Giallo/ダリオ・アルジェント
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あのダリオ・アルジェントが、コメディ映画に進出?
いやはや、まず「これは一体?」と途方に暮れたよ。
ダリオさんには、アタイの喜怒哀楽がバターになるほど、かなり振り回してもらいました。
うん、違った意味で。
感想とか
んと、日本人の女の子が拉致されるまでの冒頭のシーンは、ちょっと劣化サスペリア?みたいなムードが良くて、「わーい!ひさびさアルジェントのジャーロが見られる!」と満面の笑みで誤解しました。
なのでしばらくは平和に満ちた微笑をたたえ、お約束のツッコミなど機嫌よく発していたんだけど、なぜかだんだん空気が冷えてく・・・。
大体、アルジェントジャーロの主役が熟女でいいわけがない!
たとえ、熟女がエマニュエル・セニエでもだよ!
そしてとうとう、「こ、これは、これまでに刷り込まれてきた、アルジェント映画の流れじゃない!!」と、青ざめるに至りました。
話が全くあんまし面白くナイ!!とか、意味深なだけで終わった二役勿体無いぞ!とか、出しっぱなしで伏線にすらしないキーワード(黄色)もっとなんとかならんのか!
・・・とか以前に、鮮血がまるでアートになってないじゃんか!
ありえませんよね、もしダリちゃんが正気なら。
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ただ、正気のダリオはタイホレベルの超変態だったから、今回は逆に、更正して真人間に変身したってことになるのか?
・・・というとそういう感じなワケでもナイ・・・。
いわば、右にねじれて左にねじれて、ねじれてねじれてこじれすぎて、なんだかヨレヨレのまっすぐ風になっちゃったのかな、みたいな感じ。
ホラ、あれよ。直しても直しても、ハリを失っていくばかりで、どんどんしょんぼりになっていく、電話のぐるぐるコードを思い浮かべてみておくれ。んむ。あれな感じ。
(電話のコードレス化が進んだ現代、この例えが通じるのだろうか・・・)
あ~ぁ、せめて音楽がシモネッティだったらなぁ~。
とゆうことで、魂が抜けたんだかヤケなんだかアルツなんだか加圧なんだか減圧なんだか、なにかよっぽど深いわけがあったかは知る由がないケド、今回のダリちゃんは、脂肪分大幅カットの霜降り肉みたいになってました。(霜降りちゃうやろ!)
でもって、アタイがどんなに頑張っても、名優と名監督夫人がなぜか、大根役者にしか見えないという残念感・・・。
でもなんだろう?
実は、そんなありがちな不平不満を言いたいわけじゃないんです。もともと、アルジェント映画は、文句とツッコミ込み込みな存在。
だけど、そんな良心的にスルーできないほど、この映画には、とんでもない違和感が仕込まれてましたよね?
まぁ特殊メイクだからね、とかばい切れない、異物が入ってましたよね?
つーか、犯人、なんかのコスプレ?
つーかむしろ、着ぐるみ?
いや、あれ、あれ、あれよ!くまモンとかせんとくんとかにしこくんとかふなっしーとか!!
ぶっちゃけ、ゆ、ゆ、ゆるキャラじゃん!!
それってたぶん、エイドリアン・ブロディ(アタイったら実名を!!)的には、とりかえしのつかないキャリアなんと違います?
アタイがもしエイドリアンなら、3年ぐらい、お布団から出たくないレベル。
そうは言っても、床ずれができるまえに床上げをせねばならぬゆえ、人々の記憶が手薄になったころをみはからって、二度とはちまきは装着しない、パーカも着ない、と固く心に誓ってから、普通のサラリーマンとして、ものすごくひっそり出直すよ。
ふう。
怒ってみようと思ったけど、やっぱ笑いがとまらんわ・・・。
2013年1月
「ジャーロ」データ
Giallo(2009)アメリカ/イタリア
監督
- ダリオ・アルジェント
出演
- エイドリアン・ブロディ
- エマニュエル・セニエ
- エルサ・パタキ
- シルヴィア・スプロス
- ロバート・ミアノ
- ルイス・モルテーニ
- ブライオン・デイドラ