妖猫伝 / 陳 凱歌
目次
圧倒的極上ファンタジー
この映画ねぇぇ・・・去年のベスト10にも入れたんですけど、やっぱどうしても好きなので、プライムで見られるとなるとまた見ちゃうし、せめてごく簡単にでも、何かメモっとこうと思います。
概要を申しますと、名探偵空海と相棒の白楽天が可愛い黒ネコチャン(主食は目玉)の協力のもと、楊貴妃の死の真相に迫るお話です。
なんてったって画面からバンバン攻撃してくるチェン・カイコー監督のこだわりがまぶしすぎます。
そのうえ萌えが満載だから・・・・満載だからね・・・・。
ぶっちゃけアタイ、聖地めぐり、もとへ、88箇所お遍路チャレンジ(あくまでもチャレンジ)する程度には空海さんのファンなわけです。
さらに、白楽天と言ったらあの「長恨歌」の白居易のことなんですよ。
つまり、この二人のタッグはアタイにとって、ホームズとワトソンに匹敵する!!
もちろん「萌え!」という方向です。
探偵としての能力を、問うているわけではございません。
ちなみに「長恨歌」っていうのはホラ、「漢皇 色を重んじて傾国を思う」ってあれ!やたらと長いあのあれよ!
映画の中で空海が白楽天にむかって言う「君は李白を越えた!」ってセリフね。
楊貴妃のことをうたっているこの詩が、物語にずっと寄り添っていたことを思えば、胸に迫るものがあるばかりか、胸アツ物質がグツグツ沸騰するってもんであります。
パーティーのシーンにはその李白もいて、皇帝から詩をせがまれてゴネつつも高力士の背中に筆を走らせるんです。
「雲には衣装を想い 花には容を想う」というあれを。
そして、酒の池にチャポンする!!
ねぇ!いやすごいってすごいって!!アタイの映画史に残る名シーンじゃないです?
なのにそれからわずか後、楊貴妃は死を迫られるんです。
まぁ、楊貴妃の死の原因である安禄山の乱が、日本人にとっては馴染みが薄かったりするがため、いきなり「楊国忠の首」とかポーンと見せられても「誰?」ってなるのは否めません。
そこらへんはきっと、チェン・カイコーさん的に、そんなの当然みんな知ってるよな?ってのが前提なんだと思います。
たぶん、多くの日本人がそれで「ハァァ?」ってなってるはずなんですが・・・。
でもこれをきっかけに、漢詩を読んだり歴史をひもとくのもまた楽しいと思います。
アタイは枝松茂夫氏の「中国名詩選」を本棚の後ろのほうから引っ張り出してしまいました。
つーか、歴史や文化の背景を抜きにしても、ミーハー殺しのエンタメとして楽しい楽しい映画です。
圧倒的な美に打ち震えるもよし、火野正平登場シーンでンブフフっとなるも良し、白龍の思いのたけに胸かきむしるもよし、丹龍の地味なストーカーぶりに涙するも良し、白龍丹龍ペアのフェザー力に心くすぐられるのもまた良し、ネコチャン!ネコチャン!!ってなるもさらに良しなんだと思います。
もちろん、細かい瑕疵は気にせずとも良し。
アタイは、アタイは、昔と今(つーても唐代)が幻術によってシンクロするシーンとか、鳥肌がたつほど好き!
そして、さいごの絵・・・アニメですよね!!
アタイは何度見てもあれで泣く!!
とは言え白綾を織ったせいで殺されちゃったおばあちゃんは気の毒でしたよね。
だって楊貴妃、白綾で死んでないじゃん・・・。
いくらなんでも八つ当たりすぎるよ、ネコチャン・・・・。
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この映画は我が地方での公開当時吹き替え版しかなかったのですが、今はインターナショナル版(字幕版)があるようです。
目で文字を確認することにより、人物の名前や状況の整理がつきやすいので、やっぱ字幕版がいいよね~。
『空海−KU-KAI− 美しき王妃の謎』DATA
- 妖猫伝 Legend of the Demon Cat(中国・日本)
監督
- チェン・カイコー
原作
- 夢枕獏
キャスト
- 染谷将太(空海)
- ホアン・シュアン(白楽天)
- 阿部寛(安倍仲麻呂)
- チャン・ロンロン(楊貴妃)
- 松坂慶子(白玲)
- チャン・ルーイー(玄宗皇帝)
- ティアン・ユー(高力士)
- チン・ハオ(陳雲樵)
- キティ・チャン(春琴)
- チャン・ティエンアイ(玉蓮)
- オウ・ハオ(丹龍)
- リウ・ハオラン(白龍)
- シャー・ナン(麗香)
- リウ・ペイチー(黄鶴)
- ワン・デイ(安禄山)
- チェン・タイシェン(瓜翁/恵果)
- 火野正平(空海師父)