)
- バーナード・ヒル(トマス・ハワード)
- アントン・レッサー(トマス・モア)
- マーク・ゲイティス(スティーブン・ガードナー)
- マチュー・アマルリック(ユースタス・シャプイ)
- ジョアンヌ・ウォーリー(キャサリン・オブ・アラゴン)
- ジョナサン・プライス(トマス・ウルジー)
- トーマス・サングスター(ラルフ・サドラー)
- トム・ホランド(グレゴリー・クロムウェル)
- ハリー・ロイド(ヘンリー・パーシー )
- ジェシカ・レイン(ジェーン・ブーリン)
- サスキア・リーヴス(ジョアンヌ・ウィリアムソン)
- チャリティー・ウェイクフィールド(メアリー・ブーリン)
- ジャック・ロウデン(トマス・ワイアット)