The Crimson Rivers/マシュー・カソヴィッツ
目次
あらすじ
舞台はフランス、アルプスのふもとの大学町、ゲルノン。
そこで起こった猟奇殺人……。
こんな死に方するぐらいなら、死んだほうがまし!!……とゲッソリするようなおぞましさ。
事件を解決するために、派遣された刑事ピエール・ニルマン(ジャン・レノ)。
憂いのある表情が一見クールで、敏腕刑事としての風格はバッチリ。
どうでもいいけど、ジャンレノ髪型変えたのね、でも役作りと言うにはあまし効果が感じられないちゅーか、べつにいつもの髪型でいいじゃんっつーか。
妙に気が散るので、早く散髪して欲しいなあっつーか……。
そして一方で血の気の多い若手刑事(ヴァンサン・カッセル)が追う事件。
一見無関係なふたつの事件が、やがてつながったりもつれたりするお話です。
スポンサーリンク
感想
いや、面白かったです!ホント!!ホント!!
オープニングの執拗な映像も良かったし、いろんな意味で閉ざされた、田舎町のどんよりとした雰囲気が重苦しくも冷たい風景……陰気でとてもぞっとする、なのにとてつもなく美しい!!
そんでひとつひとつのシーンにいちいちピカリと見応えもあり、登場人物のバラバラ感も、これはパズルだ!!バラバラなピースがやがてきちんとまとまって、いつか必ず完成するんだ!!と目にキラ星を発生させて、血湧き肉を踊らせました。
だって、一見全てに内容があるように思わせてくれましたもん。
ところが、縦横無尽に張り巡らされた伏線のなかに、さも伏線のように見えながら、実はたいして意味もない「雰囲気だけ」のシーンもちゃっかり潜んでいたりして。
ジャン・レノの犬怖いよ~とか、カッセルのバーチャファイトとか……、何か深い意味とかあったっけ?な、な、ないよね?
わずか106分、ストーリーの説明も足りない状態で、こんな道草、なかなかできないと思います!!カソヴィッツさん大物!!
もちろん、あんまし皮肉じゃないです。アタイは、無駄と隙のある映画が好きなので、そういう遊びはオッケーです。
つーかむしろ、20億円とゆうフランス映画にあるまじき大金をかけながら、札束が空振りするようなシーンほど、何かオモロイ。
ただ、最初が面白かっただけに、どんどん尻窄みになっていくのがけしからん。
だって、 ショッキングだったのは、ひとつめの死体だけなんだもん。
やはし、猟奇殺人と言うからには、最後の1人の死に方にまで手を抜かず、きっちり描写してくれないと!!
そして、えええっと仰天のラスト。
それまでどろーんと盛り上がってきたまがまがしさを、スコーンと台無しにしてしまうあっけらかんなラスト。
見始めはたしか知的ミステリー映画だったのに、見終わってみたら筋肉アクション映画になってたヨ!
なんじゃそりゃあああ!
好みの問題もあるだろうが、アタイはショックを受けました。
そしてアタイのとぼしい情報処理能力では、ラストもオチも犯人も見たというのに、「ん?あれがこうでこうなって……?」と、いまだ事件がスッキリ解決していないのであった……。
それって、2で、アタイにもわかるように解決してくれるつもりなんかなぁ?
(2002年2月)
「クリムゾン・リバー」データ
Les Rivieres Pourpres / The Crimson Rivers 2000年 フランス
監督
- マシュー・カソヴィッツ
出演
- ジャン・レノ
- ヴァンサン・カッセル
- ナディア・ファレス
- ドミニク・サンダ
- カリム・ベルカドラ
- ジャン=ピエール・カッセル