ミーハーdeCINEMA

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『映画』オックスフォード連続殺人(2008)

THE OXFORD MURDERS/
アレックス・デ・ラ・イグレシア

オックスフォード連続殺人1

目次

 

蝶の羽ばたきが嵐を起こす

あらすじ

 

オックスフォード大学にアメリカから留学生としてやってきたマーティン(イライジャ・ウッド)が、連続殺人事件に巻き込まれることによって、憧れの数学者セルダム(ジョン・ハート)とお近づきになれて嬉しいな!!・・・というギジェルモ・マルティネス原作の数学ラブストーリー・・・、ミステリー。


なんせ監督がアレックス・デ・ラ・イグレシアなので、一見しおらしいミステリーに見えても、隅々に油断ならない仕込みがチラつくのはまぁ当然。

 

感想

アタイ的に数学は、遠くに・・・つーか、はるか遠くにありて思うもの。
なので序盤から「哲学をも殺す数学」に太刀打ち可能なわけもなく、さんざん惑わされた脳内は散らかるだけの一方通行。

まぁ今にして振り返れば、アタイのショボイ味噌をフル稼動して、マーティンやセルダムのセリフを理解しようと頑張れば頑張るほど、監督の思うツボにはまる仕組みだった模様です。

それってめっちゃ、快感ですよね。映画には思うツボにハマれる幸せ、みごとに騙される楽しさ、ってモンがある。

 

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イグレシア監督ってつい奇抜なイメージが先行しちゃうんですけど、なんだかんだいって、やっぱり根っこから先っちょまで、才人なんだな~~と、アタイはこの映画で尊敬心を新たにしました。

まず、映画が始まってしばらくして、キーパーソンたちがニアミスする長回しのシーンがあるんだけど、それがめっちゃイイんですよ。
思わずそのシーンばっかし、5回ぐらい見た。

あと、本屋さんが凄い。
もし近所にあんな本屋さんがあったら、それだけでアタイ、大気圏外まで舞い上がること必至。つーかもうあそこに住みたい。ついでに、あそこに墓を建てたい。アタイが死んだら、あの本屋さんに埋めて欲しいし、無理なら遺灰を撒いて欲しい!!<オイ!

 

オックスフォード連続殺人

 

それから、キャストが超ツボる。
ジョン・ハートとイライジャ・ウッドの組み合わせの、いけない雰囲気最高です。
脇を固める人々は、ドミニク・ピノン、ジム・カーター、バーン・ゴーマン、と、眼輪筋と口輪筋が思わずほころぶ曲者ぞろい。


そして正直、マーティンとローナの濡れ場ってなんかウザいぞ!!と思ってたけど、そんな自分が間違っていた!と反省するあのシーン!
レオノール・ワトリングが惜しみなくかなえてくれるオレたちの夢、裸エプロン!!
しかも、スパゲティの女体盛りまでついてくる!

はあはあ!!


しかしまぁ、数学に獲りつかれ、目を血走らせながら深遠を見ようと求め、人生を捧げる学者たち。それぞれの方向ながら、壮絶な闇と病みに侵されている。
セルダムが「数学教の信者」 と呼ぶその状態にひとたび陥ってしまったら、もはや後戻りはできないのだろう。

まさしくマーティンも例外じゃない。
事件が一件落着の段階で、イギリスでの研究生活に見切りをつけ、恋人と遠くに行こうとするマーティン。
心機一転のはずなのに、ふとした行動であっさり事件を蒸し返し、頭は真相を探りやめない。
つーか、遠くに行こうとか抜かしつつ、カバンの中に事件の写真の束が入ってるとは何事だ!
そら、ローナもアタイも「だみだこりゃ。オミャーは真相と心中しろ。」と愛想が尽きるってモンだよね。


そして、数学者の自尊心を見事にコケにするあのラスト。
なんだそれ!!後味悪いぞ!す、ば、ら、し、い!

 

オックスフォード連続殺人

 

それにしても、知的障害者を重罪人とみなして医学実験のモルモットに使う、という考え方が、この世に存在するということが、心底恐ろしくてなりませぬ。
昨今、根っこが似たりよったりなそのテのニュースを見聞きして、21世紀になってなお、命を選別する、という驕った思想の根強さに、けっこうガックリくるものがある。

 

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さあ!イグレシア監督の映画を見よう!

 

気狂いピエロの決闘

登場人物バッチィですしね・・・・どいつもこいつもどうかしてるんですけど、個人的には殿堂入りの映画です。
が、全ての人にオススメするわけではございません。

これをまだ見てない、心が広くて慈悲深い、ホトケのようなあなただけ、あなただけ・・・。<耳元で

 

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みんなのしあわせ

これはまぁ、大きな声でオススメしても、そこまで怒られないんじゃないだろうか・・・。
まだ見てない人は、みんな見たらいいんじゃないだろうか・・・。
いや決して、無理にとは申しませんが・・・・・。
感想はこちらに。↓

 

seicolin.hatenablog.com

 

「オックスフォード連続殺人」データ

THE OXFORD MURDERS(2008)スペイン/イギリス/フランス

監督

  • アレックス・デ・ラ・イグレシア

キャスト

  • イライジャ・ウッド(マーティン)
  • ジョン・ハート(アーサー・セルダム)
  • レオノール・ワトリング(ローナ)
  • ジム・カーター(ピーターセン警部)
  • ジュリー・コックス(ベス)
  • アレックス・コックス(カルマン)
  • バーン・ゴーマン(ユーリ・ポドロフ)
  • ドミニク・ピノン(フランク)
  • アンナ・マッセイ(イーグルトン夫人)
  • ダニー・サパーニ(スコット)
  • アラン・デヴィッド(ヒギンズ)
  • トム・フレデリック(ウィトゲンシュタイン)