STITCHES(2001)ニール・マーシャオール・スティーブンス
大嘘すぎてあきれるものの
なにを~?
「死っかりご奉仕します……」だとぅ?
いくら売れもしないどうでもいいような映画だからって、本編に一瞥すらくれずキャッチコピーつけたようなモンを、素直で純粋無垢なホラーファンに売りつけていいのか~!
まったくも~、営業文句が大嘘すぎて、もしホンモノのデビルズ・メイドがいたら絶対怒り出すに決まってるぞ。
しかも誰だよ!ニールマーシャオールって!ニール・マーシャルと紛らわしいよ!!
でも、いくらなんでもどこかに良心、いやさ根拠のカケラぐらいはあるかもね?
などと、つい情けを感じてしまうのも、ヒマな夜長のご一興かも・・・。
ントント……、とっても小声なんだけど、個人的にはOKなところもあるんです。
いやほんとにつまんないですしね、全くいいとこないんですけど、チョット小さなツボから生えたイボ・・・というか、つついて押し出してみたいニキビみたいなモンがあるよね。
みたいな歯切れの悪いひっかかりはあります。
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冒頭の悪魔。
宣伝文句曰く、最新のSFXでもって、我々をショックのズンドコに陥れてくれるらしいんですが、その悪魔……というか……どうひいきめに見ても、オデコに千年灸(ツノか?ツノなのかよ!)貼ってます?みたいな地獄内でもさぞかし低カーストに所属すると思われる鬼っぽい人。
夜なべにミシンをカタカタやってる後ろ姿は、武士の傘張り内職と通じるワビサビな趣があって、水分に余裕さえあれば涙するのもやぶさかでなし。
いったい何を縫ってるかといえば、死体の皮をパッチワークでつなげた、チープな人間の着ぐるみでした。
完成した手作りの着ぐるみを装着し背中で止めれば、チョっとかわいい、アルブライトおばさんのできあがり。
ちなみにこのアルブライトおばさん、別に家政婦さんじゃーなかったし、最新(宣伝文句曰く)のSFXも、よほど気をつけて目をこらしておかないと、まばたきの一瞬に終わるシロモノ。
いや最新のSFXのくだりは、たぶん宣伝部の冗談ですよね。
ともかく、宣伝部の冗談を確認したあとは、のほほんと人間の魂を集める悪魔のお仕事ぶりを、マッタリ見守るのみでした。
まぁ時間さえ過ぎればそのうち終わりますし、昼下がりのテレビの、ホームドラマのように、無駄に平和を満喫するにはもってこいかも。
大嘘の売り文句は極刑に値するけど、本編自体は可もなく、不可すら2~3日で、あらすじの記憶と共に去るでしょう。
めでたしめでたし。
2004年3月
「デビルズ・メイド-死霊家政婦-」データ
STITCHES 2001年 アメリカ
監督
- ニール・マーシャオール・スティーブンス
出演
- エリザベス・インス
- デブラ・メイヤー
- ロバート・ドナヴァン
- アレックス・ピアボディ