Il racconto dei racconti / マッテオ・ガローネ
世界最古のおとぎ話らしいです。
分類しようにも「ヘンテコ映画」か「美しい映画」か悩むっちゅーの・・・。
目次
あらすじ
あまりにも「子供」を所有することに執着しすぎたロングトレリスの女王と、ストロングクリフのなまぐさ老婆姉妹のドタバタと、毒親のせいでオウガに嫁ぐハメになったハイヒルズの王女の超ぶっとびシュールな物語。
ロングトレリスの女王はサルマ・ハエック。
ないがしろにされる王様が、ジョン・C・ライリーっての笑う。
女王は不妊をネクロマンサーの助言で世にも荒々しく克服するんですが、まぁ子供への執着が強すぎて、ろくなことになりません。
ストロングクリフの老婆は、その美しい歌声にドスケベの王様(ヴァンサン・カッセル)が勝手にのぼせ上がったりしてガンガン言い寄られるうちに、なんかその気になっちゃうんですよね。
王の求愛に応えるため、ゴリゴリ無理をしますので、ろくなことになりません。
老婆の妹も「うらやましい」という感情がこじれてあらぬ方向に血迷いますので、ろくなことになりません。
もと夢見る乙女のハイヒルズの王女だけは、毒パパ(トビー・ジョーンズ)に見切りをつけてオウガの嫁になってからがたくましいです。
オウガとの関係は、美女と野獣のモトネタみたいなとこあります。
まぁ、どのみち素直な話じゃないのでディズニーの洗脳が強すぎると「えええ~~~っ」ってなって、タピオカミルクティーを取り落としてしまうんじゃないだろうか。
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感想
スケッチはテキトーだけど、 本編ときたらもう、クッソ美しいんですよ!!!
画面の美しさと描かれているキャラクターたちの醜悪さのギャップがたまりません。
基本お話3つのオムニバスなのだが、つかず離れず別エピソードキャラたちが同一画面にシレっとおさまっているシーンとか、力づくでまとめた感が出ててアタイは好きです。
内容はダークでかなり笑えるんだけど、アーッハハハハハハハハァ・・・・・と、先細りに笑いがしぼむ感じです。
特に老婆のお話は、なんだかいたたまれないようなモゾモゾとした居心地の悪さがあります。
老婆と王のベッドシーンとか魔女が老婆におっぱいを飲ませるシーンとか、アタイの顔面がお経を読んでるチベットスナギツネみたいになってたかもしれません。
老婆パートのテーマは「若さへの渇望」みたいな感じで、こういうのが長い間、女の業みたいに描かれてきたことに対して「あ~あ」ってなったりもする・・・。
一方ハイヒルズの王女の話は、そうきたか感が強烈で、なんか逆にフレッシュさがはじけていました。
つーか、アタイはオウガより、断然巨大愛されノミが無理なんですけど!!
けど、トビー・ジョーンズがノミに愛情を注ぎ、イノシシ大にまで育て上げるシチュエーション自体は、3周ぐらい回りに回って、ちょっと萌えなくもない感じ。
もちろん、気のせいだと思います。
ロングトレリスの女王のお話は、いわゆる「二人兄弟」ものみたいな感じなんだけど、まず白い二人兄弟が並んだ画が美しすぎる!!
辛らつに描かれた母親のエゴイズムを白ツインズの強靭な美しさで、場外に打ち返された感じです。
そして、ジョン・C・ライリーの戦闘シーンはマジ斬新だったので、せめてそのシーンだけでも、熱く布教をしたいです・・・。
余談なんだけど、「犯罪」幸運のアルバ・ロルヴァケルも出てて可愛かったです。
『五日物語 -3つの王国と3人の女-』 データ
- Tale of Tales(2015)
- イタリア・フランス・イギリス
監督
- マッテオ・ガローネ
原作
- ジャンバティスタ・バジーレ『ペンタメローネ』
キャスト
- サルマ・ハエック(ロングトレリスの女王)
- ヴァンサン・カッセル(ストロングクリフの王)
- ジョン・C・ライリー(ロングトレリスの王)
- トビー・ジョーンズ(ハイヒルズの王)
- アルバ・ロルヴァケル(ヴァイオレットを助けようとした女)
- ベベ・ケイヴ(ハイヒルズのヴァイオレット王女)
- クリスチャン・リース(ロングトレリスのエリアス王子)
- ジョナ・リース(ジョナ)
- フランコ・ピストーニ(ネクロマンサー)
- シャーリー・ヘンダーソン(インマ)
- ハイリー・カーマイケル(ドーラ)
- ステイシー・マーティン(若返ったドーラ)
- ギョーム・ドローネイ(オウガ)
- キャサリン・ハンター(魔女)
- ジェシー・ケイヴ(フェニキア)
- ローラ・ピッツィラーニ(ジョナの母 )