ミーハーdeCINEMA

ミーハーが映画やドラマを見てはあれこれとつぶやいてます。

『映画』スリープレス(2001)

NON HO SONNO/ダリオ・アルジェント

ダリオ・アルジェントのスリープレス

目次

 

おかえり!!ダリオ(喜)!!

 

なんせアルジェント+ゴブリンですもんね・・・。
作る方も見る方も、すでにシラフじゃございません。

頭でガタガタ思うより先に、条件反射で盛り上がるよね!
思えばサスペリアを見たあの時から、私はアルジェントに酔っぱらったパブロフの犬なんだろうなぁ……。

ともかく、アルジェントの織りなす世界にゴブリンの音がのると、鮮血がとてつもなく美しく見えてしょうがない。
ツカミの雰囲気さえ気にいれば、途中からのトーンダウンもなんのその、最後まで、キッチリ、うっとりが持続する!!

 

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トリノで、一人の女が殺された。それは、17年前に犯人が死んで解決済みの事件、「小人殺人」の悪夢が再び繰り返される幕開けだった。
事件解決に乗り出したのは、かつての担当刑事モレッティと、被害者の息子ジャコモ……。

……という、一応サスペンス仕立てのお話ですけど、アタイも無駄にダリオファンを長くやってるわけじゃない!
謎ときとか意味とかつじつまとか、そこらへんをあえて掘り下げたりしないように気をつけて、できるだけアルジェントさんのご都合に協力しました。
私的に、アルジェント映画は雑念を捨てて、ひたすらうっとりと鮮血に浸る方が心地よいので・・。

 

追いつめられていく女の、化粧が崩れた顔。
宵闇に降る、冷たそうな雨。
女の顔面を彩りしたたり落ちる血。
数こなすにつれ段々テキトーになっていくとは言え、美しくも残酷でドラマチックな殺戮。
命の底にこびりついた垢のような、やるせない、暗さ。
せつなく、絶望的にあの世を映す戦慄のナイフ。

ええやん!ええやん!ねぇ!

 

そんな独特の世界で、老名優マックス・フォン・シドーが、絵的(置物的?)によく似合っててマジ最高。

特に、「そんな子守歌があってたまるか!!」な、アーシア作詞の子守歌を、マックス・フォン・シドーがフツーに口ずさむと、「ワタシハダンダンネムクナル~~、タブン!」とばかり、妙に説得されちゃうのがスゴイ。

さらに、殆ど主役と言ってもいいぐらい出てきておいて、何かの役に立ってたか?といえばそうでもなくて(爆)、わりかしぽっくり死んじゃった上、結末には何の影響もなかったりするのもハラショー!!

 

ちなみに主役もたぶんただのアクセントだし、犯人すら、観客に向かって飾り物のナゾを自白するぐらいの役割しかなかったよね。
自白を終えたらこれまた気持ちよく、スッコーンとあの世へ。
主役は、あくまでも「血と恐怖」、生きてる人間はあくまでも添え物にすぎません。アルジェントのバヤイそこらへんが本当に明白でキモチいいつーか、キモチワルイ奴!!つーか。

 

ただ、犯人の自白はかなりショック!!人間関係における最低限の拠り所すら、スカっとぶっとばしてくれちゃったからなぁ!!ああ、それなら誰でも殺せるだろうなあ~、とナットクするのでおそろしい。

ところで、ゴブリンの音楽は好きだし良かったんですが、期待をしすぎてちょいモノ足りず。惜しい!!

 

2004年3月

 

スリープレス [DVD]

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「スリープレス」データ

NON HO SONNO 2001年 イタリア

監督

  • ダリオ・アルジェント

出演

  • マックス・フォン・シドー(モレッティ)
  • ステファノ・ディオニジ(ジャコモ)
  • キアラ・カゼッリ(グロリア)
  • ロベルト・ジベッティ(ロレンツォ)
  • ロッセラ・ファルク(ラウラ・デ・ファブリティス夫人)
  • ガブリエル・ラヴィア(ベッティ氏)
  • バーバラ・レリッキ(アンジェラ)

『映画』スリーピー・ホロウ(1999)

SLEEPY HOLLOW/ティム・バートン

スリーピー・ホロウ

目次

 

ジョニー・デップVSクリストファー・ウォーケン

 

ワシントン・アービングの「スリーピーホロウの伝説」。

そんな古典的な作品を材料にオタクの星と輝くイタズラ小僧、ティム・バートンが料理をしたら、ケトン添加エーテル抜きにてなおかつ大衆に融合しちゃってるという、アロマな映画!!になっちゃった!?!

 

それ別名、アク抜きの毒気?をベースに、随所に仕込まれる確信犯的フロクマリン←←見た後しばらくは直射日光厳禁!!(ごめん、今アロマにハマってて!)……な出来映えの、おしゃれダークなファンタジックゴシックホラー!!?!
と、形容詞をやたらつけすぎずにいられないものの、ひらたくいえば「ティム・バートンのホラー」ですよね。

いや、ホラーといっても怖くない。
けど、立派にホラーだし、素材も濃けりゃ味付けも濃い。
いちいち全部がむっちゃ濃い!!
なのにペロリと食わされる!という、ティム・バートンならではの中毒性がはみだすほどに発揮されているのです!! 

 

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なんつってもティム・バートンという人、細かいとこまで凝ってる上に美形キャラ使いが上手いんで、ミーハーにとっちゃもう、画面はたまらん宝の山。
美しいキャストを微妙な角度に屈折させる性格づけが、 健康的にいかがわしい。
あああ、ほんとにもう!!もうもうもぅぅっっ!!と、マニアでなくとも悶絶必至。

 

中でもやっぱし、怪演がシャキーンと光るミランダ・リチャードソンですね!!
やけにママハハ役の似合うこの人の存在は、大変身クリスティーナ・リッチ以上の特大ヒットだと思います。

お話の方も、もちろん良いのよ・・。
拷問への嫌悪と不信感を持って、「現実主義者」の皮をかぶり自分の心を守ろうとする、イカボッドという人物のなりたちが、母親のソーマトロープ(トリックおもちゃ)回想シーンや魔女達とのからみによって、理解できるという仕掛けもわかりやすい。

 

そして、亡霊の存在を信じようとはしなかったイカボッドが自ら体験することにより、首刈り殺人は亡霊の仕業、と認めた上で生身の真犯人を追い詰める、という展開がサスペンスでもありホラーでもあり。
この二段構えさが私は好きで、おかげで深みのあるゴージャスなエンターティメントが見れてハッピーです。
上手く練り込まれたエンタメには、ジャンル分けなど不要なんだね!

 

まあアタイはいちいち好きなので、おススメ所をあげるとキリないんですけど、死人の木の場面は相当好きです。
ウネウネしてる根っことか、ごろごろごろんっとぎっしり収納されているナマ首とか、ドバっとあふれる血の海とか、シュポーンと飛び出す騎士とかとか。

生前の騎士の歯がすでに三角に研がれていたのも、むっちゃポイント高いよね!!

歯を食いしばったら血の海だから、巨人の星にはなれないな~~とかいろいろ騎士の舞台裏に思いを馳せると、ああ今夜も眠れない。

(2005,10月)

 

スリーピー・ホロウ スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]

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「スリーピー・ホロウ」データ

SLEEPY HOLLOW 1999年 アメリカ

youtu.be

当時のバートン夫人はリサ・マリーだったのだ~。

監督

  • ティム・バートン

出演

  • ジョニー・デップ(イカボッド・クレーン)
  • クリストファー・ウォーケン(首あり騎士)
  • レイ・パーク(首ナシ騎士)
  • クリスティーナ・リッチ(カトリーナ・ヴァン・タッセル)
  • ミランダ・リチャードソン(ヴァン・タッセル夫人)
  • マイケル・ガンボン(バルタス・ヴァン・タッセル)
  • キャスパー・ヴァン・ディーン(ブロム・ヴァン・ブラント)
  • イアン・マクディアミッド(トーマス・ランカスター医師)
  • マイケル・ガフ(ジェームズ・ハーデンブルック書記)
  • クリストファー・リー(ニューヨーク市長)
  • ジェフリー・ジョーンズ(スティーンウィック牧師)
  • マーク・ピッカーリング(マスバスの息子)
  • リサ・マリー(イカボッド・ママ)

セッション9

Session 9(2001)ブラッド・アンダーソン

セッション9 [DVD]

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息苦しさならNO1!

なんと。
舞台となる廃墟の精神病院は、実在の心霊スポットらしい!
となれば当然、かなーり、どろどろおどろなオカルトを期待するよねぇ。
もぅ、もったいぶった前半は、いつくるか、いつくるかと期待のテンションでのけぞりそう!!
まぁ、 しばらく見てると憑き物が落ちたように、期待も急落するんですけど・・・。

 

なるほどこれは「オカルト」を利用した、「サスペンス」なのかなぁ。
胴から下の透けている、いわゆる「オバケ」はよっぽどのことがない限り、出ませんでした。

お話といえば、巨大な廃墟(かつては精神病院だった)のアスベスト処理に訪れた業者5人。
なんせ場所が場所なだけに、妙にそれっぽい素材がからみ、多重人格患者のテープも出てきて、だんだんみーんな狂気っぽくなってきて……。

 

……ってうっそお!
ぜんぜんだんだんじゃないっちゅうーの!最初からもう、暗いオーラでまくりだっつーの!いつ奇行に及んでもぜんぜんおかしくないおかしな人が、おかしな行動(って殺人だけど!)をとっただけなら、 「あ、あたりまえじゃん!」

どうでもいいけど、このシトたちは、本当に急いで仕事やってんの?2週間でもきびしすぎるはずの仕事を、1週間でやるんやろ?オチリに火がついてるのに、テープなんてじっくり聞いてる場合か?
もし私が、そんなブラックなクライアントなら、こんな業者は選ばないぞ~~!

 

しかもサスペンスの定説は、スターが最後まで残る!
だからこの場合、ピーター・ミュランデビッド・カルーソが生き残り、そしてどっちかが犯人……って、えええ?

ちょっとまて! この2人が セッション9の看板スター?(この映画いち衝撃の事実!)
低予算はわかる。
でも話が地味な上に、いろいろありがちな内容の上に、スターがその2人って(汗)。

いくらなんでもそれってつまり、シロートのど自慢のトリを、 見栄晴くん の熱唱でしめくくるよーなもんやろ。
んなもんどこにニーズがあるんだ。

そりゃあなにも、のど自慢に ローリングストーンズ を出せとはゆわんけど……。
せめて無名でも美形を出してくれるぐらいのサービス精神を見せてくれたら、こっちももっと親身になれたんじゃ?とか思うよねそりゃミーハーなら!

 

いや、別に嫌いなわけじゃない、けど、その2人(ピーター・ミュランとデビちゃんのことね、見栄晴くんじゃないよ、念のため)だからこそいいっていう要素があるとも、あんまし思えないんだよな・・・。

ただ、この映画はやっぱりちゃんと怖かったです。
よくよく考えてみれば、ハンパなオカルトよりも生きた人間の大脳の神秘ですよね。

わたしたちがわたしたちでいられるのは、すべて大脳が正常に仕事をしてくれてこそ。逆に言えば、血管がふさがったり、事故でハンブンふっ飛んだり、感電したりと、やむをえない物理的な理由で「理性」をスコンと失うこともありうるわけだ!!

大脳の状態によっては、どこか動かなくなったり、反対に動きを止められなくなったりも大アリにあるよね。 殺しが止まらない?な、ないとは言えない!イコール、怖い!

 

そしてロボトミーなりアイスピック療法なりの、現実にあった無茶な治療の存在が嫌すぎ。
暴れる患者には、アイスピックのようなものを目の横から入れたりして、大脳の一部を削っちゃえばおとなしくなるよ~なんちゃってことなんだからヒドすぎる。
で、「ま、目は見えなくなるけどね~、テヘ♪」って、コラーーッ!
しかし真面目にこんな治療が全世界にまかり通っていた時があったんだと思うと、そりゃもう全身バリバリ総毛立つって。

 

何よりムズムズ、げほごほごほ!!
……と、むっちゃ息苦しい映画でした。アタイただでさえ、花粉をはじめ、カビやらホコリ系だめ体質なのに、ましてモウモウのアスベストだなんて。
実際、そのアスベストな空気感がカモす不快感を、甘く見てはいかんと思う。
ナイーブでかつフラシーボに弱い人なら、現実に喘息発作ぐらい始まっちゃうかも!

 

というわけで。
たしかに廃墟ものならシャイニングのほ~が面白いし、病院ものならキングダム、多重人格ものならまあ最近ではアイディンティティーなんちうのがありますけど、アスベストものとしては案外世界一ってぐらい、背筋も凍る一品だと思いました。

 

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「セッション9」データ

Session 9 2001 アメリカ

監督

  • ブラッド・アンダーソン

出演

  • デヴィッド・カルーソ
  • ピーター・ミュラン
  • ジョシュ・ルーカス
  • ブレンダン・セクストン・サード

ソラリス

SOLARIS(2002)スティーヴン・ソダーバーグ

 

ソラリス (字幕版)

ソラリス (字幕版)

 

 

ジョージ・クルーニーって宇宙が似合う・・・

謎の惑星ソラリス。
その星にはナント「知性ある海」(ってなんじゃそら!!)があって、断りもなく近づく人間のこころを読み、しかもそれを形にして投げかけてくるもんだからもう大変!!!……という話よね、た、たぶん。

登場人物のソラリス探査クルーたちは、「己の内面、心の深層」などという、自分では見て見ぬふりをしていたような痛いところを、不意打ちにズボっと突かれて、思わず自殺したり引き篭もったりと、それはもう痛ましいほどの狼狽ぶり。

人間が、脳みその「自分に都合良い解釈」という、世にもありがたいお仕事を抜きに、己を直視するということは、かくも拷問なのかいなぁ・・・。
まあ確かにそうだろうなぁ・・・。

で、ジョージ・クルーニー演じる心理学者、クリスに対して、ソラリスがよこした「お客」は、遠い日に「消えた愛をはかなんで 自殺した妻、レイア」の形をしていました。 クリスは妻の自殺について、心の奥で、むっちゃ自分を責めてます。

 

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ソラリスからのお客のレイアは、あくまでも クリスの目で見ていた妻のレイアが実体化してしまったものであり、レイアのコピーとはいえませんよね。
オリジナルのレイアのこころは、本人がもうこの世にいない以上、誰も知る由がないんだもんね。

ところが、その、コピーですらないレイアにも、オリジナルな自我があり、自分の存在を悩みます。
そんな現象と前後しながら、クリスの中の、過去の本物のレイアの思い出がクロスしたりするからややこしい!!

 

娯楽のつもりで見ていたアタイは、思わず頭をかきむしり、ヘアスタイルがアインシュタイン状態。
ちなみに見た目がいくらアインシュタインでも、頭の中身は自前のままなのがちょっと納得いかないです。
どうせなら、一瞬でも天才にしてくれよ!!
・・・・・。

そのようにおバカなアタイを置き去りに、コピーのレイアは、記憶どおりか、はたまた自我ゆえか、やがて死を望みはじめます。
一方クリスは、贖罪なのか寂しさなのか、または愛の再生か、コピーのレイアと共に生きることを望みます……。

クリスとレイアのラブストーリー?

 

……ってことで、ソダーバーグ版「ソラリス」では、クリスとレイアのラブストーリー(?)に、焦点が絞られているらしい。 

んーでも、これが愛の続きとか、再生だとは思えないしなあ……。
本物のレイアは死んでるわけだし。

強いていうなら、クリスの1人ラブストーリーってところじゃないかなあ……。
でも、それを言うなら、現実に恋愛をしている恋人同士だって、二人揃って、1人ラブストーリーをやってるだけかもしんない。
それを言っちゃあおしまいか・・・。

おしまいだけど、わたしたちはあくまでも自分というフィルターを通してしか、他人を感知することができないのは確かだもんなぁ。
たとえば私が、コランすきすきって言ってるのは、「私の脳で感じたコラン」をスキスキってことで。
もっと言えば、「私の脳が、私に都合よく脚色した、コラン」に(はあと)ってことだよね。

きっと、クリスにとってコピーのレイアは、本物のレイア以上にレイアそのものだったりするはず。
ソラリスが物質化したものは、それぞれの自己に内包しているぶんには、本人にとってピュアな真実であることはまぎれもない。客観的な事実じゃーないけどさ……。
むーーーう、もうこのさいそれでいいじゃん!!

……というところで、「正解などない。あるのは選択だけだ。」というセリフに、ミョーに納得したりする。


ぶっちゃけ、アタイのようなアホには、わかったよーな、わかんないよーな、難しいお話でした。
でも、嫌いじゃないです。めんどうくさい話も、たまには見ないとオツムが贅肉になってしまう。

それにしても、もしも他人それぞれの、記憶のなかの自分が、人格を持って形をなしたら、今ここにいる自分は、用なしなのかもしれないなぁ。
生きていることって、本人の自覚を抜きにすれば、なんとあいまいなことだろう。

はぁ。
それにしても、映像の美しい映画でした。すきとおった青が、冷たくて遠かった。

(2003年12月)

 

ソラリス (ハヤカワ文庫SF)

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惑星ソラリス Blu-ray

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「ソラリス」データ

SOLARIS  2002年 アメリカ

監督

  • スティーヴン・ソダーバーグ

出演

  • ジョージ・クルーニー
  • ナターシャ・マケルホーン
  • ジェレミー・デイヴィス
  • ヴィオラ・デイヴィス
  • ウルリッヒ・トゥクール

 

『映画』スモール・アパートメント ワケアリ物件の隣人たち(2012)

Small Apartments/ジョナス・アカーランド

スモール・アパートメント ワケアリ物件の隣人たち

目次

ジョナス・アカーランド監督ひさしぶり!

 

おかえりなさいまし!!アカーランド監督!!
前作のホースメンがわりかし大衆融合路線(え?ちがう?)だったので、もう、スパンみたいなしょうもないダメダメ路線で変態なお話は撮らないのかなぁ~、とションボリしそうになってたけど、いや~待っててよかったよぉぉ~~ん。

この、ハキダメのようなアパートを舞台に、そこで暮らす人々のズンドコで日常的な非日常の日常的な描写!!
アタイがポカーンとしてる間にも、どんどんくり広がるあんなコトやこんなコト。
うれしはずかしくもおぞましく、どうにもこうにも変態で、クズでゲスでかわいくて、たまにホロリで、お、も、し、ろ、い!!

うん、最初はシビアだよ。
オープニングから関所があってアタイはしっかり試されました。

なんつっても試練だったのは、主人公のフランクリン(名前)・フランクリン(姓)が白ブリーフ姿のマット・ルーカスだったんですよ!!
しかもカメラは、キューピー・マット・ルーカスのよだれまでくまなく映し出すほどのドドドドドドドドアッ~~プを、果てしなく食らわしてくるんだよ!
死ぬ、死ぬ、死ぬよね!酸欠で死ぬよね!ドックンドックンはちきれるよね、当然、普通の神経なら!

 

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もちろんアタイのつぶらな神経も、何か蒸発してボロボロになったけど、命からがら関所を通ったそのあとは、オーマイゴッド!!なんと、新しい自分との出会いが!!

それすなわち、目の縁取りも黒々な、ジョニー・ノックスビルさえサワヤカに見える!というアッパー状態!
つーか、フランクリンが部屋の外に出る時は各種カツラを装着するので、少なくともブリーフからハミ出た腹がどうこうなどと、言ってる場合じゃなくなりました。

そんなこんなで、なぜかフランクリンの部屋にころがっている死体と共に、ご近所さんの事情もからんで、事態は加速やら減速やらジグザグ迷走やら、ややこしくなるのであった・・・。(←あらすじ)

つーかね~、そのような話の筋ももちろんよくできてるな~と面白かったのだが、ミーハー的にはやはしというか、やっぱしというか、絢爛豪華なキャストたちの怪演こそが極め付けにオモロイのだよね!!

豪華キャストっちゅーても、トムクルーズやブラピやメリル・ストリープは出てこないのだが、いわゆるカユいところの3センチぐらい向こうにポリポリ手が届くような、めくるめくややオールスターとでも言おうかな。
あんな映画やこんな映画で主役を食ってた、みんなの大好きなあの人たちが、しょーもないキャラとしてずらりババーンと勢ぞろい。

たとえばさ~、脳味噌を筋肉のように鍛えよう!などといって下々をだまくらかす怪しい博士がドルフ・ラングレンですよ!
それに、ピーター・ストーメアが死体になって、スモールアパートメントの一室で、ゴロンと転がってるんだよ!
このたまらなさに噴出せずば、一体何のための鼻息であろうか!!

エヘエヘ、けど本当は多分すごく見る人を選ぶ映画なんだろう。
もちろん選ばれしアタイは何度も見るほど大好きで、その都度イラストが増殖したので、こやって感想を付け足してみました。

 

(2014年3月)

 

スモール・アパートメント ワケアリ物件の隣人たち [DVD]

スモール・アパートメント ワケアリ物件の隣人たち [DVD]

 

 

「スモール・アパートメント ワケアリ物件の隣人たち」データ

Small Apartments 2012年 アメリカ

監督

  • ジョナス・アカーランド

出演

  • マット・ルーカス (フランクリン・フランクリン)
  • ジェームズ・カーン (お隣さんオールスパイス氏)
  • ジェームズ・マースデン (兄バーナード・フランクリン)
  • ジョニー・ノックスビル (お隣さんトミー・ボールズ)
  • ビリー・クリスタル (バート・ウォルナット)
  • ジュノー・テンプル (シモン)
  • ピーター・ストーメア (家主オリヴェッティ)
  • ドルフ・ラングレン (メノックス博士)
  • サフロン・バロウズ (フランシーン)
  • アマンダ・プラマー (トミーの母)
  • レベル・ウィルソン (トミーの恋人)
  • デヴィッド・ケックナー (オグラディ刑事)
  • デヴィッド・ウォーショフスキー (マクギー刑事)
  • ロージー・ペレス (看護師)
  • DJクオールズ (酒屋の店員)
  • アンジェラ・リンドヴァル (スイス航空スチュワーデス)
  • ネッド・ベラミー (救急隊員)

 ▼同監督作、こっちも面白かったんですよ。

seicolin.hatenablog.com

『映画』センチネル(1977)

The Sentinel/マイケル・ウィナー

センチネル

目次

 

超豪華キャストにびっくりする

ヒロインはニューヨークに住んでいる、トップモデル、アリソン。
コスモポリタンとかピープルなんかのトップを飾りまくってるらしい。
ぶっちゃけ、トップモデルって言う割りに、イマイチ、セレブ感を感じないけど、そこはまぁ、脇役が豪華すぎるから仕方ないのかなぁ。

弁護士のマイケルという恋人もいるけど、精神的自立のために、一人暮らしのための物件を探しています。

で、安さにつられて決めたのが、みるからに怪しい苔むしたアパート……。

というところからお話が始まるのだが、そもそも、不動産屋さんがエヴァ・ガードナー!という時点で、物件の怪しさダダモレやがな。

つーか、ヒロイン、「トップモデル」って設定必要?普通のOLさんとかで良くない?

まぁいいけどさ・・・モンダイは、フレンドリーなアパートの隣人たちが、すでに死亡している犯罪者たちだった!ってことなのです。
まあそれは実害がなければべつに大したことじゃないと思うけど、主人公にとっては一大事。

 

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なんせトラウマのモトとなっている、二度と見たくもなかったであろう、死んだ実の変態オヤジが化けて出たのが大メイワク!!
そこでちょっと、父オバケの鼻をそいで目玉をぶっつぶしておいたりする。
ヒロインつえ~~!オヤジしばらく出なくなるし。

……ともかく、そんなこんなといろいろあって、そのアパートで生きているのはただ1人、窓辺にたたずむ盲目の神父さんだけ……、という事実が浮き彫りになってきます。

 

いやぶっちゃけこのアパートって、地獄の入り口なんだよね!
盲目の神父は、悪魔がこっちに来ないようにと、見張る使命があるらしい。
そいでもかれこれ年なので、そろそろ次のセンチネルと世代交代……。
さてその次のセンチネルとは?ってどんな察しが悪くても、そんなん最初からわかりきってる!!対抗馬おらんし!

 

まぁたぶん作り手の狙いは、キリスト教方面から見た、放蕩や自殺や不倫愛などへの天誅モノあたりなのかなぁ?
かといって、ホラー全般に言えるように、筋自体はあってもなくても、面白さに何の影響もない模様です……。
ここまでバッチリ、ネタバレしても、怒られる心配もなさそーな。

 

でも、その盲目の神父さんが、水分が抜けすぎて床ずれすら無縁のようなジョン・キャラダインだったり、トップモデルのアリソンが出ているシャンプーのCMが、アタイもひっくり返りそうになったほど、カッチョ悪かったり、そうゆう所はいちいち面白くて笑うんですよね。

アリソンの父親なんて、普通じゃないにもホドがある!つー貧相な肉体美丸出しの、白塗り盆踊りな変態ぶりで、この監督はこの映画に、リアリティをだす気は毛頭なかったんだな、とか察したりした。アクションでは名匠とか呼ばれているみたいやけど……。

 

センチネル

 

んで、 何が印象に残ったかって、惜しみなく出てくる、もの凄い出演者群!
ぜったいこいつが犯人だ!みたいな眼光ながらもまだ美形だったクリストファー・ウォーケン。
いかにも重要人物!てな顔で脇役を演じたジェフ・ゴールドプラム。
トムベレンジャーとは思えないクセのないトムベレンジャー。
やっぱり存在感スゲー!ってなっちゃうエヴァ・ガードナーなどなど、挙げればキリがないほど、ネバネバ~~とネバ濃い。

ふつーの人たちだけでもこんだけ粘ってるのに、最後にワラワラと湧いて出る、意外と人の良さそうな、悪魔役をやった、奇形の人たちもすげぇ濃い!!
ただ、ホンモノの奇形の人を、こともあろうに悪魔役に使ったカドで、日本公開は1週間で打ち切り、ビデオDVDの国内発売まかりならん!……ということになった顛末があるみたい。
んなの、当のご本人達が、ナットクして出演してるんだったら、外野がガタガタいわなくてもいーじゃんか……。とか思うけど……。

ともかく、そんなこんなのいわくがついたおかげで、たまたまカルト扱いされてしまったんだろうか、とか勘ぐりつつも、なんか保存版よね、みたいな、ヘンな映画だったと思います。

2005年5月

 

センチネル 特別版

センチネル 特別版

 

 

「センチネル」データ

The Sentinel 1977年 アメリカ

監督

  • マイケル・ウィナー

出演

  • クリス・サランドン(マイケル)
  • クリスティーナ・レインズ(アリソン)
  • マーティン・バルサム(ラジンスキー教授)
  • ジョン・キャラダイン(ハロラン神父)
  • ホセ・フェラー(プリースト)
  • エヴァ・ガードナー(ミス・ローガン)
  • アーサー・ケネディ(フランチーノ司祭)
  • バージェス・メレディス(チャールズ・チェイズン)
  • シルヴィア・マイルズ(ジェルデ)
  • デボラ・ラフィン(ジェニファー)
  • イーライ・ウォラック(ゲイツ警部)
  • クリストファー・ウォーケン(刑事)
  • ジェフ・ゴールドプラム(カメラマン)
  • トム・ベレンジャー(新婚さん)
  • ボブ・メルビン(悪魔の一人)
  • ビヴァリー・ダンジェロ(サンドラ)

『映画』ゾンヴァイア/死霊大血戦(2000)

LEGION OF THE DEAD/オラフ・イッテンバッハ

オラフ・イッテンバッハのゾンヴァイア/死霊大血戦

目次

ゾンヴァイアって何だよ!

さっすがオラフ!
今度はなんと、おバカ二人組を主人公に映画を作った!
そのおバカは、これぞ映画史上最おバカコンビ!・・・と誰もがお墨付きに認める、あのビルとテッドより純度の高いオバカ!!

その名も、ルーク・スカイウォーカーと名乗るルークと、ウィリアム・ボールドウィンと名乗るウィリアムという、オヤジギャグへの理解度が試される関所のような名前!!

アタイもえーかげんおバカの二人組を見てきたんだけど、こんなわけのわからんおバカは初めてかも!!<ほめてないです

 

あらすじとか感想とか

そんな二人をヒッチハイクで拾った車の運転手は、なんと猟奇殺人犯!!
殺人犯なのでもちろん行動が濃い!発作はおこすわハンバーガーにケチャップはかけすぎるわ!!
頭の中身は、味噌のかわりに、たぶんキャベツかニラぎっしり!!
けど行動の濃さも頭の悪さも、あらすじに何の影響もないままぽっくり死ぬ!
ま、ここまでは異常に巻き込まれる前の日常の描写かな!!

 

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驚きなのは、主役のおバカを上回るおバカ二人組が、もう一組いたこと!!

つーか、もはやおバカというレベルで語れる枠を越え、強いて言うならおクルクルパー
そのおクルクルパーな二人兄弟ジェフとニコラスは、悪魔のおっちゃんの手先として一所懸命働いている。

話のついでに、子供時代の悲しい過去が語られるけど、当然あらすじに何の関係もない。
なんせクルクルパーなので、予測のできる行動なんていっさいしない。

どんなに意味のない伏線も「だってパーだから。」のヒトコトで、全てあきらめをつけさせようという魂胆ならば恐るべし!!

 

さて、そんな思わせぶりな個性あふれる人たちが、美女ジーナの働く食堂に集結。
なぜかいきなり人数も増えて、前半のストーリーとは殆ど何の関係もなく、趣味のアクションが炸裂する。
二丁拳銃ありーの、ロマンスありーの。
あ、そういえばゾンヴァイアもいたっけ??でも何それ。

 

ちなみにフロムダスク風といううわさも、1ミクロンほどあるみたいだけど、フロムダスク・テイル・ドーンが花咲ガニなら、ゾンヴァイアはたぶんカニカマボコ風、フーセンガム?ぐらいのベツモノなのはまぎれもない。

そのフーセンガムのクライマックス、「悪魔に狙われた美女ジーナ、しかしその正体は顔面のパーツが口だけしかないというモンスター……!!!果たしてみんなどうなるの?」

いや、どうなっても別にいいよね…。

 

ンー。
オラフ@ハリウッド(大衆向けスプラッタ)?

それにしても、一体誰がオラフ・イッテンバッハをハリウッドに呼ぼうなんて思いついたんだろう?
もともとゴリゴリのグチャグチャだけで勝負してたオラフから、ゴリゴリとグチャグチャをセーブさせたら、デガラシのパーしか残らないのは常識じゃん。

たぶん広辞苑にも載ってるって!

 

それにオラフ、スプラッタ描写に凝れなくてよっぽどヒマだったのかもしらんけど、単なる膝ポンの思いつきで笑いを狙ったりしてヒマつぶししてる!!

でもでも、彼の若さで、観客の厚意に依存しなきゃ笑ってもらえないようなギャグに甘えるのはどうかと思う!

それにホラ、なにもわざわざ狙わなくても、いつも充分おかしいんだし!!

 

でも、小声で言うとするならば、アタイは、ジェフとニコラスのコンビは結構好きです。

悪魔(宇宙人か)の足下でのたうち回るジェフなんか、ジム・キャリーの30倍ぐらいは面白いと思う。

つーか、我ながら不思議でしょうがないけど、キャストはヘンに笑えちゃいます。
凶悪顔のダレン・シャラヴィは、いるだけで気になるという、本当に独特の面構えだし、ハンク・ストーンとワンセットで見るとひときわ破壊力が増大するので、単なる足し算じゃない、掛け算的なキャスティングのような気のせいもする。

オラフさんにしろ、こんな、ハタチを過ぎたら誰も思いつかないような少年映画を、堂々と撮ってのけちゃうなんざ、ある意味拍手よね!喝采抜きで。

これより先にビヨンド・ザ・リミットを見ちゃってるもんだから余計にね!!

というわけで、いつかオラフがハリウッドで、大出世?もしかしたら、ディズニーから?の万が一を考えて、ここにフラグを立てときます。

2005年1月

[rakuten:bamp:11348980:detail]

「ゾンヴァイア/死霊大血戦」データ

LEGION OF THE DEAD 2000年 アメリカ/ドイツ

監督

  • オラフ・イッテンバッハ

出演

  • マイケル・カー
  • ラッセル・フライデンバーグ
  • マシアス・ヒューズ
  • ジョー・クック
  • ハンク・ストーン
  • ハーヴェイ・J・アルペリン
  • クリストファー・クリーサ
  • ダレン・シャラヴィ
  • キンバリー・リーヴ

「映画」ゾンゲリア

DEAD BURIED(1981)ゲイリー・A・シャーマン

ゾンゲリア

悪趣味で人でなしなゾンビ!

そもそも「ゾンゲリア」などという、ふざけた邦題!
この語感からは、ばっちぃゾンビがゾロゾロ出てきて、死臭をふりまきながらドロドロ溶けるような映像しか想像できないってモンですよね。


けど、ダン・オバノン(脚本)のおかげなのか、なんか普通に面白い!
まぁ、どのみち食事中に見るモンじゃないな、とは思いますけど。

つーか出だしはこの邦題からは想像もつかないほど静かで美しい海辺。

心澄み渡る美しい音楽。
カメラをたずさえた一人の男の前に、突然現れた美しいブロンド女性がお胸をぽろり・・・・。

 

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そして男がクラクラっとなるや否や、アレヨアレヨとむさくるしいおじさんどもに取り囲まれ、「笑え」とか言われてフラッシュをシュボシュボ焚かれつつ、生きながらなにが何だか火をつけられて!!

あー、なんだなんだ、この連中は!!
と思うより先にもう燃えてる!

つーかぶっちゃけ、この連中は生きてる人間を装った死人たちなわけだけど、そこんじょそこらの死人とは、ちょっと一緒にできないのです!

何かもうあらかじめ「村ぐるみで死人」なんですよ・・。
殺すターゲットをすかさず集団でわらわらと取り囲み、 被害者を笑わせて、惨殺しながら記念撮影をするのが趣味らしい。

なんせ、ふだんは普通に生活しちゃってる一見普通の人たちを、「コイツはゾンビ!」 と、どこで見分けるかっていうと、「クローゼットにプロ仕様のストロボがあるかどうか!!」なんだもん!!!

 

そしてやっぱり、キャストですよね。
ハッキリ言って男どもは、主役のジェームズ・ファレンティノもがっつり含んだ上で、一筋のためらいもなく、むさくるしい野郎ばっか!

その代わりといっちゃー何だけど、女の人は美女揃えときましたから!!!って姿勢にまあ、サービス精神を感じます。

 

中でもやっぱし、看護婦姿のリサ・ブロントですよね。
リサ・ブロントに「キモチよくしてあげる」なんてささやかれながら眼球にぶっすり注射されたりしようもんなら、脳味噌がとろけよーがシビレよーが、普通の生理現象ですもんね。

つーか、どっちかというと死にますけど・・・。

ちなみにスプラッタ描写控えめなこのスケッチではただの眼球だけど、映画の眼球には顔もついてるのでそれはそれは痛そうです!

ま、皮膚がずる剥けなぶん差引きゼロと言えなくもないか・・・。

 

さてラストには、今でこそ珍しくもないパターンですけど、当時は斬新、かつ衝撃のどんでん返しがスタンバイ!!!

どんでん返しちゅーか、救いがないちゅーか、ある意味めでたしめでたし、ちゅーか、あとのことはしらん、みたいな人類の明日的に無責任な結末が、いかにもこうゆうB級映画の醍醐味っぽくて・・・・なんとなく好感度高いと思います!!

人を選びつつオススメ!

2005.5月

 

「ゾンゲリア」データ

 

ゾンゲリア [Blu-ray]

ゾンゲリア [Blu-ray]

 

 

DEAD BURIED 1981年 アメリカ

監督

  • ゲイリー・A・シャーマン

出演

  • ジェームズ・ファレンティノ(ダン)
  • メロディ・アンダーソン(ジャネット)
  • ジャック・アルバートソン(ドッブス)
  • デニス・レッドフィールド(ロン)
  • ナンシー・ロック・ハウザー(リンダ)
  • リサ・ブロント(リサ)
  • クリストファー・オールボート
  • ロバート・イングランド(ハリー)
  • マイケル・バタキ

『映画』ゾンビ(1978)

Zombie/ジョージ・A・ロメロ

ジョージ・A・ロメロの映画ゾンビ

目次

 

ゾンビ映画の金字塔

 

死者がムクムクよみがえり、生者をむさぼり食らうようになった世紀末。
世の中を代表してテレビ局が、悪夢の事態にたまげてアタフタしていた。
ひらたく言えばパニックですよね。

そういや昔、テレビかなんかで見た時に、確か死者がよみがえるハメになった原因の説明があったような気がしたけど、今回見たバージョンにはそんなモンなかったなぁ。
どうやらあれは日本で放送する際の、特別サービス(大きなお世話とも言う)だった模様です。それか、私の幻覚だったか・・・。
まぁ、浮いてたよね・・・。惑星からの特殊光線なんちゅう、全てを台無しにする蛇足など、ロメロさんが進んでつけたとは思えないもん。

つ~か、もし理由や、原因が必要なら、ロメロ監督自身がいずれそれで1本映画を撮る!!って言い出すんとちゃうんかなぁ~~。
そして、それなら、クオリティがどうであれ、必ず見せていただきたいデス。

 

ともかく、この映画と、それを見る私たちにとって重要なのは、ゾンビにとって生きた人間はエサなのであり、ゾンビと化した死人は、もう家族でも友人でもないのだ、ということと、ゾンビ化はウィルスみたいなヤツの感染(たぶん血液感染)によって起こる、ということ。

ゾンビと化したミゲールは、「ゾンビと化しても夫」と、生前の情を信じる妻のノド笛を、何のためらいもなく食いちぎる。
その生者と死者の温度差は、目撃者に恐怖を自覚させていき、やりきれなさのこもった弾丸を撃たせる。

そんな修羅場の中で知り合い、連帯感を分かち合ったSWAT部隊のロジャーとピーターは、テレビ局員のスティーブンと、その恋人フランとともに、ヘリで街を脱出する。

 

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空から見下ろす死者の行進は果てしなく、どこへ行こうと、状況はなにも好転しないであろうことを感じながらも、一行は巨大ショッピングセンターにたどりつき、仮の居場所を構築していく。
ショッピングセンターは、武器も食料も音楽も、エスカレーターとしても使える(オイ)滑り台もあるというパラダイス。
ゾンビをぼちぼち退治さえすれば、この上なくヒャッホーでキャッハーな安全地帯なのでした。

しかし、もちろんわずかな油断は即座に、命取りとなってかえってきます。
この映画では、背後への気配りが欠ける、というよりも、カっとして冷静な判断力を失うことが「油断」として描かれています。
彼らは、本能的な、所有することへのこだわりや、理性のすきまからふと顔を出した独占欲から、結果的に命を落とす。おろかだけど、そのおろかさが、生きた人間の証拠なんだなぁ~、とやるせない。
物欲は、絶望の中の、慰めでもあったわけだからなぁ。

と、いうことで、全体的にこの、「ショッピングセンターへの立てこもり」の発想がすごいなぁ、と思う。
ロメロが描きたかったメッセージや、当事者たちの複雑な心境の、きめこまやかな表現が、この舞台だからこそ可能になってた感じ。

 

ゾンビのロジャー


今更言うまでもないんだけど、私はこれを、傑作中の傑作映画だと信じているので、いつもならツッコムところ……たとえばフランやピーターの目と目の距離感や、ロジャーの毛根の真相など、今回はぜんぜんどうでもいいもんね。

 

いやホントホント、たとえ乱れた時の髪形がどうであれ、アタイは、「男は生え際じゃない!!」と強く悟った上でロジャーの嫁になりたいとまで思っていたので、毛布がムクっとするあのシーンでは、本当にせつなくてしょうがなかったよ!!


そしてラストではピーターが、私をはじめ、ロメロゾンビファン一同の、永遠のヒーローになりました。
このあとピーター役のケン・フォリーが、どんな変貌を遂げようと(デビルズ・リジェクトとか)、どんなヒドイ映画に出ようとも(ゾーン・オブ・ザ・デッドとか)、アタイは変わらぬ愛を誓っております。
どうぞ遠慮なくたたえてくれたまえ、「ミーハーの鏡(パチパチパチ!)」と!

あ、あと、特殊メイク界のカリスマ、出たがりトム・サヴィーニが浅ましい乱入者を好演してます。
メイクといえば、最近の、「スゴいCG」とか、「飛び出してくるような迫力」に慣れた目には、この時点のゾンビメイクは、まだ発展途上なんだけど、アタイは誰に気の毒がられよ~が、この映画の青白いゾンビが好きと言ったら好き!!なので、またボチボチ、アイコンなんかも増やしていこかなぁ、と思ってます。
イマドキって、GIFアイコンの需要なんてあんのかな?まぁ自己満足じゃよ、うひひ。
ナニゲに各ポイントで、存在感を放ってる看護婦さんゾンビとか、ノーマルだった人生から、ゾンビ愛に目覚める原点じゃん?

というわけで、ひさびさに見たけど、やっぱし名作。これがあるから、ゾンビ映画の今がある。ウン。

 

2010年8月

 

ゾンビ ディレクターズカット版<HDリマスター版> [Blu-ray]

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「ゾンビ」データ

Zombie/Dawn of the Dead(1978年)

 

関連してるやつ

seicolin.hatenablog.com

seicolin.hatenablog.com

 

監督

  • ジョージ・A・ロメロ

出演

  • デビッド・エンゲ (スティーブン・アンドリュース)
  • ケン・フォリー (ピーター・ワシントン)
  • スコット・H・ライニガー (ロジャー・デマルコ)
  • ゲイラン・ロス (フランシーン・パーカー)
  • デビッド・クロフォード (フォスター医師)
  • デビッド・アーリー (バーマン)
  • リチャード・フランス (科学者)
  • ロッド・ストファー (ロイ(SWAT隊員))
  • ジョン・パフィシコ (ウーリー(SWAT隊員))
  • ジョージ・A・ロメロ (テレビのディレクター)
  • ハワード・K・スミス (テレビのコメンテーター)
  • クリスティーン・フォレスト (テレビのプロデューサー)
  • トム・サヴィーニ ( 暴走族のメンバー/トラックに轢かれるゾンビ)
  • ジョセフ・ピラトー (埠頭の偽警官)
  • レナード・ライズ (ナタで頭を割られるゾンビ)
  • ジョン・ハリソン (スクリュードライバーゾンビ)

▼萌えゾンビのランキングみたいなのあったので貼っとく!


Dawn of the Dead Top 20 Zombies

 ▼なんかちょっと欲しい。貼っとく。

[rakuten:halloween-world:10053012:detail]

『映画』ゾーン・オブ・ザ・デッド(2009)

ZONE OF THE DEAD/ミラン・コニェヴィッチ ミラン・トドロヴィッチ

ゾーン・オブ・ザ・デッド

目次

 

たしかに残念、だがしかし!

 

いや~~~はははははっ、私は好きです!

そりゃーたしかに、元祖ゾンビバスターの「ケン・フォーリー主演!!」っていうのが最大の目玉であとはほぼ付け足しだろな、ぐらいはアタイにもわかるけど、その「付け足し」が、お、お、おもしろかったから・・・。

とはいえ鑑賞前の準備として、あらかじめ期待値をぐっと下げておく必要はあります。

やっぱさぁ、 ゾンビ映画って出来が良すぎてもあんまし面白くないんよね・・・。
その点これはツッコミ所のバランスが、好みな塩梅(かなり)に偏っていて、ツカミからぐっと酒が進むったらナイんですわ。(酒の肴か!)

 

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あらすじと感想

ともかくコトの始まりが、すっげえ安易で笑っちゃう~~~!

はじまりは確か「ブラック・スモーク」とか言う作戦。
その、なんかよくわからん作戦で使う、たいそうなガスを乗せた列車がセルビアのどっかの駅に止まるんです。

一方で、与太モンと駅員のちょっとした小競り合いでうっかり発砲、みたいのがあって、ガスタンクにまんまと命中!!
モウモウモウっと絶好調にガスが漏れ、またたく間に皆ゾンビ化!!

 

そしてあちこちエライことになるわけですけど、エライこと自体は「何オブザデッド」でも50歩100歩。
でもこれはたぶん作り手の狙い以上に、各自好き勝手な方向に発酵しまくり、かなり自由に伸び放題です。
ぶっちゃけキャラの香ばしさね。
クサヤやドリアンが子供だましに思えるほど、強烈な個性を放っております!!
ゾンビものとして、この点は極めて重要なのではないでしょうか!?

 

あくまでも、無駄で無意味でボンクラな設定を貫きながらも、こうまで濃い味つけを突きつけられると、相当、オブザデッド麻痺したマンネリおつむの中にも、お得で満腹な気分が漂いはじめてしまいます。
いやまぁ錯覚なんですけど、「フラシーボ効果(はあと)」とか、コトバを選べば済む問題でございます。

 

なんせ、なんかよくわからん犯人を護送する一行の人間模様の無駄さが秀逸!

主人公のレイエス(ケン・フォーリー)のよくわかんない一流さと、ココロに秘めた悲しみ(妻の自殺!!ベタ!!……まさか、ただの事故じゃないよね?←ありうる)、そして親友刑事との途中まで濃い絆、さらに新米刑事を温かく大きな目で見守るという、ケン・フォリーの主人公っぷり!

ぶっちゃけ、ロブ・ゾンビのデビルズ・リジェクトでの扱いとは、ドえらい違い!!

 

そこへ、修道院から出てきた無敵ランボーやら、列車に乗りそこねた教授やら、護送されてる犯人やらが、必要もないのにわざわざネットリ絡むんです!!
確かに一旦あきれるんですが、そこを1歩乗り越えるだけで、もう箸が転げても爆笑状態。
これはもしや、苦しみを乗り越えてから気持ちよくなるという、オタクにとってはまぼろしのあの現象。
つまり、家でゴロゴロしながら、ランナーズ・ハイの擬似体験ができたということではないでしょうか!

 

でもって、ガスでゾンビ化したやつらは、運動能力も生前なみ。
たしかに肉体的には無傷ですから、そりゃ全力で走りますよね。

大事なことなのでもう一度。
全力で走るゾンビ。心臓止まってるから息切れもなし。
となるともはや人間は、体力でかなうわけがない!

 

ただ、走るゾンビにナットクいかないゾンビファンもいますよね?
ぶっちゃけ、私はそのクチです。

ところがこの映画はその問題もらくらくクリアしています。
走るゾンビのかたわらに、ロメロタイプも無理やりしっかり配置されているのです。

おかげで、旧タイプファンもほっと胸をなでおろせることうけあい。
スタッフグッジョブ、モノノミゴトに節操なし 気の利いた仕様をありがとうございます!

 

つーか、製作サイドとしてはたぶん、ナイト・オブ・ザ・リビングデッドのファンと、ドーン・オブ・ザ・デッド(リメイク)のファンの、2兎を一気にとりこにする意向だったと思われます。

実際は、2兎がまとめて失望するハメになってるような気もするけど、どっちにしろ、「力ずくで両方まとめちゃってる」ところは、本気で斬新だと思います。

 

あと、この映画のゾンビの造形、私はスキデス。
なんせゾンビに対する愛情だけはこんなに濃いよ!というのが一目でわかる。

とくに、ずらりゾンビの日光浴大作戦!!?って山場なんか、絶対愛がなきゃ思いつかない名シーンですし!

 

ということで、少々英語がヘンだとか、細かいことは気にしない。
必要とおぼしき脳内補正が成功さえすれば、ピリリと配合されたオマージュネタも嬉しい、「ナンチャッテ珠玉の1品」ぐらいには充分思えるおもしろさだと思います。

ええ、ええ、アタイとしても、近年モノの中では、ややプッシュの方向です!!

 

2010年6月28日

 

ゾーン・オブ・ザ・デッド [DVD]

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「ゾーン・オブ・ザ・デッド」データ

ZONE OF THE DEAD(2009)イタリア・スペイン・セルビア

監督

  • ミラン・コニェヴィッチ
  • ミラン・トドロヴィッチ

出演

  • ケン・フォリー Agent Mortimer Reyes
  • クリスティーナ・クリーブ Agent Mina Milius
  • エミリオ・ロソ Prisoner
  • ミオドラグ・クロストヴィッチ Inspector Dragan Belic
  • ヴコタ・ブラヨヴィッチ Armageddon

▼予告編。別に本編見なくても、これだけ見ればこと足りる模様。

youtu.be

『映画』ゾンビ3D(2006)

超立体映画 ゾンビ3D/ジェフ・ブロードストリート

超立体映画ゾンビ3D

目次

 

超立体3D?

 

えと、私は、超平面映画しか見てませんけど・・・・。
でも、超立体のこの映画がどうだったかはチョー簡単に想像できます・・・、モゴモゴ、褒めではございませんが・・・。

ともかく、立体平面抜きにしても、こりゃーヒドいっつーか、ヒドすぎるっつーか、こんなヒドいの見たことないっつーか、いや、こんなヒドいのはまあいっぱい見てるけどさ、っつーか。

まぁ、ダメに決まってるのは最初からわかってるんでいいんだけど、ダメで面白くない映画の中に潜むべきワビサビなそよ風も、まるで吹かないという寂しさが悲しい・・・・。

 

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感想

んと、最初オープニングを見る限りでは、ロメロのゾンビのまるっとリメイク!?と思われました。
私は基本的に、リメイクとかどうでもいい派です。
へんにコギレイな絵柄と化した、「ゲゲゲの鬼太郎」の最近アニメを筆頭に、モトネタを凌ぐリメイクなんて、ぜんっぜん見たことないもんね。(ぜんぜんバッチクないネズミ男なんてつまらんやろ??!!クリープのないコーヒーどころか、クリープしかないコーヒーやんけ!!<コーヒーちゃうやろ!!)

ゲホゲホ、やっぱり、ナニゴトもオリジナルでナンボ。
でもこの映画に限って言えば、まるごとリメイクだったらどんなにましだったろうとか思う。


ぶっちゃけ、シド・ヘイグが出てきた時点で、狙っているのはお笑いなのね、と、ひとまず悟りを開きました。
スコップを持たせてハマることにかけては、シド・ヘイグの右に出る者なんかいなさそうだし、そこを狙ってこのキャスティングだとしたらスギョイ。

 

まぁ、リメイクを装ったオープニングから、どんどんオリジナル度が暴走していく時はうろたえます。
お客のいない遊園地の、古びたジェットコースターに乗る恐怖と似てなくもない雰囲気と言えば伝わるだろうか。

途中で空中分解するかもしんないハラハラ感は、ある意味、ホンモノのスリルをしのぐものがあります。
設定もなんだかデタラメすぎて、逆に先が読めないし・・・。

 

つーことはつーことは、誰でも先が読めるような、つじつまの合った本格スリラーに飽きたころにお試しすれば、意外と珠玉の思い出の映画になりそうだったりするのかもしれません。
いやいや、冗談、それはないない、悪いけど!!!
ほかになにも書くことナイんで、ちょっとゆってみただけだよ!!!


でも、ゾンビ映画を3Dで!!という試み自体は、個人的にウェルカム物件。
ちゃんと頭のいい人が情熱とお金か手間のどっちかをかけて、マジメに作ったゾンビ3D映画なら、絶対面白いと思うし、最悪、大麻の煙のワッカとかじゃなくて、ちゃんと血しぶきが飛んできたり、飛び出す内臓にむせんだりできれば、たとぃ監督がウーヴェ・ボルさんあたりでも、劇場で見ようかな、という気にもなるんちゃうかいな・・・。
・・・・・・・。
(あくまで可能性の話です)

 

(2009年3月)

 

ゾンビ3D 【3Dメガネ封入】 [DVD]

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「超立体映画 ゾンビ3D」データ

NIGHT OF THE LIVING DEAD 3D (2006年/アメリカ/80分)

監督

  • ジェフ・ブロードストリート

出演

  • ブリーアナ・ブラウン
  • ジョシュア・デローシュ
  • シド・ヘイグ
  • グレッグ・トラヴィス
  • ジョアンナ・ブラック

『映画』ゾンビ革命-フアン・オブ・ザ・デッド-(2011)

Juan of the Dead/アレハンドロ・ブルゲス

ゾンビ革命-フアン・オブ・ザ・デッド-

目次

キューバ発ゾンビ映画!おっもしろ~~い!

 

オープニング。
三角イカダにて漂流者のごとく海に浮かぶ、色黒のオヤジ。
「ゾンビ映画」を日常的に見ているアタイにしてみれば、海にシットリ浸されたのんきな足は、どう考えてもサメかゾンビに食いちぎられるフラグ。
しかしまもなく、そんな平和な予定調和に、思いもよらぬ亀裂が。

え?え?いまフアンって言った?!!!このおじさんの名前?フアン?うそ?題名の?題名の?マジ?
てことはつつつまり、このおじさんが主役か!!!?そうなのか?ランニングにバミューダパンツの、むっさ苦しいこのおじさんが、ゾンビをなぎ倒して生き残るヒト?
AKBで言うなら、サシコとかまゆゆ(他のメンバーしらん)あたりの中央ポジション?
まさかね~。でも、まさしくそうなのであった。

 

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たぶん、客観的に満場一致で、むっさ苦しいおじさんでしかないフアン。
ただね、すごくスタイルがいいんです。
ランニングいっちょですったもんだする人々カテゴリの中では、最もカモシカに近い美しさがある。
もちろん毛も生えてるよ!

そして、アホ面下げた相棒のラザロ。

丸い腹の中央にアクセントとして君臨するヘソと、ハミ出た何かがチャームポイント。
なのに意外や、ラザロの息子はDNAの間違いレベルの、超イケメン担当で、ちなみに名前はカリフォルニア(笑)。んもー、なんてふざけた親子なんだ。

 

ともかくよ、フアンとラザロ
ぶっちゃけ、このコンビに比べたら、ショーン(サイモン・ペグ)とエド(ニック・フロスト)の二人なんか、はるかにお品がおよろしかった気がしてきます。
あと、フアンとラザロを囲む、オネエあり、マッチョありの、能天気ヒーローたち。下品でテキトーでたくましく、すわ、ゾンビ化?という事態でさえ、精神的な救いなどは求めない、無敵のオバカ。
ゲラゲラ、そら~強いはずだわ!

まぁ、べつに一生見なくてもこと足りる、行儀の悪いボンクラ映画です。
けど最後に、フアンが世紀の男前に見える!という、思いもよらないトラップが!!!
そしてこれを見終わったあと、セックス・ピストルズのCDを、ひっぱりださずにいられない。
なんかわかんないけど、頑張れ、キューバ!!

ともかく、地震だの大雨だの、自然の怖さを実感してる昨今、まんざら、ご近所にゾンビが溢れないとも限らないけど、その時戦う武器として、オールは必ずインプットしときましょう。
アタイ的には、下手なチェーンソーよりいい仕事するかも、とにらんでいます。
平和な時には船もこげるし、頑張ればしゃもじ代わりに使えなくもないかもよ!

 

2015年9月

 

ゾンビ革命-フアン・オブ・ザ・デッド- [DVD]

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「ゾンビ革命-フアン・オブ・ザ・デッド-」データ

Juan of the Dead (2011年) スペイン/キューバ

監督

  • アレハンドロ・ブルゲス

出演

  • アレクシス・ディアス・デ・ビジェガス (Juan)
  • ホルヘ・モリーナ (Lazaro)
  • アンドレア・ドゥーロ (Camila)
  • アンドロス・ペルゴリーア (Vladi California)
  • ハス・ビラ (La China)
  • エリエセル・ラミレス (El Primo)
  • アントニオ・デチェント (Father Jones)

『映画』ゾンビヘッズ~死にぞこないの青い春~(2011)

ZOMBEHEADS/ブレット・ピアース&ドルー・T・ピアース兄弟

 

ゾンビ・ヘッズ 死にぞこないの青い春 [DVD]

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目次

ゾンビのロードムービーという新分野!

おぉぉ、これは、新しいです!

 

物語の主人公は、寝起きの青年、マイク。
もちろんゾンビ映画なので「目覚めたらまわりがゾンビだらけ」っていうお約束はキッチリ、クリア。

寝起きマイクのまわりでも、ゾンビがヨロヨロ歩いていました。

 

寝ぼけながらも周囲の異常に焦ったマイクが、民家に向かって助けを求めたりするぐらいまでは、至ってフツーの平和なゾンビ映画のひとコマですよね。

ところがなんと、善良なはずの民間人からいきなり命を狙われて、主人公が「なにそれ?キョト~ン!」・・・みたいなあたりから、話の流れがおおいに脱輪し始めて、油断がならなくなってくるのであります!!

まず、ゾンビがなぜマイクを襲って来ないのか?怪しいですよね!

いや、客観的には主人公が人間から攻撃を受けるのはムリもない自然な流れなんですよ。

だって、マイクの風貌がね。どえらく顔色悪いしね!
なんか、穴とか開いちゃってるし。

 

 

ぶっちゃけ、単刀直入に言えば、マイクお前ゾンビだろ!ってことになるよね。
気の毒に、腕も簡単にモゲモゲするし、聞けばおしっこなんかここ3年していないっていうんだから、膀胱の惨状や押して知るべし!
でもまぁ、連れのブレントみたいに、放尿中にナニがモゲるよかだいぶマシ?

 

いやいや、そうよ。そうなんですよ。

マイクに、連れがいるコトが、この映画の楽しさなんです!

まずお調子ゾンビのブレント。
あと、二人になついてついて来た、かなり発酵してるであろう、本格派ゾンビのチーズ。
そしてゾンビだからといって分け隔てなく、ごくナチュラルに車に乗せてくれた、人間の、やもめ純愛エロじじい、クリフ。


なんつーかね~、さしあたってのストーリー自体は、目線は新しいもののとりたてて大騒ぎするほどの欠陥も長所もない感じで、ダラダラとゆるく流れます。

にもかかわらず、始終他の残念なゾンビ映画との大きな違いを感じるのは、この人たちのキャラの立ち具合いじゃないのでしょうか。

連れ以外にも、ゾンビ映画のお約束、筋肉質のアウトロー黒人完備、各種オバカキャラの配置もビンゴ!

多少、主役が安い感じはするけど、画面の中どの顔を見ても残念すぎて、B級の悲しさを実感する、みたいなことの(少)ないキャラの安定感があるのよね。

やっぱ、キャラの魅力に予算は関係ないんだよ!(あんまし)


ちなみに、その気になれば、ブレントのロス・キダーは半ゾンビ界のノーマン・リダース!・・・といえない事もない。かもしれない。

なら、マイクの彼女は、言うなればお産まえのケイト・ハドソン。
クリフは、んとんと、無名界のドナルド・サザーランド!
可愛いチーズは、ゾンビ界きってのジミー大西!(メイク前のマーカス・テイラーはさながら、ジョージ・クルーニー!)

そしてマクディンクルは、まるでモミアゲ界のアレクシス・アークエット!・・・こ、これはふつうにどっちもどっちか。


と、と、ともかく!
主役に絡む登場人物が増えるにつれ「半ゾンビ目線」が、思った以上に新鮮で、気分が上がってくるのですよね。
半ゾンビたちは、たとえ体は腐ってようが人間としての意識を持ってて、オバカっぷりも生前のまま、目的(人間彼女に指輪を渡す)に向かって一歩一歩と距離を詰めてく。

なんか、ほほえましいんよね!

つーか、この映画の楽しさって、生きたオバカも死んでるオバカも、ざっくりひとまとめに入り乱れている、阿波踊り系とでも言おうかなぁ。同じアホなら、腐らにゃソンソン?

あっ、それから、世間にゾンビとバレないように、切り抜けていくシーンのひとつ。↓

ゾンビヘッズ

カポシ肉腫か!
っていうネタをぽんっと平気で入れちゃってるのがいいね。

マイクの中の人が、エイズを公表しているだけに、これがもしA級映画だったらゾンビ映画界のご意見番が、黙ってなかったかもしれないもんね。


ま~、アレだ。
あらすじまでクドクド書いたら長引きすぎるのでまとめに入ろう。
そもそも、医療の現場で何かと物議をカモす「脳死」

いくら心臓が鼓動を打とうと、脳が死んだと宣告されたら人生はひとまず終わり、と世間一般に判断されます。

で、この映画の半ゾンビはその反対みたいなつもりなんかもね。
体は死んでてわりかしウエットに腐り気味なんだけど、脳が香ばしく働いているゆえ、「ちゃんとオバカとして青春する」

ナニはともあれ、青春は素晴らしく、発情は、若気の至りの原動力だ!
そうだそうだ、うん、たぶんそんな感じだ!

そして、こんなチャーミングなゾンビなら、普通は「まさか!」とのけぞりそうな、あの反則ラストもアリだよね!!
ええ、アタイは許可します、ハッピーエンド。

ぶっちゃけ、なんだかんだ言っても途中までは、ふつ~にオモロイ面白いB級映画だったのだけど、ラストのインパクトで一気にジャンク度が増して「こここここれは一生忘れないかも!!」って、鼻息の温度が上がったもんね!

それにしても、ゾンビのしつけがこれほど上手くいくんなら、アタイも「クサヤ」とか由緒ある名前をつけて、1匹ぐらい飼ってみたいなぁ。ゾンビーノあたりをはじめ、最近はゾンビコメディも増えてきて、可愛いゾンビも結構いるけど、チーズはそん中でも、ダントツに可愛い萌えゾンビ!と認定できます。

2012年8月

 

「ZOMBEHEADSゾンビヘッズ~死にぞこないの青い春~」データ

DeadHeads(2011)アメリカ

監督

ブレット・ピアース&ドルー・T・ピアース兄弟

出演

  • マイケル・マッキディ(マイク・ケラーマン)
  • ロス・キダー(ブレント・ガスリー)
  • マーカス・テイラー (チーズちゃん)
  • トーマス・ガラッソ(Thomas Jeremiah)
  • エデン・マリン(エミリー)
  • ナタリー・ビクトリア(エリー)
  • レナード・ケリー=ヤング(Charles)
  • ベンジャミン・ウェブスター(マクディンクル)
  • Harry Burkey(クリフ)

ゾンビ・オブ・ザ・デッド

FLESH FREAKS(2000)コナル・ペンダガスト

ゾンビ・オブ・ザ・デッド

これはヒドい

 

私はベツに怒ってはいません。

だってこれ、学生さんの、自主制作映画だそーなんですよね。
いいなあ、この体験、さぞかし楽しかったんだろうな~~~。


友達が、おデコを合わせて工夫したり、お小遣いをやりくりしたり、しでかしちゃって怒られたり、投げ出さないで頑張ったり。

私も一度ぐらいやってみたかったよ~~~ゾンビの自主制作映画!!
・・・・と、思えば、つい目も細まるというもの。

まぁしかし、これを商品化なんぞして、世界にばらまいたことに対して、そりゃ賛否両論出ますよね。


コレのDVDのお値段と、ショーン・オブ・ザ・デッドのお値段が一緒なら、そりゃ~~「金返せっっ!!」って吠えちゃうのが、人としてノーマルな反応だろうし。世間の風が暴風雨でも、そらしゃあないかなぁと思います。

ただ、ブレアウィッチプロジェクトやらザザンボやらを、いちいち映画館で見た身としては、これを買わずにいられなかった人の気持ちや、レンタル棚で、つい中指に魔がさすような気の迷いにも、思い切り同情できるんですよね。

 

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まぁ、「せっかく作った俺たちの作品をみんな見てくれーーーーっっっ!!」・・・・というんなら、動画サイトとかで、無料配布せんかいっっ!
みたいに思わなくもありません・・・。
たとえ無料だったとしても、「時間の無駄」という迷惑をこうむる人が増えるだけかもしれないけど・・・・。

そんなワケこんなワケで、見ててもストーリーの行方とか、一切気になんないかわりに、ゾンビメイクやオブジェ制作はさぞかし楽しかったんだろうなーとか思うし、ドッチャリの血糊をみると、あとさき掃除の苦労もかえりみず、色つきコーンシロップをドバドバ振りまく、その無駄さに涙したりします。

 

血糊の量に比例して、面白さUP!!・・・・なんてこともまったくないのに、あえてしでかさずにはいられない、若さがうらやましくもある・・・。
そうだ。これは、学園祭とか、手作り縁日の楽しさってやつかも。

若いやる気に付き合ってあげたであろう、心の広い大人の出演者たちの存在も、なんかほほえましいですし。

それはまあそれとして、スタッフ一同、映画の世界での将来性はどうなんだろう。

案外大物になったりして。

(2008年8月)

「ゾンビ・オブ・ザ・デッド」データ

(Zombie of the Dead)FLESH FREAKS(2000年/カナダ)

監督

  • コナル・ペンダガスト

出演

  • イシー・マーシー・ジェームス
  • イーサン・マスカット
  • ロニー・バリノー
  • エリカ・ゴルトブラット
  • クレイトン・ヘイズ
  • ダン・ザブラージョン・キング
  • R・マッドーズ

ゾンビキング

Zombie Beach Party(2003)ステイシー・ケイス

ゾンビキング

ゾンビのビーチパーティー

なんとなんと?
ゾンビのプロレス映画だって言うんですよ!!

ゾンビ好きでプロレスファンなら、とるものもとりあえず、わーーーいっ!!とテンションあがりますよね?


果たして!!
どんな死闘を見せてくれるの??デスマッチよね?
ラリアットで首がモゲるの?
それともブレンバスターで首がめり込むの?

もうリング上の阿鼻叫喚待機で、いち早く胸が張り裂けますよね!!
出演者は元WWE、WWFのプロレスラーたちってことだし、もう一度だけ、アルバトロスを信じてもいいんじゃない?と澄んだ目で!

 

んで、結局薬局(死語)どうだったか?
いや~~ハハハ、くっだらなぃいいいいいい~!!!!
あたりまえです、A級映画のわけがない。
こんな映画かい?と控えめなC級路線で脳裏に描いた青写真すら根こそぎハズレ!!!

しかし、なぜだかさっぱりわかんないけど、妙に面白かったりしたんですよ・・・。
困ったことに、さして退屈しなかったどころか最後まで笑いころげることに成功しました。

 

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いや、べつだん笑いころげるようなギャグじゃない。
本来はのんびりおせんべでもカジりながら、時々オシリでも掻きながら、あくびをしたり、たまにフヒャヒャと笑ったり、こいつらアホやで~と指差してみたり、サザナミのように襲い来る眠気に身をまかせたりしてればいいだけの、ゆるーーーいゆるーーーいお話だと思います。

 

つーか、殆どの人は最後まで見る気にもなんないだろうなあってぐらい、まぎれのないヒデー映画でございます・・・。

 

けど、脳か視神経かホルモンか、人体のどっかで謎の誤作動が起こって、ピコっとスイッチが入る事故に至らぬとも限りません。
そんなレアケースに当てはまったら、正真正銘もう大変。

経験者としてドヤ語りさせてもらいますと、その先は箸が転げてもおかしいという、超常現象に遭遇します!!!

 

あらすじ


時は世も末、気温38度とかなんですけど、雪降ってるし雪積もってるし、っていう頭の悪すぎる異常気象。


ありゃそうか~~、そりゃー、時々はゾンビもいるよね!!って世の中です。

 

そこで、一匹オオカミプロレスラーのティキがこともあろうに、世にも恐ろしい興行に手を染めようとしています。

すなわち「ゾンビと死闘!!!」大作戦。

つーか、サックリ種明かしを行いますと、自分の飼いゾンビ相手にヤラセ試合をするんですよ。

問題はその試合が、ゾンピとの対戦なのにもかかわらず、とくに何にも起こらないごくふつ~のプロレスだっちゅーことなのではないでしょうか!!!
強いて特徴を言うなら、ゾンビがキビキビ試合をしてる!!

いや、それはさすがにゾンビ界の大御所ロメロさんやフルチさんが怒り出すやろ・・・。

 

けど、一方店の裏口では、巨乳のおネーさんがゾンビに殺される!!
つまりこの世の中から巨乳のお姉さんが一人減ってしまうんですよ!
そこは確かに一大事であります!!!!

 

当然ティキの飼いゾンビに犯行の疑いがかかり、ゾンビはあえなく投獄され、飼い主のティキはとっとと逃亡!!!

そしてその後をブルーセイントという、坊ちゃんレスラーが追うことに!!!!

ああっ!!果たしてティキはどうなるのかっ???
・・・と思うより早く、ゾンビの無実が判明します。
催眠術で調べた上、握手までしちゃったからには、飼いゾンビの無実はまちがいない、とのお墨付き!!

なんやそれ!!
まさかクライマックスもなしに事件解決させるつもりか?
つーかそんな捜査、そもそもありか?

 

感想


んーと、ティキティキと連呼したけど、驚愕の事実を申し上げると、主役はユリシーズというインテリレスラーなんですよね。
特に活躍はしませんけど、製作者が主役って言うんだから仕方ないです・・・。


まぁ、この話を理性とか知性で処理しようとすると、とちゃぶ台がいくつあっても足りないカンジ。
ただC級映画で鍛えた条件反射が、すばやく思考力をグーで殴って、知性をマットに沈めないとも限りません。

脳内でそのような勝負がついたとき、「面白いじゃん?」といううわごとが口から漏れ出ることがあります。

 

なにが面白い(ウワゴト)ってまず、映画中のアクションが、全部プロレスなんですよ!!
女同士のケンカも、ゾンビのタイホも、ラスボスとの戦いもぜーーーんぶプロレス!!

ただし大技がいっさいない!!
まぁCGもなく、場所がリングじゃなくコンクリの上だったりするから、大技かけられたらヤバイですよね。


なので、ゾンビとの戦いももちろん直球の肉弾戦。
ゾンビの首を、むしってはポイ、むしってはポイ!!

そして、おまわりさんの断末魔という、この映画イチの見所に熱狂する!!!

 

あとこの映画には、ユリシーズの顔みてるだけでも笑えてしょうがないという余録があります。
マスクとマユゲとつぶらな目のバランスが、すごいアート、アートなのです!!
個人的には、太陽の塔かユリシーズか、ってぐらい。

 

ともかく、ごちゃごちゃ言いましたけど、言葉じゃ伝わらないモノがある!!
ともかくこれは、見てよかったです。
カナダって国はやっぱり偉大、なにはともあれ懐が深い!!

ちなみに原題は「ゾンビのビーチパーティー」です。
最後には原題どおりの大円団がさわやかでした。

 

うん、これが乗りかかった船ならば、次はエル・サント映画を見るしかないかも・・。

 

2007年5月

 

ゾンビキング [DVD]

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「ゾンビキング」データ

Zombie Beach Party 2003年 カナダ

監督

  • ステイシー・ケイス

出演

  • ジュールス・デローム
  • ジェニファー・トーム
  • ロブ・エチェバリア
  • ニコラス・シン
  • ジェイソン・ベアフォード
  • ジム・ニードハー