ミーハーdeCINEMA

ミーハーが映画やドラマを見てはあれこれとつぶやいてます。

『映画』ゾンビ(1978)

Zombie/ジョージ・A・ロメロ

ジョージ・A・ロメロの映画ゾンビ

目次

 

ゾンビ映画の金字塔

 

死者がムクムクよみがえり、生者をむさぼり食らうようになった世紀末。
世の中を代表してテレビ局が、悪夢の事態にたまげてアタフタしていた。
ひらたく言えばパニックですよね。

そういや昔、テレビかなんかで見た時に、確か死者がよみがえるハメになった原因の説明があったような気がしたけど、今回見たバージョンにはそんなモンなかったなぁ。
どうやらあれは日本で放送する際の、特別サービス(大きなお世話とも言う)だった模様です。それか、私の幻覚だったか・・・。
まぁ、浮いてたよね・・・。惑星からの特殊光線なんちゅう、全てを台無しにする蛇足など、ロメロさんが進んでつけたとは思えないもん。

つ~か、もし理由や、原因が必要なら、ロメロ監督自身がいずれそれで1本映画を撮る!!って言い出すんとちゃうんかなぁ~~。
そして、それなら、クオリティがどうであれ、必ず見せていただきたいデス。

 

ともかく、この映画と、それを見る私たちにとって重要なのは、ゾンビにとって生きた人間はエサなのであり、ゾンビと化した死人は、もう家族でも友人でもないのだ、ということと、ゾンビ化はウィルスみたいなヤツの感染(たぶん血液感染)によって起こる、ということ。

ゾンビと化したミゲールは、「ゾンビと化しても夫」と、生前の情を信じる妻のノド笛を、何のためらいもなく食いちぎる。
その生者と死者の温度差は、目撃者に恐怖を自覚させていき、やりきれなさのこもった弾丸を撃たせる。

そんな修羅場の中で知り合い、連帯感を分かち合ったSWAT部隊のロジャーとピーターは、テレビ局員のスティーブンと、その恋人フランとともに、ヘリで街を脱出する。

 

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空から見下ろす死者の行進は果てしなく、どこへ行こうと、状況はなにも好転しないであろうことを感じながらも、一行は巨大ショッピングセンターにたどりつき、仮の居場所を構築していく。
ショッピングセンターは、武器も食料も音楽も、エスカレーターとしても使える(オイ)滑り台もあるというパラダイス。
ゾンビをぼちぼち退治さえすれば、この上なくヒャッホーでキャッハーな安全地帯なのでした。

しかし、もちろんわずかな油断は即座に、命取りとなってかえってきます。
この映画では、背後への気配りが欠ける、というよりも、カっとして冷静な判断力を失うことが「油断」として描かれています。
彼らは、本能的な、所有することへのこだわりや、理性のすきまからふと顔を出した独占欲から、結果的に命を落とす。おろかだけど、そのおろかさが、生きた人間の証拠なんだなぁ~、とやるせない。
物欲は、絶望の中の、慰めでもあったわけだからなぁ。

と、いうことで、全体的にこの、「ショッピングセンターへの立てこもり」の発想がすごいなぁ、と思う。
ロメロが描きたかったメッセージや、当事者たちの複雑な心境の、きめこまやかな表現が、この舞台だからこそ可能になってた感じ。

 

ゾンビのロジャー


今更言うまでもないんだけど、私はこれを、傑作中の傑作映画だと信じているので、いつもならツッコムところ……たとえばフランやピーターの目と目の距離感や、ロジャーの毛根の真相など、今回はぜんぜんどうでもいいもんね。

 

いやホントホント、たとえ乱れた時の髪形がどうであれ、アタイは、「男は生え際じゃない!!」と強く悟った上でロジャーの嫁になりたいとまで思っていたので、毛布がムクっとするあのシーンでは、本当にせつなくてしょうがなかったよ!!


そしてラストではピーターが、私をはじめ、ロメロゾンビファン一同の、永遠のヒーローになりました。
このあとピーター役のケン・フォリーが、どんな変貌を遂げようと(デビルズ・リジェクトとか)、どんなヒドイ映画に出ようとも(ゾーン・オブ・ザ・デッドとか)、アタイは変わらぬ愛を誓っております。
どうぞ遠慮なくたたえてくれたまえ、「ミーハーの鏡(パチパチパチ!)」と!

あ、あと、特殊メイク界のカリスマ、出たがりトム・サヴィーニが浅ましい乱入者を好演してます。
メイクといえば、最近の、「スゴいCG」とか、「飛び出してくるような迫力」に慣れた目には、この時点のゾンビメイクは、まだ発展途上なんだけど、アタイは誰に気の毒がられよ~が、この映画の青白いゾンビが好きと言ったら好き!!なので、またボチボチ、アイコンなんかも増やしていこかなぁ、と思ってます。
イマドキって、GIFアイコンの需要なんてあんのかな?まぁ自己満足じゃよ、うひひ。
ナニゲに各ポイントで、存在感を放ってる看護婦さんゾンビとか、ノーマルだった人生から、ゾンビ愛に目覚める原点じゃん?

というわけで、ひさびさに見たけど、やっぱし名作。これがあるから、ゾンビ映画の今がある。ウン。

 

2010年8月

 

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「ゾンビ」データ

Zombie/Dawn of the Dead(1978年)

 

関連してるやつ

seicolin.hatenablog.com

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監督

  • ジョージ・A・ロメロ

出演

  • デビッド・エンゲ (スティーブン・アンドリュース)
  • ケン・フォリー (ピーター・ワシントン)
  • スコット・H・ライニガー (ロジャー・デマルコ)
  • ゲイラン・ロス (フランシーン・パーカー)
  • デビッド・クロフォード (フォスター医師)
  • デビッド・アーリー (バーマン)
  • リチャード・フランス (科学者)
  • ロッド・ストファー (ロイ(SWAT隊員))
  • ジョン・パフィシコ (ウーリー(SWAT隊員))
  • ジョージ・A・ロメロ (テレビのディレクター)
  • ハワード・K・スミス (テレビのコメンテーター)
  • クリスティーン・フォレスト (テレビのプロデューサー)
  • トム・サヴィーニ ( 暴走族のメンバー/トラックに轢かれるゾンビ)
  • ジョセフ・ピラトー (埠頭の偽警官)
  • レナード・ライズ (ナタで頭を割られるゾンビ)
  • ジョン・ハリソン (スクリュードライバーゾンビ)

▼萌えゾンビのランキングみたいなのあったので貼っとく!


Dawn of the Dead Top 20 Zombies

 ▼なんかちょっと欲しい。貼っとく。

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