ミーハーdeCINEMA

ミーハーが映画やドラマを見てはあれこれとつぶやいてます。

『映画』少林サッカー(2001)

少林足球/チャウ・シンチー、リー・リクチー

少林サッカー [Blu-ray]

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  • チャウ・シンチー
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目次

 

次回、少林ボーリングを待つ!

 

やっぱりチャウ・シンチーは天才なんですよね・・・。
この、スミからスミまで、ポカーンとするほどのくだらなさね。
こんなの、普通の大人だったらぜったい恥ずかしくて作れませんよね。
だからこそ、あえてしでかしてくれた豪気に、敬礼。

なんてったって、少林拳でサッカーっすよ!!!

本編べつに見なくても、妄想だけで3日は笑いが止まりません。
なのにそんだけで終わらせず、一発芸ネタにありとあらゆるトッピングを施して、コッテリネッコリ、糸まで引かせた極厚なのを大スクリーンで見せてくれたのです。

ハッキリ言って、こんな大バカ映画に惜しげもなく札びらを切る、香港映画のおおらかさが好きすぎる。

 

なにはさておき、今どき小学生でも恥ずかしい、バナナネタを持って来るあたりの、あきれたセンスが素晴らしい。
ぶっちゃけ、精神年齢が低ければ低いほど楽しいタイプの映画だと思う。
天然でオツム小学生なみの、私のための映画でした。

 

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ただ、映画の前半、 饅頭屋の調理台にあの茶色く匂い立つむっさい靴がどん!と置かれた時はさすがに、巷で賛否両論の暴力シーンよりはるかに身の毛もよだつ思いをしました。
実際、身の毛がよだつネタはいっぱいあって、なかでも生タマゴネタなんかを食らった日にゃー、思わずムンクの叫びみたいなスッパイ顔になってしまう!!!

アタイは、アタイは、生卵が無理!!ぶっちゃけ、半熟卵ですら、無理!!!

 

一方、だんとつに楽しいのはやはしサッカーシーンかな!!
登場人物はどいつもこいつも、臭い!!バッチイ!!!10M以内には近づくな!!みたいな納豆のごときやつらばっかりなんですけど、背中に炎エフェクトをしょい、ネバネバの糸ひきながら戦う姿をみてるうちに、やがてカッコよく見えてくる……なんてマジックが金輪際ないという、徹底したむさくるしさ!!

何事も、中途半端よりとことんだ!!と思うので、限りなく暑苦しくどこまでもババッチク、ドロドロに濃ゆーくネバる男たちに、これぞヒーローと言い張られても抵抗できない。

 

欲を言えば、敵チームがサイボーグもどきなんて言う、ありがち月並みな設定だけがちと惜しい。
たとえばリンチェイの11人チームだったりしたら、ぜったいもっと凄かったのに!
リンチェイも125人もいたら(ザ・ワン)さすがにウソだけど、11人ぐらいなら無理なく納得できますもん。

いやー、本当に面白かった。つうか好き。
あとは、DVDが出る時に、 少林ボーリングを付録につけてもらったら、アタイは迷わず成仏できます。

 

(2002年6月)

 

少林サッカー ― オリジナル・サウンドトラック (CCCD)

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「少林サッカー」データ

少林足球  2001年 香港

監督

  • チャウ・シンチー
  • リー・リクチー

出演

  • 鋼鉄の脚:チャウ・シンチー
  • 鉄の頭:ウォン・ヤッフェイ
  • 旋風脚:モー・メイリン
  • 鎧の肌:テイン・カイマン
  • 魔の手:チェン・グォクン
  • 水渡り(軽功):リン・ツーソォン
  • ムイ:ヴィッキー・チャオ
  • 少林チーム監督ファン:ン・マンタ
  • 少年ファン:ブー・イエドン

『映画』スタンダール・シンドローム(1996)

STENDHAL SYNDROME/ダリオ・アルジェント 

スタンダール・シンドローム <HDニューマスター版> [Blu-ray]

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目次

  

ミーハーは当然クレッチマン萌え!

この映画を一行に凝縮しますと、めくるめくダリオ・アルジェントの変態オヤヂワールド、みたいな感じになるかと思います。
なんか親子で、すったもんだやってる映画でした。

アタイとしては、とりあえず眠い。もしかして過労だっけ?気を失う!!寝てしまう!!!
さらに体質によっては、連続アクビの副作用で、アゴのホネのバネが伸びきったりして、医学的にも美容的にも、アカンやつだと思われます。

 

あらすじとか感想とか

おおまかなお話は、アーシア・アルジェント扮する警部補が、名画を前に恍惚となり、バタンと卒倒、異常な現実とその感受性が交錯し、脳内に不思議な現象を引き起こす、というもの。

そのような現象を俗にスタンダール・シンドロームと呼ぶらしい。

アタイのようなオバカには、さっぱりわかんないのでございまするけど、ダリオが言うからにはそうなのだろう・・。

つーか、ダリオ監督、 アーシア(娘)をいじめるの、もうやめたんじゃなかったんすか?! ……ってところが、ストーリーよりもはるかに気にかかりましたよね。

まぁ、私はそこはスルーできます。ヨソサマが親子で何やってようと。
ただし。

問題なのはココですヨ、ココ!!→「アーシア・アルジェント扮する警部補」
なにぃぃぃ????

だってアーシアが警部補って警部補って!!!
しかも有能な警部補だっつーんだけど、冗談?それ冗談なの?

つーか夢?これは夢?あっそうだっけ、夢だ夢。ってぐらいのありえなさ。
ダニー・トレホの女装がヴォーグの表紙になるぐらいの、それはなさ。

けど、アタイの動揺を置き去りに、アーシアが警官。アルジェントもアーシアも、結構本気らしいのです。

困るよね!しょっぱな、そんな異物を仕込まれたら、その後どんなわけわからん世界が展開しようと、「あ~~~。」ぐらいしか思えなくなるじゃん。 

関係ないけど、アーシアの鼻は、モアイの鼻に似ている……(賛辞)。そして再び私のココロはイースター島へと……じゃない、夢の国へと……。

ともあれ、何度も寝ながら見たにも関わらず、戦い終わって思うには、もしや傑作だったかも。

たぶん、そのありえなさが充満している中で、アルジェントさんが表現したかった何かを漠然とキャッチできたような気になった時、何かふっと腑に落ちる感触が得られるというか。
あと私は、イマイチキッパリしないオチと、オチに導くシチュエーションが、なんか好みなんだと思います。
もしやもしかしてもしかした時、ある程度、感情移入ができさえすれば、くせになったりするのでは?

 

残された問題といえば、アーシアの髪型の変化のことぐらいかな……。
他の監督作品なら、どういう効果を狙ったのかは察しがつくけど、ダリちゃんの真意だけは凡人には即座にわかんない……。
それに、アルジェント自身の髪型を思い浮かべてみてください。もしあれ(薄いってことじゃないよ!)を自虐的にやってるとしたら、かなり捨て身の確信犯すよ。でも、逆にあれをいいと思ってやってる可能性もあることを思えば、アルジェントのセンスを全面的に信用するナドという危ない橋は渡れないしね……。

ってわけで、アーシアの髪型についても、本当のところは何を狙っていたのか、いまはまだ、「こうだ!(キッパリ!)」と確信を持つことができません。
たぶん、もう1度ぐらい見ないと、私の頭で処理しきれないとわかっているが、「もう1回見ようという気になる」チャンスがなかなか巡ってこないのです。

 

ただひとつ、アーシアを悩ませるレイプ犯を、い~い男のトーマス・クレッチマンが演じているのはジツによかった。クレッチマンといえば「戦場のピアニスト」でドイツ将校役が、とても印象的だった人なんだけど、この殺人鬼もすてきで~す。脱ぐしね。エヘ。<やっぱしそれかぃ!

 

2004年4月

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「スタンダール・シンドローム」データ

STENDHAL SYNDROME 1996年 イタリア

監督

  • ダリオ・アルジェント

出演

死霊のえじき

Day of the Dead(1985)ジョージ・A・ロメロ

死霊のえじき

みんな大好き、ローズ大尉!

 

「死霊のえじき」なんちゅうご愛嬌な邦題のせいで、死霊のしたたりだの死霊のはらわただのとうじゃうじゃわいて出た死霊たちの中で、まぎらわしいことこの上ないんですけど、これは、ロメロ御大による、ゾンビサーガなのです。


原題はDAY OF THE DEADなので、これまでNIGHT OF THE LIVING DEADにはじまって、DAWN OF THE DEADと続けてきたロメロさんの意図を、アタイなりに気を利かせて、汲ませていただかねばならぬのです。

ロメロ監督のゾンビシリーズ、もちろん全て、単体映画として見てもイイのですよね。けど、そこは、やっぱし順番通りに見ることで、面白さが掛け算になる感じ!スターウォーズだって、そうだよね!

だからといって、シリーズすべてが名作!と言い切れるモンではありませぬ。
ひとつひとつの作品に、当然調子の良し悪しはある模様です。

ということで、結論から言うと、前作の「ゾンビ」は名作でした。でもってコレは迷作かもです。
どのみち両方めいさくなので、ロメロさんはやっぱし、偉くてスゴくてハラショーなお方!!と満場一致でウットリしましょう。 

 

あらすじ

 

かの「ゾンビ」からいくとせか。世界はいまや、ゾンビだらけ。人間は限りなく全滅に近い状態であった……。
地下では、生き残りの数名が、誰が偉いかを争ったり、マッドな研究に没頭したり、マイペースで楽園を作ってみたり、精神を病んだりしていました。なのでなるようになりました。おわり。はい、あらすじはおわり。

 

感想

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いや、だからね、この3行の中身が濃ゆいんですってば。ふつうの3行がサバの味噌煮なら、この3行は、クジラの姿寿司ってぐらい。
……。
……。
……ワタシ、言い過ぎてますよね。

いや、たぶん、ロメロさんの脳内では、はちきれんばかりにデッカイスケールの話なんだと思うんですけど、なんせ肝心の人類がホレ、ほぼ壊滅しちゃってるので、主要登場人物は数人なのです。

ゆえに、舞台は穴ぐらヒトツでこと足りました。
ただ、そこで繰り広がる人間模様は、インデペンデンスディ程度なら、軽く追い越しちゃっていると思う。これはホンキ。

 

まず、とても恋人同士とは思えないほど一触即発な、サラとミゲル。
サラは強くて勇ましく、一見ピーター(byゾンビ)みたいなヒーロー的ですけど、はるかに独善的でナマイキな、オレ様ヒロイン科学者でした。
ローズ大尉の神経をわざわざ逆さに撫でたりしつつ、みんな協力するべきよ、とかどの口で言うとんじゃい。

あっ、でも、ゾンビにかじられた最愛のミゲルの腕を、ためらいもなくぶった切ったのは男前だった。ミゲルのせいで軍人が、ヒトリ死んだことよりずっと、サラにとっては緊急事態!もちろん、麻酔なんかしてる余裕はないんだけど、ちゃんと失神させてから、と良心的。

 

ゾンビに噛まれた恋人を、一瞬で失神させる方法?そりゃーアータ、石で2回ほど後頭部をぶん殴ればいいのです。
さすが科学者、行動が合理的。
ちなみに、最後にヘリに向かって走ってるときは、楽園に置きっぱなしにしてきたミゲルのことなど、きれいさっぱりアタマにないのは間違いナシ。ああ、愛って、愛って?

 

一方、兵器ミゲルは、究極の逆切れダダッコで、やることなすこと北朝鮮なみのハタ迷惑さ。
最終的に世をはかなむ時の破壊力がすごい。
祈ってるからって、アタイは絶対だまされないぞ!!殊勝に神様に祈りながら、いったい何やっとんじゃゴルァ!!!!!!!!

人生、ここぞと苦しいときも、このシーンさえ思い出せば、少なくともミゲルと赤の他人でよかった、と胸をなでおろせると思います。

 

そして、いつも白衣は血みどろという、自覚のないマッドサイエンティスト、フランケン博士。食事の時もゾンビや死体の肉が飛び散った血みどろ白衣を着ているのに、一切衰えてなさそーな食欲が尊敬に値する。
このシトは好きな研究に没頭しているので、いつもお目目キラキラで機嫌がよくてかわいいのだ~~。
この時は夢中でゾンビを長生き(?)させる研究をしていて、バブと名づけたゾンビに、ベートーベンを聞かせたりして可愛がっているのです。
もちろん科学者なので、倫理などという不合理なことは、キッパリと頭にありえません。
博士にしてみれば純粋なリサイクル精神で、死人の肉をゾンビに与えていたりするんだけど、その肉が、埋葬したはずの、軍人の肉だったのがバレちゃってマズかった。
埋葬したとばかり思っていた部下の肉を、ゾンビなんかに与えやがって!とばかりにローズ大尉の逆鱗にふれ、銃弾に倒れるハメになるのです。

アーメン。

 

博士の寵愛を受けたゾンビのバブは、博士のことを「ランチ」と思ってない史上初のゾンビでしたん。
赤ん坊のような、無垢なしぐさはゾンビミーハーの心をとりこにし、ゾンビ界のヨンさま!みたく、アイドル状態となりました。ぶっちゃけ、アカデミー賞を取ってないのが信じられん!もし歌って踊っていたら、グラミー賞ぐらいは狙えたであろう。
私もフィギュアが欲しくなり、アフィリがてら検索しても、フィギアはぜーんぶ売り切れという人気者。
近年、ゾンビと少年のハートウォーミング映画、「ゾンビーノ」ちゅーのが出てきたけど、あの発想の、「ルーツはバブ」で間違いないよね!

 

あと、忘れちゃいけないメインキャラ、ローズ大尉に敬礼!関係ないけど、ユアン・マクレガー似。

彼は、いろんな意味で強烈なキャラには違いないんですが、極端に気が短く、お山の大将気質で、科学の究明に寛大な理解がないという、人としてはぜんぜんありがちな凡人だと思うのに、まるで極悪人扱い。
つーか、言ってること自体は、まだ会議が終わってないから席を立つな!とか、部下を危険な目に合わせてるんだから、もっと早く研究の成果を出せ!!とか、おれの部下をゾンビに食わせんな!とか、結構まっとうな感じです。
ヘンにヒューマンぶりっこもしないし、最終的に部下を置き去りにしてひとりスタコラ逃げようとするものの、あまりにもハイテンションな死に様を見せてくれる散り際の雄姿は、忘れようにも忘れられないアッパレさ。
もし監督が井口昇あたりだったら、絶対MVP扱いだろうに!

 

そんな、キャラの濃さと並んで、血糊職人トム・サビーニの、必要以上にパワーアップしたお仕事ぶりが、画面から臭いがハミ出すほどに、何かを主張しています。
ぐっちょりぬっちゃりべっとりでどろどろどろ~~んなハラワタメイク(一部ホンモノもあったらしいが)もさることながら、エキストラゾンビに、いちいちバラエティーがあるのが、もうたまらん。
花嫁ゾンビに、ピエロゾンビもいたりして、画面の隅から隅までまんべんないサービス精神をありがとう!!

 

サテサテ、最後には、現実か夢オチかただの願望かわからない、各自が好きに解釈できる、あいまいなエピローグが余韻を持たせてくれまする。
前作のラストの記憶とオーバーラップして、それまでのハタメイワクなまでのサービス過剰なスプラッタ描写からムードも一変、いいラストやな~、と思いました。
予算の事情で、構想から規模が縮小されたと言われてますけど、この映画で予算の足りなかったぶんのエピソードが、次の、「ランド・オブ・ザ・デッド」に持ち越された模様なのです。
それを聞いたからには、1度見れば充分、と思ってたランドも、もう1度見直さなければ……。

 

2010年8月

 

死霊のえじき [Blu-ray]

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↓関係ないけどこれ欲しい。 

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「死霊のえじき」データ

Day of the Dead (1985年)

監督

  • ジョージ・A・ロメロ

出演

  • ロリ・カーディル (科学者、サラ)
  • テリー・アレクサンダー (ヘリコプター操縦士、ジョン)
  • ジョセフ・ピラトー (ローズ大尉)
  • リチャード・リバティー (ローガン博士)
  • アントン・ディレオ (サラのダメ彼、ミゲル)
  • ジャーラス・コンロイ (無線技師、ビル・マクダーモット)
  • ゲイリー・ハワード・クラー (スティール)
  • タソ・N・スタブラキス (トレズ二等兵)
  • ハワード・シャーマン (ゾンビ、バブ)
  • ジョン・アンプラス (フィッシャー)
  • グレゴリー・ニコテロ (ジョンソン)
  • ジョージ・A・ロメロ (スカーフをたらしたゾンビ・クレジットなし)

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『映画』スパン(2002)

SPUN/ジョナス・アカーランド

映画スパン

目次

豪華絢爛キャストを指差すだけでも楽しい!

 

この映画を、ひとことで説明するなら、「ヤクを巡ってソワソワしている人たちの青春群像劇」って感じです。

登場人物みんなまとめてラリってることだし、誰もが想像する通りのアレな展開。
バラエティ豊かなダメ人間たちの右往左往が、おかしくもヤバイ、ヤバすぎる。

まぁ、生理的な好みで単純に好き嫌いが別れると思うので、何を言っても蛇足になるけど、これはやっぱ、曲者キャストのお祭り騒ぎに、ノリノリ参加したモン勝ちじゃない?

こんなところにアノヒトが(笑)!とか、あれあの人がこんなことを(笑)!!って点においては、間違い探しにも通じたおかしさがあったしな。

 

 

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監督のジョナス・アカーランドさんは、PV世界の人らしく、その方面に対してとても、顔が広い模様です。
なんせ、集まったキャストが、目もくらむほどに豪華絢爛!!

 

コッポラ一族次世代の担い手、ジェイソン・シュワルツマンのボーっとした味、ミーナ・スヴァーリのトンガり加減、飄々とダメダメなミッキー・ローク、テンパりっぷりが地を思わせるジョン・レグイザモ、キレっぷりにも貫禄のにじみ出るデボラ・ハリー、おピンクがムンムン匂い立つブリタニー・マーフィー……。

 

ビリー・コーガンロブ・ハルフォードみたいなスッゴイ人が、どうでもいいようなその他おおぜいの役で、いちいちオーバーアクションなカメオ出してるのも見逃せないから一大事。
映画を見てるというよりも、おもちゃの入ったゴミ箱の中を覗いてるみたいな感覚で、アタイ、合法トリップできちゃったかも。

 

確信犯的、ダサ面白い映像処理にも、いちいちアレルゲンが仕込まれているので、運が悪ければ「面白かった」とか言い出す疾患を発病しそう!

アタイはたぶん、発病したので、もし、オールタイムベストが500本選べるとしたら、後ろから4~5番目あたりに、そっとまぎれこませてしまうかもしれない。

 

(2005年1月)

 

映画スパン

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「スパン」データ

SPUN 2002年 アメリカ,スウェーデン

 

SPUN/スパン [DVD]

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監督

  • ジョナス・アカーランド

出演

  • ジェイソン・シュワルツマン(ロス)
  • ミッキー・ローク(コック)
  • ブリタニー・マーフィ(ニッキー)
  • ミーナ・スヴァーリ(クッキー)
  • ジョン・レグイザモ(スパイダー・マイク)
  • パトリック・フュジット(フリスビー)
  • ピーター・ストーメア
  • アレクシス・アークエット
  • デボラ・ハリー
  • エリック・ロバーツ
  • ビリー・コーガン
  • ウィル・デ・ロス・サントス
  • クレイトン・ヴェロ

▼これも、ジョナス・アカーランド映画。好きな人は多分好きw

 

seicolin.hatenablog.com

『映画』ジャーロ(2009)

Giallo/ダリオ・アルジェント

映画ジャーロ

目次

 

あのダリオ・アルジェントが、コメディ映画に進出?

 

いやはや、まず「これは一体?」と途方に暮れたよ。
ダリオさんには、アタイの喜怒哀楽がバターになるほど、かなり振り回してもらいました。
うん、違った意味で。

 

感想とか

 

んと、日本人の女の子が拉致されるまでの冒頭のシーンは、ちょっと劣化サスペリア?みたいなムードが良くて、「わーい!ひさびさアルジェントのジャーロが見られる!」と満面の笑みで誤解しました。

なのでしばらくは平和に満ちた微笑をたたえ、お約束のツッコミなど機嫌よく発していたんだけど、なぜかだんだん空気が冷えてく・・・。

大体、アルジェントジャーロの主役が熟女でいいわけがない!
たとえ、熟女がエマニュエル・セニエでもだよ!

 

そしてとうとう、「こ、これは、これまでに刷り込まれてきた、アルジェント映画の流れじゃない!!」と、青ざめるに至りました。

話が全くあんまし面白くナイ!!とか、意味深なだけで終わった二役勿体無いぞ!とか、出しっぱなしで伏線にすらしないキーワード(黄色)もっとなんとかならんのか!
・・・とか以前に、鮮血がまるでアートになってないじゃんか!
ありえませんよね、もしダリちゃんが正気なら。 

 

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ただ、正気のダリオはタイホレベルの超変態だったから、今回は逆に、更正して真人間に変身したってことになるのか?
・・・というとそういう感じなワケでもナイ・・・。

いわば、右にねじれて左にねじれて、ねじれてねじれてこじれすぎて、なんだかヨレヨレのまっすぐ風になっちゃったのかな、みたいな感じ。


ホラ、あれよ。直しても直しても、ハリを失っていくばかりで、どんどんしょんぼりになっていく、電話のぐるぐるコードを思い浮かべてみておくれ。んむ。あれな感じ。
(電話のコードレス化が進んだ現代、この例えが通じるのだろうか・・・)

あ~ぁ、せめて音楽がシモネッティだったらなぁ~。

 

とゆうことで、魂が抜けたんだかヤケなんだかアルツなんだか加圧なんだか減圧なんだか、なにかよっぽど深いわけがあったかは知る由がないケド、今回のダリちゃんは、脂肪分大幅カットの霜降り肉みたいになってました。(霜降りちゃうやろ!)

でもって、アタイがどんなに頑張っても、名優と名監督夫人がなぜか、大根役者にしか見えないという残念感・・・。

 

でもなんだろう?
実は、そんなありがちな不平不満を言いたいわけじゃないんです。もともと、アルジェント映画は、文句とツッコミ込み込みな存在。
だけど、そんな良心的にスルーできないほど、この映画には、とんでもない違和感が仕込まれてましたよね?
まぁ特殊メイクだからね、とかばい切れない、異物が入ってましたよね?

 

つーか、犯人、なんかのコスプレ?
つーかむしろ、着ぐるみ?
いや、あれ、あれ、あれよ!くまモンとかせんとくんとかにしこくんとかふなっしーとか!!
ぶっちゃけ、ゆ、ゆ、ゆるキャラじゃん!!

 

それってたぶん、エイドリアン・ブロディ(アタイったら実名を!!)的には、とりかえしのつかないキャリアなんと違います?
アタイがもしエイドリアンなら、3年ぐらい、お布団から出たくないレベル。

そうは言っても、床ずれができるまえに床上げをせねばならぬゆえ、人々の記憶が手薄になったころをみはからって、二度とはちまきは装着しない、パーカも着ない、と固く心に誓ってから、普通のサラリーマンとして、ものすごくひっそり出直すよ。

ふう。
怒ってみようと思ったけど、やっぱ笑いがとまらんわ・・・。

 

2013年1月

 

ジャーロ [DVD]

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「ジャーロ」データ

Giallo(2009)アメリカ/イタリア

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監督

  • ダリオ・アルジェント

出演

  • エイドリアン・ブロディ
  • エマニュエル・セニエ
  • エルサ・パタキ
  • シルヴィア・スプロス
  • ロバート・ミアノ
  • ルイス・モルテーニ
  • ブライオン・デイドラ

死霊のはらわたIII キャプテンスーパーマーケット

ARMY OF DARKNESS(1993)サム・ライミ

死霊のはらわた3キャプテンスーパーマーケット

アッシュのくせに!!

 って、あああー。ついに「チキンなどつまみながら、家族で見られるような映画」になっちゃったの?
サム・ライミがどんな心境でこれを撮ったかと思いはせると、妙に遠い目になってまう!

でもまぁさすがにここまで吹っ切れてると、アホも死霊のみなさんも、アッシュもアタイもひとまとめに、えらいこっちゃの阿波踊り状態。
画面のこっちでいろいろ思うことが山盛りあろうと、最終的には温かく大笑いして、同じアホなら踊らにゃソンかも?とか思わされたわけヨ・・・。

 

ⅠとⅡの純粋な続きでありながら、ジャンルがまったく別ものとゆーか、まあすっかりファンタジーギャグ映画。そりゃまあホラーファンは心が広いから、手持ちの免疫で大丈夫。

ただし、もしホラーファンでもない普通の人が、桟敷席にて、折り目正しく鑑賞などなどしちゃったバヤイは「3本分、まとめて金も時間も青春も返せ!」などと暴れてもヨシ、と許可できます。

逆に、酒でも飲みつつ緩み切った状態で鑑賞すれば、オマージュネタはありまくりだし、サム・ライミの、オタクならではの小さなこだわりもいろんなツボをめがけて飛んでくるので、ついうっかりまともに食らって、ぴったりはまったりしよーもんなら、珠玉の一品にもなりかねないよね。ああおそろしい。

 

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ともかく時は大昔。・・・の、ちょっと手前!!いわゆる中世!
この時代の「死霊」のスタンスは、ま、原始時代の恐竜みたいなモン。

お話はといえば、前作の由緒正しい続きでした。
なんとアッシュはあのままぐるぐるスッポーンと、過去にタイムスリップしちゃったのだ!!

どうでもいいけどアッシュの思い出の中の彼女(リンダ)が、なぜか ブリジット・フォンダ だった!!!
ってコラ!いくら死んだ人の思い出だからって、勝手に人の顔まで美化してんじゃねぇ!!
つうか、自分でバラしておきながら、何美しい思い出にしちゃってんの?ってハナシ?

その割に中世に着くや否や、早速新しい恋愛なんかしてるし。
しかも今度のお相手が、エンベス・ディビッツときてるからなお許せない(笑)!!ゴ、ゴ、ゴルァァ!!ア、ア、アッシュのくせに!

 

やっぱ、アッシュには、キンキン笑う白目の故リンダ(ベッツィ・ベイカー)でこそよく似合うのであって、このようなホンモノの、由緒正しい美女を出されちゃ、どう反応していいか困りますってば。
つーか、同じエビル化しちゃった恋人でありながら、リンダとシーラの扱いに差がありすぎなのは一体どーゆうえこひいきなんだよっっ!

おまけに、もの凄いいいかげんな成り行き上、なんか兵を率いて戦ってたりしちゃって!!
とか、小一時間ほど、苦情が頭を駆け巡る。
けど、アホっぷりだけは余裕を持って健在なので、大筋なんの心配も必要なかった!
ゆっくり、大船に乗ったキモチで揺られながら、思い残すことないほど一生ぶんの、船酔いを経験できたかな、とでも思えば。

 

だからといって、ブルース・キャンベルの顔は、くれぐれも3話ぶっ通して見てイイもんじゃありません。せめて2時間に一度は、必ず遠くの緑を見、甘い物でも食ってリフレッシュ。換気も忘れず。
あの顔がマブタの裏に焼き付いてからでは、一生取り返しがつかないもんね。

 

ちなみに、これだけなら幼稚園児も見れるだろうけど、やはりⅠとⅡを観た後でこそ、面白さを取りこぼしなく回収できると思います。

 

2004.3月

 

死霊のはらわたIII キャプテン・スーパーマーケット [DVD]

死霊のはらわたIII キャプテン・スーパーマーケット [DVD]

 

 

「死霊のはらわたIII キャプテンスーパーマーケット」データ

ARMY OF DARKNESS 1993年 アメリカ

監督

  • サム・ライミ

出演

  • ブルース・キャンベル(アッシュ)
  • エンベス・デイビッツ(シーラ)
  • マーカス・ギルバート(アーサー王)
  • イアン・アガークロンビー(賢者)
  • リチャード・グローヴ(ヘンリー)
  • ブリジット・フォンダ(リンダ)
  • パトリシア・トールマン(魔女)
  • テッド・ライミ

▼関連してるやつ 

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『映画』死霊のはらわたⅡ(1987)

EVIL DEAD 2/サム・ライミ

死霊のはらわた2

目次

 

アッシュさん、濃すぎ(笑)

 

前作で、誰もが「もしや?」とうすうす……つーか、かなり濃い目に抱いていた疑い。
ついにⅡで、白日のもとにさらされました!
ほ~らやっぱり!!アッシュは、空前の頭カラッポ男であった~!!
ああすっきり。

さしあたって男前要員を装っていた前作と違って、今回は、ごく早々に「アホ」をカミングアウトした故に、アッシュの顔面の過剰な動きものびのびと、思う存分解禁!

あらすじと感想

 

お話はといえばもぅ序盤からとばすわとばすわバリバリ全開。
アッシュがピアノをひき、リンダが踊る。くるくる踊る。
なぜ踊る?かといえば、それが伏線だからです。
だって伏線以外に、わざわざそこで踊る意味、なんかある?ないよね、ないない。

そんな小学生でも指差すような、不自然な伏線をぽんっと入れちゃう、ライミ監督の、まだ若さあふれるきっぷのよさがたまりません。
で、それが何のための伏線かとゆーと、単なる一発芸のため、ってとこにさらに涙を誘われます。

 

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さて今回のリンダは、前作のリンダよりかわいいけど、末路は前作でネタバレ済み。
でも1と違って2のリンダは、とりあえず、リンダを死霊として追い詰めたアッシュに、「偶然にもそこにたまたま落ちてたシャベル」でザックリスッパリ、頭と胴を2分割されるだけという、前作の極悪さが影をひそめた、ヒューマンでホットな死に様でした。

 

逆に、今回のアッシュは前回に輪をかけてお気の毒さが炸裂。
死霊と化した右手との死闘は、酒にでも酔わずには見られない!!
なんせ、オノレの右手といえども死霊は死霊、やっつけなければこっちがやられる死に物狂い。
当然アッシュの右手の末路は、リンダの末路とおんなじなんだが、そこから先がアホだった!

ナント、失われた右手の替わりに、ホラー的必須アイテム、チェーンソーなどもれなく装着、かなり変わり果てた姿にて、実写版アッシュのご登場!うっそーーーん。

 

そのどうかしているビジュアルに、一瞬逃げ腰になるものの、話はご都合を極めてドンドン展開しちゃうので、おちおちボーゼンとしてもいられない。
死霊も確かにかわいくパワーアップ(というよりCG化?)!!
でも、やっぱりアッシュの狂いっぷりには、何も太刀打ちできないかも……。過剰に笑い、過剰におののき、過剰に目玉をひんむいて、起承転結関係なしに、所狭しと大暴れ。

そんな、理性にきっぱりと見切りをつけた、度を超した吹っ切れ加減が、いっそ、アッパレとも思えてくるヨ!いや錯覚だろうけど……。

 

ともかく、かなーり目鼻立ちくっきりの男前、しかも濃いパフォーマンスならジム・キャリーもまっつぁおってぐらいのブルース・キャンベルを、なぜジムキャリーのようにハートフルなヒューマンドラマで見かけないかというと、絶対~にこの映画で熱演しすぎたせいだと思う(笑)。
彼の人生を狂わせた、濃くて暑苦しい芸風は、B級ホラーの歴史に残りすぎました。いまさら路線が変わってもそりゃ困るよね。

 

ちなみに、私は前作の、 ゴリゴリぐっちょんな中にも、一服のソコハカげなおかしさ が好きだったので、ここまでギャグ路線が徹底すると、逆に退きそうになってしまう。
けどまあ、いくら小学生ギャグが炸裂してるとはいえ、チキンなどつまみながら、家族で見られるような映画でないことだけは確かなので、もし今から初見、ってな場合の方が、気をおとすようなこともないんじゃないかな……。
シラフでは苦しい戦いになるかもだけど・・・。

 

しかしこの時点のさらに後々、アッシュがはるかあんなとこまで行っちゃおうとは……、まだ夢にも知らない私たちなので、予断を許してはいけないわけなのである……(つづく)。

 

(2004,3月)

 

死霊のはらわたII [Blu-ray]

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「死霊のはらわたⅡ」データ

EVIL DEAD 2 - DEAD BY DAWN 1987年 アメリカ

監督//

  • サム・ライミ

出演//

  • ブルース・キャンベル(アッシュ)
  • サラ・ベリー(アニー)
  • ダン・ヒックス(ジェイク)
  • セオドア・ライミ
  • デニス・ビクスラー(リンダ)
  • リチャード・ドメイア(エド)

▼関連してるやつ

seicolin.hatenablog.com

『映画』死霊のはらわた(1982)

EVIL DEAD/サム・ライミ

死霊のはらわた

目次

 

ブルース・キャンベル、オンステージ!

 

そもそもですよ?そもそもそこって、ふつーレジャーで行くとこじゃないよね!?!

・・・みたいな山奥の、見るからに死霊の出そうな苔むした別荘で、なんで楽しめると思ったのか男女5人。

案の定、寝起きの死霊に次々ととり憑かれて、さんざんな目にあってボロボロに!!

・・・っと、まぁそういうお話ですよね。
けど、「それだけ」の話を、めっちゃまるまると太らせてる!

 

80年代製作ということで、やや古さは感じるものの、今見ても色あせないコワ面白さで、やっぱサム・ライミ監督の才能って、若かりしころからとてつもなかったんだなぁ~~と納得する。

何がスゴいってそりゃぁもぅ、元祖地をなめるカメラワークのいやらしさ!
あと、満場一致で史上最強の「本棚」と、主役のアッシュ (ブルース・キャンベル)の存在感!
ぜったいソレに尽きるがな!

 

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 だいたい、いくら死霊と化して白目をムいててコワイからって、ついさっきまで友人だった相手を、コマ切れにぶった捌ける神経が神秘すぎる!!
恐怖を前にした人間の行動とは、かくもえげつないものなのか。

けどまぁ、理性の消滅はさておいても、アッシュの行動を正当化する、事情もあるにはあったのでした。

それすなわち、ここ住みの死霊が、手足と頭を全てバラバラに切り離すまでは、バリバリ現役!! というほどしぶとく生命力(?)にあふれてて、人間が人間として生き残るためにはゴリゴリのグチョグチョもしかたないじゃん!!
ってことですよね。

 

まったくも~このしぶとい死霊に比べりゃ~、頭を撃ちぬくだけで倒れてくれる、ロメロのゾンビなんか、か、な、り!!省エネタイプだったのかも!うん!

 

ともかくアッシュ、心をぐっとオニにして、もと彼女を切り刻っ……もうとする度に、目に飛び込むプレゼントのペンダントが、いちいちものすごくこれ見よがしだ!
思い馳せればこのペンダントを、まだ人間だった彼女にあげたのは、わずかさっきのことだった!!うるうるうるっとアッシュに悲しみがこみあげる!

となっちゃっちゃぁ~、さすがに最愛の彼女のことだけは、そうカンタンに切り刻めるわけがない。
切るぞ!いやまて!切るぞ!いやまて!

そんな、この期に及んでからの、中途半端でじれったい、温情まじりのヒトリ突っ込みがアダになって、タイミングを逃しては、しょっちゅうピンチに陥るオチャメなアッシュ。

死霊のはらわた

 

あげく体液だの血液だの、いちいち顔面にまともに浴びるハメになったりしちゃって、ドロドロのサービスショットも過剰に完備。
けど、さすがに5人中4人まで死霊になってたりしていると、も、も、もしやアッシュさえ観念すれば、案外ほのぼのハッピーエンド??とか気付いちゃうわけよ。
さすがに死霊同士じゃ、殺し合う必要ないだろうしさ・・・。

 

つーことはつーことは?
結局よくよく考えれば、この映画一番の殺人鬼はアアアアアッシュさんなんでは……?
死霊さんたちはよくお休みのところをたたき起こされた上、とりつくという、死霊の務めを果たしただけで、あれよあれよとアッシュに血祭りにあげられて、もしかしてものすごい踏んだり蹴ったりだったんでは!??!

 

えー。や、や、やばいよね!それ!!「死霊のはらわた」が世紀の死霊虐待映画だった!!!なんてことになると、テレビや新聞が青筋立てて、サムライミを指さすかもしれない・・・。

 

それでも、この時点では、アッシュが後々あんなことになろうとは、知る由もなかったことだし、ジョエル・コーエンの抑制(?)も効いていたかと思われる……のでまだ情状酌量の余地もあったわけよ……。(つづく)

 

2004年3月

 

死霊のはらわた [Blu-ray]

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死霊のはらわた II ユニバーサル思い出の復刻版 ブルーレイ [Blu-ray]

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「死霊のはらわた」データ

EVIL DEAD 1982年 アメリカ

監督

  • サム・ライミ

出演

  • ブルース・キャンベル (アッシュ)
  • エレン・サンドワイズ (シェリル)
  • ベッツィ・ベイカー (リンダ)
  • サラ・ヨーク (シェリー)
  • ハル・デルリッチ (スコット)

『映画』スペル(2009)

Drag Me to Hell/サム・ライミ

スペル

目次

サム・ライミ純正のホラー

 

こ、こ、これはまさしく、「おかえり!!サム!!待ってたよ~!!」と満面に笑みをたたえて両腕を広げたくなるホラーでございますよね。

ダリオでもなければルチオでもない、ニールでもなきゃピーターでもなく、ほかでもないサム・ライミならではの独特さがモリモリテンコのこの味わい!

なんてったって、おババのバッチィ入れ歯ひとつが、とことんいい仕事するんです。

はずしたコイツがネバーと糸を引くのを見れば、クリスティンじゃなくても、「ポリデントぐらいしてから請いやがれ!!」と脊髄反射が発動しますよ。そりゃしょうがないよ。

そして、はずした入れ歯の乗ってたハンカチが最強。そのしぶとさといったら、かつて、アッシュという伝説の男が格闘した、史上最強の本棚並みだね!っとパチパチパチ。

 

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ともかく、よだれの浸みたハンカチに、まとわりつかれる(?)おぞましさ。そりゃホチキス攻撃ぐらい正当防衛ってもんでしょう!

 

スペル・おババの入れ歯

 

とまあ、サム・ライミのホラーとくれば、やっぱり、元祖死霊のはらわたを思い出す条件反射がございます。(リメイクのお話もあるようだけど)
ただし、「スパイダー・マン」などを監督したかどで、今回のサム・ライミさんは空前絶後の出世済み。

ということは、駆け出しのころにできなかったコトが、難なくできる身分になっちゃってるってコトですよね?
放し飼いのサム・ライミ?そら、面白くないわけがない!

 

ところが、その野放しの開放感を期待すると、ちょっと違ってるような気はします。
なんと言いますか、一流監督の作ったB級映画の面白さ、って言い方のほうがしっくりくるかな。
いわば、琥珀色のB級映画?

この「スペル」では、死霊のはらわたのころにフル活用されてたとおぼしき、「内輪のよしみ」や、「ムチャのきくヤロー友達をとりあえず主役にして」みたいな強引ぐマイウェイさがもう見られないのはさびしいものの、アリソン・ローマンちゃんほどのかわいらしい女優さんが、あんなコトやこんなコトまで体を張って、怒って帰りもせずがんばってくれるってのがイイんですよね!

 

ホラー映画を見るほうとしても、どっちかと言うと、主役は薄着の美女が~!!てのは、やはし万国共通のホンネでしょうし・・・。

しかも美女が着てるのは、ちょっとレトロで、必ず胸もとの大きく開いた、ワンピやブラウスとかなんですよね!
これぞ大衆融合したエンタメでしょ?!!サービスいいよね!!
愛猫家だけは、がっつり敵に回すとしても・・・・。

 

そして、もう一人の美女、ガーナッシュ夫人の存在感もたたえたいです。
駐車場の戦闘シーンでは、クリスティンよりもむしろガーナッシュがんばれ!!と手に汗握って支持しちゃったのって、ぜったいアタイだけじゃないと思う。
車のガラスを叩き割るシーンとか、ラミアのシーンより断然クライマックスじゃん!!

 

それはさておき、映画としてはお笑いホラーで、話自体はファンタジーだと思うんだけど、人の感情の動きとして、けっこう現実によくありそうなところをおちょくっているぶん、イガイにリアルに怖かったりもするんです。

敵は、同情の余地はあるにせよ、世にもハタ迷惑なモンスター・クレイマーおババ!

恨む相手を力いっぱい間違ってるが、そういういいがかりは、今時どこでもかしこでももわんさとあるから、現実、ラミアにとり憑かれちゃいまして、って死因のカルテが医大病院に落ちてても、あんまし驚かないかもね。

 

ただ、「お笑い」がどんどん加速して、真正面からばばーん!と、「ギャグです。」と開き直ってくるにつれ、逆に笑いがしぼんでいくのは残念でした。

やっぱ、笑いはあくまで恐怖の向こうの黒子として、奥ゆかしく仕込まれてるほうが、アタイとしてはより可笑しく感じられたハズなのです。
いや、単に個人的に、潜伏した笑いのほうが好みだってだけなんやけど。

なんつーか、ホラーなのに、ホラーより前面に出てくるおふざけって、もぐらたたきのモグラみたいに、つい穴の中に押し戻したい(笑)。

 

関係ないけど、女優さんの心境として、アルジェント映画とライミ映画と、どっちに出るほうが「まだまし」なのかなぁ?
アルジェント・ホラーとは違った意味で、サムライミ・ホラーのヒロインには、独特の悲劇がある気がします。

 

2011年10月

 

スペル [Blu-ray]

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「スペル」データ

Drag Me to Hell  2009年 アメリカ

監督

  • サム・ライミ

出演

  • アリソン・ローマン
  • ジャスティン・ロング
  • ローナ・レイヴァー
  • ディリープ・ラオ
  • デヴィッド・パイマー
  • アドリアナ・バラッザ

『映画』スリープレス(2001)

NON HO SONNO/ダリオ・アルジェント

ダリオ・アルジェントのスリープレス

目次

 

おかえり!!ダリオ(喜)!!

 

なんせアルジェント+ゴブリンですもんね・・・。
作る方も見る方も、すでにシラフじゃございません。

頭でガタガタ思うより先に、条件反射で盛り上がるよね!
思えばサスペリアを見たあの時から、私はアルジェントに酔っぱらったパブロフの犬なんだろうなぁ……。

ともかく、アルジェントの織りなす世界にゴブリンの音がのると、鮮血がとてつもなく美しく見えてしょうがない。
ツカミの雰囲気さえ気にいれば、途中からのトーンダウンもなんのその、最後まで、キッチリ、うっとりが持続する!!

 

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トリノで、一人の女が殺された。それは、17年前に犯人が死んで解決済みの事件、「小人殺人」の悪夢が再び繰り返される幕開けだった。
事件解決に乗り出したのは、かつての担当刑事モレッティと、被害者の息子ジャコモ……。

……という、一応サスペンス仕立てのお話ですけど、アタイも無駄にダリオファンを長くやってるわけじゃない!
謎ときとか意味とかつじつまとか、そこらへんをあえて掘り下げたりしないように気をつけて、できるだけアルジェントさんのご都合に協力しました。
私的に、アルジェント映画は雑念を捨てて、ひたすらうっとりと鮮血に浸る方が心地よいので・・。

 

追いつめられていく女の、化粧が崩れた顔。
宵闇に降る、冷たそうな雨。
女の顔面を彩りしたたり落ちる血。
数こなすにつれ段々テキトーになっていくとは言え、美しくも残酷でドラマチックな殺戮。
命の底にこびりついた垢のような、やるせない、暗さ。
せつなく、絶望的にあの世を映す戦慄のナイフ。

ええやん!ええやん!ねぇ!

 

そんな独特の世界で、老名優マックス・フォン・シドーが、絵的(置物的?)によく似合っててマジ最高。

特に、「そんな子守歌があってたまるか!!」な、アーシア作詞の子守歌を、マックス・フォン・シドーがフツーに口ずさむと、「ワタシハダンダンネムクナル~~、タブン!」とばかり、妙に説得されちゃうのがスゴイ。

さらに、殆ど主役と言ってもいいぐらい出てきておいて、何かの役に立ってたか?といえばそうでもなくて(爆)、わりかしぽっくり死んじゃった上、結末には何の影響もなかったりするのもハラショー!!

 

ちなみに主役もたぶんただのアクセントだし、犯人すら、観客に向かって飾り物のナゾを自白するぐらいの役割しかなかったよね。
自白を終えたらこれまた気持ちよく、スッコーンとあの世へ。
主役は、あくまでも「血と恐怖」、生きてる人間はあくまでも添え物にすぎません。アルジェントのバヤイそこらへんが本当に明白でキモチいいつーか、キモチワルイ奴!!つーか。

 

ただ、犯人の自白はかなりショック!!人間関係における最低限の拠り所すら、スカっとぶっとばしてくれちゃったからなぁ!!ああ、それなら誰でも殺せるだろうなあ~、とナットクするのでおそろしい。

ところで、ゴブリンの音楽は好きだし良かったんですが、期待をしすぎてちょいモノ足りず。惜しい!!

 

2004年3月

 

スリープレス [DVD]

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「スリープレス」データ

NON HO SONNO 2001年 イタリア

監督

  • ダリオ・アルジェント

出演

  • マックス・フォン・シドー(モレッティ)
  • ステファノ・ディオニジ(ジャコモ)
  • キアラ・カゼッリ(グロリア)
  • ロベルト・ジベッティ(ロレンツォ)
  • ロッセラ・ファルク(ラウラ・デ・ファブリティス夫人)
  • ガブリエル・ラヴィア(ベッティ氏)
  • バーバラ・レリッキ(アンジェラ)

『映画』スリーピー・ホロウ(1999)

SLEEPY HOLLOW/ティム・バートン

スリーピー・ホロウ

目次

 

ジョニー・デップVSクリストファー・ウォーケン

 

ワシントン・アービングの「スリーピーホロウの伝説」。

そんな古典的な作品を材料にオタクの星と輝くイタズラ小僧、ティム・バートンが料理をしたら、ケトン添加エーテル抜きにてなおかつ大衆に融合しちゃってるという、アロマな映画!!になっちゃった!?!

 

それ別名、アク抜きの毒気?をベースに、随所に仕込まれる確信犯的フロクマリン←←見た後しばらくは直射日光厳禁!!(ごめん、今アロマにハマってて!)……な出来映えの、おしゃれダークなファンタジックゴシックホラー!!?!
と、形容詞をやたらつけすぎずにいられないものの、ひらたくいえば「ティム・バートンのホラー」ですよね。

いや、ホラーといっても怖くない。
けど、立派にホラーだし、素材も濃けりゃ味付けも濃い。
いちいち全部がむっちゃ濃い!!
なのにペロリと食わされる!という、ティム・バートンならではの中毒性がはみだすほどに発揮されているのです!! 

 

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なんつってもティム・バートンという人、細かいとこまで凝ってる上に美形キャラ使いが上手いんで、ミーハーにとっちゃもう、画面はたまらん宝の山。
美しいキャストを微妙な角度に屈折させる性格づけが、 健康的にいかがわしい。
あああ、ほんとにもう!!もうもうもぅぅっっ!!と、マニアでなくとも悶絶必至。

 

中でもやっぱし、怪演がシャキーンと光るミランダ・リチャードソンですね!!
やけにママハハ役の似合うこの人の存在は、大変身クリスティーナ・リッチ以上の特大ヒットだと思います。

お話の方も、もちろん良いのよ・・。
拷問への嫌悪と不信感を持って、「現実主義者」の皮をかぶり自分の心を守ろうとする、イカボッドという人物のなりたちが、母親のソーマトロープ(トリックおもちゃ)回想シーンや魔女達とのからみによって、理解できるという仕掛けもわかりやすい。

 

そして、亡霊の存在を信じようとはしなかったイカボッドが自ら体験することにより、首刈り殺人は亡霊の仕業、と認めた上で生身の真犯人を追い詰める、という展開がサスペンスでもありホラーでもあり。
この二段構えさが私は好きで、おかげで深みのあるゴージャスなエンターティメントが見れてハッピーです。
上手く練り込まれたエンタメには、ジャンル分けなど不要なんだね!

 

まあアタイはいちいち好きなので、おススメ所をあげるとキリないんですけど、死人の木の場面は相当好きです。
ウネウネしてる根っことか、ごろごろごろんっとぎっしり収納されているナマ首とか、ドバっとあふれる血の海とか、シュポーンと飛び出す騎士とかとか。

生前の騎士の歯がすでに三角に研がれていたのも、むっちゃポイント高いよね!!

歯を食いしばったら血の海だから、巨人の星にはなれないな~~とかいろいろ騎士の舞台裏に思いを馳せると、ああ今夜も眠れない。

(2005,10月)

 

スリーピー・ホロウ スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]

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「スリーピー・ホロウ」データ

SLEEPY HOLLOW 1999年 アメリカ

youtu.be

当時のバートン夫人はリサ・マリーだったのだ~。

監督

  • ティム・バートン

出演

  • ジョニー・デップ(イカボッド・クレーン)
  • クリストファー・ウォーケン(首あり騎士)
  • レイ・パーク(首ナシ騎士)
  • クリスティーナ・リッチ(カトリーナ・ヴァン・タッセル)
  • ミランダ・リチャードソン(ヴァン・タッセル夫人)
  • マイケル・ガンボン(バルタス・ヴァン・タッセル)
  • キャスパー・ヴァン・ディーン(ブロム・ヴァン・ブラント)
  • イアン・マクディアミッド(トーマス・ランカスター医師)
  • マイケル・ガフ(ジェームズ・ハーデンブルック書記)
  • クリストファー・リー(ニューヨーク市長)
  • ジェフリー・ジョーンズ(スティーンウィック牧師)
  • マーク・ピッカーリング(マスバスの息子)
  • リサ・マリー(イカボッド・ママ)

セッション9

Session 9(2001)ブラッド・アンダーソン

セッション9 [DVD]

セッション9 [DVD]

 

息苦しさならNO1!

なんと。
舞台となる廃墟の精神病院は、実在の心霊スポットらしい!
となれば当然、かなーり、どろどろおどろなオカルトを期待するよねぇ。
もぅ、もったいぶった前半は、いつくるか、いつくるかと期待のテンションでのけぞりそう!!
まぁ、 しばらく見てると憑き物が落ちたように、期待も急落するんですけど・・・。

 

なるほどこれは「オカルト」を利用した、「サスペンス」なのかなぁ。
胴から下の透けている、いわゆる「オバケ」はよっぽどのことがない限り、出ませんでした。

お話といえば、巨大な廃墟(かつては精神病院だった)のアスベスト処理に訪れた業者5人。
なんせ場所が場所なだけに、妙にそれっぽい素材がからみ、多重人格患者のテープも出てきて、だんだんみーんな狂気っぽくなってきて……。

 

……ってうっそお!
ぜんぜんだんだんじゃないっちゅうーの!最初からもう、暗いオーラでまくりだっつーの!いつ奇行に及んでもぜんぜんおかしくないおかしな人が、おかしな行動(って殺人だけど!)をとっただけなら、 「あ、あたりまえじゃん!」

どうでもいいけど、このシトたちは、本当に急いで仕事やってんの?2週間でもきびしすぎるはずの仕事を、1週間でやるんやろ?オチリに火がついてるのに、テープなんてじっくり聞いてる場合か?
もし私が、そんなブラックなクライアントなら、こんな業者は選ばないぞ~~!

 

しかもサスペンスの定説は、スターが最後まで残る!
だからこの場合、ピーター・ミュランデビッド・カルーソが生き残り、そしてどっちかが犯人……って、えええ?

ちょっとまて! この2人が セッション9の看板スター?(この映画いち衝撃の事実!)
低予算はわかる。
でも話が地味な上に、いろいろありがちな内容の上に、スターがその2人って(汗)。

いくらなんでもそれってつまり、シロートのど自慢のトリを、 見栄晴くん の熱唱でしめくくるよーなもんやろ。
んなもんどこにニーズがあるんだ。

そりゃあなにも、のど自慢に ローリングストーンズ を出せとはゆわんけど……。
せめて無名でも美形を出してくれるぐらいのサービス精神を見せてくれたら、こっちももっと親身になれたんじゃ?とか思うよねそりゃミーハーなら!

 

いや、別に嫌いなわけじゃない、けど、その2人(ピーター・ミュランとデビちゃんのことね、見栄晴くんじゃないよ、念のため)だからこそいいっていう要素があるとも、あんまし思えないんだよな・・・。

ただ、この映画はやっぱりちゃんと怖かったです。
よくよく考えてみれば、ハンパなオカルトよりも生きた人間の大脳の神秘ですよね。

わたしたちがわたしたちでいられるのは、すべて大脳が正常に仕事をしてくれてこそ。逆に言えば、血管がふさがったり、事故でハンブンふっ飛んだり、感電したりと、やむをえない物理的な理由で「理性」をスコンと失うこともありうるわけだ!!

大脳の状態によっては、どこか動かなくなったり、反対に動きを止められなくなったりも大アリにあるよね。 殺しが止まらない?な、ないとは言えない!イコール、怖い!

 

そしてロボトミーなりアイスピック療法なりの、現実にあった無茶な治療の存在が嫌すぎ。
暴れる患者には、アイスピックのようなものを目の横から入れたりして、大脳の一部を削っちゃえばおとなしくなるよ~なんちゃってことなんだからヒドすぎる。
で、「ま、目は見えなくなるけどね~、テヘ♪」って、コラーーッ!
しかし真面目にこんな治療が全世界にまかり通っていた時があったんだと思うと、そりゃもう全身バリバリ総毛立つって。

 

何よりムズムズ、げほごほごほ!!
……と、むっちゃ息苦しい映画でした。アタイただでさえ、花粉をはじめ、カビやらホコリ系だめ体質なのに、ましてモウモウのアスベストだなんて。
実際、そのアスベストな空気感がカモす不快感を、甘く見てはいかんと思う。
ナイーブでかつフラシーボに弱い人なら、現実に喘息発作ぐらい始まっちゃうかも!

 

というわけで。
たしかに廃墟ものならシャイニングのほ~が面白いし、病院ものならキングダム、多重人格ものならまあ最近ではアイディンティティーなんちうのがありますけど、アスベストものとしては案外世界一ってぐらい、背筋も凍る一品だと思いました。

 

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「セッション9」データ

Session 9 2001 アメリカ

監督

  • ブラッド・アンダーソン

出演

  • デヴィッド・カルーソ
  • ピーター・ミュラン
  • ジョシュ・ルーカス
  • ブレンダン・セクストン・サード

ソラリス

SOLARIS(2002)スティーヴン・ソダーバーグ

 

ソラリス (字幕版)

ソラリス (字幕版)

 

 

ジョージ・クルーニーって宇宙が似合う・・・

謎の惑星ソラリス。
その星にはナント「知性ある海」(ってなんじゃそら!!)があって、断りもなく近づく人間のこころを読み、しかもそれを形にして投げかけてくるもんだからもう大変!!!……という話よね、た、たぶん。

登場人物のソラリス探査クルーたちは、「己の内面、心の深層」などという、自分では見て見ぬふりをしていたような痛いところを、不意打ちにズボっと突かれて、思わず自殺したり引き篭もったりと、それはもう痛ましいほどの狼狽ぶり。

人間が、脳みその「自分に都合良い解釈」という、世にもありがたいお仕事を抜きに、己を直視するということは、かくも拷問なのかいなぁ・・・。
まあ確かにそうだろうなぁ・・・。

で、ジョージ・クルーニー演じる心理学者、クリスに対して、ソラリスがよこした「お客」は、遠い日に「消えた愛をはかなんで 自殺した妻、レイア」の形をしていました。 クリスは妻の自殺について、心の奥で、むっちゃ自分を責めてます。

 

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ソラリスからのお客のレイアは、あくまでも クリスの目で見ていた妻のレイアが実体化してしまったものであり、レイアのコピーとはいえませんよね。
オリジナルのレイアのこころは、本人がもうこの世にいない以上、誰も知る由がないんだもんね。

ところが、その、コピーですらないレイアにも、オリジナルな自我があり、自分の存在を悩みます。
そんな現象と前後しながら、クリスの中の、過去の本物のレイアの思い出がクロスしたりするからややこしい!!

 

娯楽のつもりで見ていたアタイは、思わず頭をかきむしり、ヘアスタイルがアインシュタイン状態。
ちなみに見た目がいくらアインシュタインでも、頭の中身は自前のままなのがちょっと納得いかないです。
どうせなら、一瞬でも天才にしてくれよ!!
・・・・・。

そのようにおバカなアタイを置き去りに、コピーのレイアは、記憶どおりか、はたまた自我ゆえか、やがて死を望みはじめます。
一方クリスは、贖罪なのか寂しさなのか、または愛の再生か、コピーのレイアと共に生きることを望みます……。

クリスとレイアのラブストーリー?

 

……ってことで、ソダーバーグ版「ソラリス」では、クリスとレイアのラブストーリー(?)に、焦点が絞られているらしい。 

んーでも、これが愛の続きとか、再生だとは思えないしなあ……。
本物のレイアは死んでるわけだし。

強いていうなら、クリスの1人ラブストーリーってところじゃないかなあ……。
でも、それを言うなら、現実に恋愛をしている恋人同士だって、二人揃って、1人ラブストーリーをやってるだけかもしんない。
それを言っちゃあおしまいか・・・。

おしまいだけど、わたしたちはあくまでも自分というフィルターを通してしか、他人を感知することができないのは確かだもんなぁ。
たとえば私が、コランすきすきって言ってるのは、「私の脳で感じたコラン」をスキスキってことで。
もっと言えば、「私の脳が、私に都合よく脚色した、コラン」に(はあと)ってことだよね。

きっと、クリスにとってコピーのレイアは、本物のレイア以上にレイアそのものだったりするはず。
ソラリスが物質化したものは、それぞれの自己に内包しているぶんには、本人にとってピュアな真実であることはまぎれもない。客観的な事実じゃーないけどさ……。
むーーーう、もうこのさいそれでいいじゃん!!

……というところで、「正解などない。あるのは選択だけだ。」というセリフに、ミョーに納得したりする。


ぶっちゃけ、アタイのようなアホには、わかったよーな、わかんないよーな、難しいお話でした。
でも、嫌いじゃないです。めんどうくさい話も、たまには見ないとオツムが贅肉になってしまう。

それにしても、もしも他人それぞれの、記憶のなかの自分が、人格を持って形をなしたら、今ここにいる自分は、用なしなのかもしれないなぁ。
生きていることって、本人の自覚を抜きにすれば、なんとあいまいなことだろう。

はぁ。
それにしても、映像の美しい映画でした。すきとおった青が、冷たくて遠かった。

(2003年12月)

 

ソラリス (ハヤカワ文庫SF)

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惑星ソラリス Blu-ray

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「ソラリス」データ

SOLARIS  2002年 アメリカ

監督

  • スティーヴン・ソダーバーグ

出演

  • ジョージ・クルーニー
  • ナターシャ・マケルホーン
  • ジェレミー・デイヴィス
  • ヴィオラ・デイヴィス
  • ウルリッヒ・トゥクール

 

『映画』スモール・アパートメント ワケアリ物件の隣人たち(2012)

Small Apartments/ジョナス・アカーランド

スモール・アパートメント ワケアリ物件の隣人たち

目次

ジョナス・アカーランド監督ひさしぶり!

 

おかえりなさいまし!!アカーランド監督!!
前作のホースメンがわりかし大衆融合路線(え?ちがう?)だったので、もう、スパンみたいなしょうもないダメダメ路線で変態なお話は撮らないのかなぁ~、とションボリしそうになってたけど、いや~待っててよかったよぉぉ~~ん。

この、ハキダメのようなアパートを舞台に、そこで暮らす人々のズンドコで日常的な非日常の日常的な描写!!
アタイがポカーンとしてる間にも、どんどんくり広がるあんなコトやこんなコト。
うれしはずかしくもおぞましく、どうにもこうにも変態で、クズでゲスでかわいくて、たまにホロリで、お、も、し、ろ、い!!

うん、最初はシビアだよ。
オープニングから関所があってアタイはしっかり試されました。

なんつっても試練だったのは、主人公のフランクリン(名前)・フランクリン(姓)が白ブリーフ姿のマット・ルーカスだったんですよ!!
しかもカメラは、キューピー・マット・ルーカスのよだれまでくまなく映し出すほどのドドドドドドドドアッ~~プを、果てしなく食らわしてくるんだよ!
死ぬ、死ぬ、死ぬよね!酸欠で死ぬよね!ドックンドックンはちきれるよね、当然、普通の神経なら!

 

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もちろんアタイのつぶらな神経も、何か蒸発してボロボロになったけど、命からがら関所を通ったそのあとは、オーマイゴッド!!なんと、新しい自分との出会いが!!

それすなわち、目の縁取りも黒々な、ジョニー・ノックスビルさえサワヤカに見える!というアッパー状態!
つーか、フランクリンが部屋の外に出る時は各種カツラを装着するので、少なくともブリーフからハミ出た腹がどうこうなどと、言ってる場合じゃなくなりました。

そんなこんなで、なぜかフランクリンの部屋にころがっている死体と共に、ご近所さんの事情もからんで、事態は加速やら減速やらジグザグ迷走やら、ややこしくなるのであった・・・。(←あらすじ)

つーかね~、そのような話の筋ももちろんよくできてるな~と面白かったのだが、ミーハー的にはやはしというか、やっぱしというか、絢爛豪華なキャストたちの怪演こそが極め付けにオモロイのだよね!!

豪華キャストっちゅーても、トムクルーズやブラピやメリル・ストリープは出てこないのだが、いわゆるカユいところの3センチぐらい向こうにポリポリ手が届くような、めくるめくややオールスターとでも言おうかな。
あんな映画やこんな映画で主役を食ってた、みんなの大好きなあの人たちが、しょーもないキャラとしてずらりババーンと勢ぞろい。

たとえばさ~、脳味噌を筋肉のように鍛えよう!などといって下々をだまくらかす怪しい博士がドルフ・ラングレンですよ!
それに、ピーター・ストーメアが死体になって、スモールアパートメントの一室で、ゴロンと転がってるんだよ!
このたまらなさに噴出せずば、一体何のための鼻息であろうか!!

エヘエヘ、けど本当は多分すごく見る人を選ぶ映画なんだろう。
もちろん選ばれしアタイは何度も見るほど大好きで、その都度イラストが増殖したので、こやって感想を付け足してみました。

 

(2014年3月)

 

スモール・アパートメント ワケアリ物件の隣人たち [DVD]

スモール・アパートメント ワケアリ物件の隣人たち [DVD]

 

 

「スモール・アパートメント ワケアリ物件の隣人たち」データ

Small Apartments 2012年 アメリカ

監督

  • ジョナス・アカーランド

出演

  • マット・ルーカス (フランクリン・フランクリン)
  • ジェームズ・カーン (お隣さんオールスパイス氏)
  • ジェームズ・マースデン (兄バーナード・フランクリン)
  • ジョニー・ノックスビル (お隣さんトミー・ボールズ)
  • ビリー・クリスタル (バート・ウォルナット)
  • ジュノー・テンプル (シモン)
  • ピーター・ストーメア (家主オリヴェッティ)
  • ドルフ・ラングレン (メノックス博士)
  • サフロン・バロウズ (フランシーン)
  • アマンダ・プラマー (トミーの母)
  • レベル・ウィルソン (トミーの恋人)
  • デヴィッド・ケックナー (オグラディ刑事)
  • デヴィッド・ウォーショフスキー (マクギー刑事)
  • ロージー・ペレス (看護師)
  • DJクオールズ (酒屋の店員)
  • アンジェラ・リンドヴァル (スイス航空スチュワーデス)
  • ネッド・ベラミー (救急隊員)

 ▼同監督作、こっちも面白かったんですよ。

seicolin.hatenablog.com

『映画』センチネル(1977)

The Sentinel/マイケル・ウィナー

センチネル

目次

 

超豪華キャストにびっくりする

ヒロインはニューヨークに住んでいる、トップモデル、アリソン。
コスモポリタンとかピープルなんかのトップを飾りまくってるらしい。
ぶっちゃけ、トップモデルって言う割りに、イマイチ、セレブ感を感じないけど、そこはまぁ、脇役が豪華すぎるから仕方ないのかなぁ。

弁護士のマイケルという恋人もいるけど、精神的自立のために、一人暮らしのための物件を探しています。

で、安さにつられて決めたのが、みるからに怪しい苔むしたアパート……。

というところからお話が始まるのだが、そもそも、不動産屋さんがエヴァ・ガードナー!という時点で、物件の怪しさダダモレやがな。

つーか、ヒロイン、「トップモデル」って設定必要?普通のOLさんとかで良くない?

まぁいいけどさ・・・モンダイは、フレンドリーなアパートの隣人たちが、すでに死亡している犯罪者たちだった!ってことなのです。
まあそれは実害がなければべつに大したことじゃないと思うけど、主人公にとっては一大事。

 

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なんせトラウマのモトとなっている、二度と見たくもなかったであろう、死んだ実の変態オヤジが化けて出たのが大メイワク!!
そこでちょっと、父オバケの鼻をそいで目玉をぶっつぶしておいたりする。
ヒロインつえ~~!オヤジしばらく出なくなるし。

……ともかく、そんなこんなといろいろあって、そのアパートで生きているのはただ1人、窓辺にたたずむ盲目の神父さんだけ……、という事実が浮き彫りになってきます。

 

いやぶっちゃけこのアパートって、地獄の入り口なんだよね!
盲目の神父は、悪魔がこっちに来ないようにと、見張る使命があるらしい。
そいでもかれこれ年なので、そろそろ次のセンチネルと世代交代……。
さてその次のセンチネルとは?ってどんな察しが悪くても、そんなん最初からわかりきってる!!対抗馬おらんし!

 

まぁたぶん作り手の狙いは、キリスト教方面から見た、放蕩や自殺や不倫愛などへの天誅モノあたりなのかなぁ?
かといって、ホラー全般に言えるように、筋自体はあってもなくても、面白さに何の影響もない模様です……。
ここまでバッチリ、ネタバレしても、怒られる心配もなさそーな。

 

でも、その盲目の神父さんが、水分が抜けすぎて床ずれすら無縁のようなジョン・キャラダインだったり、トップモデルのアリソンが出ているシャンプーのCMが、アタイもひっくり返りそうになったほど、カッチョ悪かったり、そうゆう所はいちいち面白くて笑うんですよね。

アリソンの父親なんて、普通じゃないにもホドがある!つー貧相な肉体美丸出しの、白塗り盆踊りな変態ぶりで、この監督はこの映画に、リアリティをだす気は毛頭なかったんだな、とか察したりした。アクションでは名匠とか呼ばれているみたいやけど……。

 

センチネル

 

んで、 何が印象に残ったかって、惜しみなく出てくる、もの凄い出演者群!
ぜったいこいつが犯人だ!みたいな眼光ながらもまだ美形だったクリストファー・ウォーケン。
いかにも重要人物!てな顔で脇役を演じたジェフ・ゴールドプラム。
トムベレンジャーとは思えないクセのないトムベレンジャー。
やっぱり存在感スゲー!ってなっちゃうエヴァ・ガードナーなどなど、挙げればキリがないほど、ネバネバ~~とネバ濃い。

ふつーの人たちだけでもこんだけ粘ってるのに、最後にワラワラと湧いて出る、意外と人の良さそうな、悪魔役をやった、奇形の人たちもすげぇ濃い!!
ただ、ホンモノの奇形の人を、こともあろうに悪魔役に使ったカドで、日本公開は1週間で打ち切り、ビデオDVDの国内発売まかりならん!……ということになった顛末があるみたい。
んなの、当のご本人達が、ナットクして出演してるんだったら、外野がガタガタいわなくてもいーじゃんか……。とか思うけど……。

ともかく、そんなこんなのいわくがついたおかげで、たまたまカルト扱いされてしまったんだろうか、とか勘ぐりつつも、なんか保存版よね、みたいな、ヘンな映画だったと思います。

2005年5月

 

センチネル 特別版

センチネル 特別版

 

 

「センチネル」データ

The Sentinel 1977年 アメリカ

監督

  • マイケル・ウィナー

出演

  • クリス・サランドン(マイケル)
  • クリスティーナ・レインズ(アリソン)
  • マーティン・バルサム(ラジンスキー教授)
  • ジョン・キャラダイン(ハロラン神父)
  • ホセ・フェラー(プリースト)
  • エヴァ・ガードナー(ミス・ローガン)
  • アーサー・ケネディ(フランチーノ司祭)
  • バージェス・メレディス(チャールズ・チェイズン)
  • シルヴィア・マイルズ(ジェルデ)
  • デボラ・ラフィン(ジェニファー)
  • イーライ・ウォラック(ゲイツ警部)
  • クリストファー・ウォーケン(刑事)
  • ジェフ・ゴールドプラム(カメラマン)
  • トム・ベレンジャー(新婚さん)
  • ボブ・メルビン(悪魔の一人)
  • ビヴァリー・ダンジェロ(サンドラ)