Session 9(2001)ブラッド・アンダーソン
息苦しさならNO1!
なんと。
舞台となる廃墟の精神病院は、実在の心霊スポットらしい!
となれば当然、かなーり、どろどろおどろなオカルトを期待するよねぇ。
もぅ、もったいぶった前半は、いつくるか、いつくるかと期待のテンションでのけぞりそう!!
まぁ、 しばらく見てると憑き物が落ちたように、期待も急落するんですけど・・・。
なるほどこれは「オカルト」を利用した、「サスペンス」なのかなぁ。
胴から下の透けている、いわゆる「オバケ」はよっぽどのことがない限り、出ませんでした。
お話といえば、巨大な廃墟(かつては精神病院だった)のアスベスト処理に訪れた業者5人。
なんせ場所が場所なだけに、妙にそれっぽい素材がからみ、多重人格患者のテープも出てきて、だんだんみーんな狂気っぽくなってきて……。
……ってうっそお!
ぜんぜんだんだんじゃないっちゅうーの!最初からもう、暗いオーラでまくりだっつーの!いつ奇行に及んでもぜんぜんおかしくないおかしな人が、おかしな行動(って殺人だけど!)をとっただけなら、 「あ、あたりまえじゃん!」
どうでもいいけど、このシトたちは、本当に急いで仕事やってんの?2週間でもきびしすぎるはずの仕事を、1週間でやるんやろ?オチリに火がついてるのに、テープなんてじっくり聞いてる場合か?
もし私が、そんなブラックなクライアントなら、こんな業者は選ばないぞ~~!
しかもサスペンスの定説は、スターが最後まで残る!
だからこの場合、ピーター・ミュランかデビッド・カルーソが生き残り、そしてどっちかが犯人……って、えええ?
ちょっとまて! この2人が セッション9の看板スター?(この映画いち衝撃の事実!)
低予算はわかる。
でも話が地味な上に、いろいろありがちな内容の上に、スターがその2人って(汗)。
いくらなんでもそれってつまり、シロートのど自慢のトリを、 見栄晴くん の熱唱でしめくくるよーなもんやろ。
んなもんどこにニーズがあるんだ。
そりゃあなにも、のど自慢に ローリングストーンズ を出せとはゆわんけど……。
せめて無名でも美形を出してくれるぐらいのサービス精神を見せてくれたら、こっちももっと親身になれたんじゃ?とか思うよねそりゃミーハーなら!
いや、別に嫌いなわけじゃない、けど、その2人(ピーター・ミュランとデビちゃんのことね、見栄晴くんじゃないよ、念のため)だからこそいいっていう要素があるとも、あんまし思えないんだよな・・・。
ただ、この映画はやっぱりちゃんと怖かったです。
よくよく考えてみれば、ハンパなオカルトよりも生きた人間の大脳の神秘ですよね。
わたしたちがわたしたちでいられるのは、すべて大脳が正常に仕事をしてくれてこそ。逆に言えば、血管がふさがったり、事故でハンブンふっ飛んだり、感電したりと、やむをえない物理的な理由で「理性」をスコンと失うこともありうるわけだ!!
大脳の状態によっては、どこか動かなくなったり、反対に動きを止められなくなったりも大アリにあるよね。 殺しが止まらない?な、ないとは言えない!イコール、怖い!
そしてロボトミーなりアイスピック療法なりの、現実にあった無茶な治療の存在が嫌すぎ。
暴れる患者には、アイスピックのようなものを目の横から入れたりして、大脳の一部を削っちゃえばおとなしくなるよ~なんちゃってことなんだからヒドすぎる。
で、「ま、目は見えなくなるけどね~、テヘ♪」って、コラーーッ!
しかし真面目にこんな治療が全世界にまかり通っていた時があったんだと思うと、そりゃもう全身バリバリ総毛立つって。
何よりムズムズ、げほごほごほ!!
……と、むっちゃ息苦しい映画でした。アタイただでさえ、花粉をはじめ、カビやらホコリ系だめ体質なのに、ましてモウモウのアスベストだなんて。
実際、そのアスベストな空気感がカモす不快感を、甘く見てはいかんと思う。
ナイーブでかつフラシーボに弱い人なら、現実に喘息発作ぐらい始まっちゃうかも!
というわけで。
たしかに廃墟ものならシャイニングのほ~が面白いし、病院ものならキングダム、多重人格ものならまあ最近ではアイディンティティーなんちうのがありますけど、アスベストものとしては案外世界一ってぐらい、背筋も凍る一品だと思いました。
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「セッション9」データ
Session 9 2001 アメリカ
監督
- ブラッド・アンダーソン
出演
- デヴィッド・カルーソ
- ピーター・ミュラン
- ジョシュ・ルーカス
- ブレンダン・セクストン・サード