NON HO SONNO/ダリオ・アルジェント
目次
おかえり!!ダリオ(喜)!!
なんせアルジェント+ゴブリンですもんね・・・。
作る方も見る方も、すでにシラフじゃございません。
頭でガタガタ思うより先に、条件反射で盛り上がるよね!
思えばサスペリアを見たあの時から、私はアルジェントに酔っぱらったパブロフの犬なんだろうなぁ……。
ともかく、アルジェントの織りなす世界にゴブリンの音がのると、鮮血がとてつもなく美しく見えてしょうがない。
ツカミの雰囲気さえ気にいれば、途中からのトーンダウンもなんのその、最後まで、キッチリ、うっとりが持続する!!
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トリノで、一人の女が殺された。それは、17年前に犯人が死んで解決済みの事件、「小人殺人」の悪夢が再び繰り返される幕開けだった。
事件解決に乗り出したのは、かつての担当刑事モレッティと、被害者の息子ジャコモ……。
……という、一応サスペンス仕立てのお話ですけど、アタイも無駄にダリオファンを長くやってるわけじゃない!
謎ときとか意味とかつじつまとか、そこらへんをあえて掘り下げたりしないように気をつけて、できるだけアルジェントさんのご都合に協力しました。
私的に、アルジェント映画は雑念を捨てて、ひたすらうっとりと鮮血に浸る方が心地よいので・・。
追いつめられていく女の、化粧が崩れた顔。
宵闇に降る、冷たそうな雨。
女の顔面を彩りしたたり落ちる血。
数こなすにつれ段々テキトーになっていくとは言え、美しくも残酷でドラマチックな殺戮。
命の底にこびりついた垢のような、やるせない、暗さ。
せつなく、絶望的にあの世を映す戦慄のナイフ。
ええやん!ええやん!ねぇ!
そんな独特の世界で、老名優マックス・フォン・シドーが、絵的(置物的?)によく似合っててマジ最高。
特に、「そんな子守歌があってたまるか!!」な、アーシア作詞の子守歌を、マックス・フォン・シドーがフツーに口ずさむと、「ワタシハダンダンネムクナル~~、タブン!」とばかり、妙に説得されちゃうのがスゴイ。
さらに、殆ど主役と言ってもいいぐらい出てきておいて、何かの役に立ってたか?といえばそうでもなくて(爆)、わりかしぽっくり死んじゃった上、結末には何の影響もなかったりするのもハラショー!!
ちなみに主役もたぶんただのアクセントだし、犯人すら、観客に向かって飾り物のナゾを自白するぐらいの役割しかなかったよね。
自白を終えたらこれまた気持ちよく、スッコーンとあの世へ。
主役は、あくまでも「血と恐怖」、生きてる人間はあくまでも添え物にすぎません。アルジェントのバヤイそこらへんが本当に明白でキモチいいつーか、キモチワルイ奴!!つーか。
ただ、犯人の自白はかなりショック!!人間関係における最低限の拠り所すら、スカっとぶっとばしてくれちゃったからなぁ!!ああ、それなら誰でも殺せるだろうなあ~、とナットクするのでおそろしい。
ところで、ゴブリンの音楽は好きだし良かったんですが、期待をしすぎてちょいモノ足りず。惜しい!!
2004年3月
「スリープレス」データ
NON HO SONNO 2001年 イタリア
監督
- ダリオ・アルジェント
出演
- マックス・フォン・シドー(モレッティ)
- ステファノ・ディオニジ(ジャコモ)
- キアラ・カゼッリ(グロリア)
- ロベルト・ジベッティ(ロレンツォ)
- ロッセラ・ファルク(ラウラ・デ・ファブリティス夫人)
- ガブリエル・ラヴィア(ベッティ氏)
- バーバラ・レリッキ(アンジェラ)